衆議院議員の定数削減案に反対です!!~民意が反映されるような選挙制度に変えるべきです~

議員定数削減は日本維新の会が昨年の自民党との連立合意書に沿って、これまで衆議院比例定数の45議席削減を強く主張していました。しかし、削減数や削減そのものにすべての野党が反対し、しかも自民党内でも異論がある中、法案成立の見通しが立たない状態が続いてきました。

これを受け、自民党はにわかに、人口減少を反映したとして、45議席でなく「31議席」を削減することなどの折衷案を各党に提案しました。当初は「19議席」を主張していた国民民主党が、一転して賛成する方針に回り、10月29日に3党の幹事長が合意に達しました。これにより、与党が少数の参議院でも賛成勢力が過半数となる見通しで、法案が提出されれば今の国会で成立する公算が高まっています。

しかし、そもそも現行定数になった2016年衆議院議長の下の有識者調査会の答申は「現行の衆議院議員の定数は国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見いだしがたい」と明記しています。

31議席削減案は、比例定数の削減です。これは、議会制民主主義の根幹に関わる問題で、少数政党の議席を減らすことにより、国民の民意を政治から遠ざけ、反対意見や少数意見を排除し、多くの国民を犠牲にすることが狙いと考えられます。例えば、皇室典範の改正は数の力で成立され、民意が反映されたとは言い難いものでした。

もともと、自民党と維新の連立協議では、自民党の派閥裏金事件を受けた「政治改革」が大きな焦点となりました。「政治とカネ」を巡る問題は、自民党が国民の信頼を失った最大の要因であり、公明党もこの問題を理由に26年間続いてきた連立を離脱しました。

維新はこれまで「政治改革」として企業・団体献金の禁止を主張してきましたが、連立協議の中で、自民党が応じないとみるやすぐさま棚上げにしました。そこで、維新が突如、連立の「絶対条件」として持ち出してきたのが、今回の議員定数削減です。

議員数が多いということがまことしやかに言われています。例えばサンデーモーニングなどでお馴染みの寺島実郎氏は、同番組で、政治とカネ問題の深刻さを背景に、人口減少の現状の中で議員数を減らすことの重要性を強調し、「少なくとも人口が減っていく中で、国会議員の数を3割くらい削減しないと政治改革にならない」と述べました。

そもそも国会議員は多すぎるのでしょうか。たしかに絶対数で見ると日本の国会議員の数は多いほうですが、人口あたりで見るとOECDでは38カ国中36位と下から3番目で、むしろ少ない状況です。議員定数削減の理由について「人口減少に応じて定数を減らすべきだから」という点も語られていますが、諸外国と比較すれば、むしろ人口に応じて議席を増やすべきではないでしょうか。小選挙区ではなく比例代表のみ枠を削るというのは、特に新人や若者、女性、マイノリティの議員がより当選しづらくなることにつながります。

今必要なことは議員定数削減ではなく、選挙制度そのものです。死票が多い小選挙区制度を改め、無所属でも立候補ができる中立・公平な、ヨーロッパ諸国で主流の完全比例代表に改革することこそ、民意が反映される選挙制度なのではないでしょうか。