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中山美穂さんの相続税報道から相続税の課税の根拠を掘り下げてみました~あるべき相続税課税を考えてみました~

参政党の塩入清香参院議員が4月9日、参議院・財政金融委員会で質問に立ち、2024年12月6日に54歳の若さで亡くなった中山美穂さんをめぐり、一部で報道されている遺産相続をめぐる話題を取り上げました。

氏は、片山さつき財務相に「片山大臣もご存じだと思うんですけど、今、中山美穂さんのご子息が20億円の遺産相続を放棄されてですね」と、中山さんの話題を持ち出しました。氏は「その相続税が11億円だったということで、昨今の相続税の負担の重さについて、国民の間で大きな関心が高まっております」と問題提起しました。

氏は「資産規模が大きい場合に相続税の支払いが困難となり、やむを得ず、相続放棄や相続税支払いのために不動産の売却に至り、それが市場に流れて外国資本に買われるというケースも指摘されております」と、外資による不動産取得にもつながるとの問題意識も提示。「所得税との二重課税ではないかとの指摘も根強くある。政府は相続人の担税力に着目した課税であるというふうに説明されておりますが、国民の間での納得感というのは非常に乏しい」とした上で「国際的な比較において、日本の相続税のあり方をどのように認識されているか」と質問しました。

そこで塩入議員の質問が適格なものかどうか相続税の課税の根拠を検討してみました。

  1. 不労所得(偶然の取得)への課税

相続によって得る財産は、労働の対価ではなく「不労所得」と位置づけられます。働いて所得税を負担する人との公平性を保つため、無償で取得した財産に課税するという考え方です。

  1. 富の再分配(格差の固定化防止)

相続税がなければ、富は世代を超えて特定の家系に集中し続け、貧富の差が拡大します。相続税は、遺産の一部を税として社会に戻し、社会保障・教育・インフラなどを通じて再分配する役割を担います。

  1. 所得税の補完(税負担の公平性確保)

所得税には多くの非課税措置や特例があり、結果として資産形成の過程で税負担が軽くなる場合があります。そのため、相続のタイミングで「本来負担すべきだった税を清算する」という位置づけが相続税に与えられています。

さて、2015年1月1日から相続税の基礎控除額の引き下げがおこなわれました。改正前は、「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)」でしたが、改正後は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」となりました。これにより、相続税の課税対象となる方が約2倍に増えました。富裕層課税から、中間層に対する課税に大きく舵が切られたのです。

相続税は、基礎控除を15年改正前に引上げ、中間層に対する課税を緩和し、併せて超富裕層には課税の強化をすべきです。現在6億円超の課税遺産総額に55%の税率を課していますが、02年改正前までは、20億円超に70%の課税をしていました。その水準まで引き上げるべきです。そうすることで、課税の根拠にも整合する税になるのではないかと考えます。

防衛費の膨張と防衛費増税を考える~防衛費増額より国民の暮らしを優先すべきです~

高市早苗政権初の当初予算となる2026年度予算が4月7日、参院本会議で成立しました。その中で気になるのが防衛費の膨張です。日本で長らく守られてきた防衛費の「GDP(国内総生産)比1%枠」が取り払われたのが23年度予算でした。「27年度2%」の目標に向けて、毎年、約1兆円のペースで防衛費を加速度的に積み増しています。

脱「1%」のきっかけとなったのは、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻でした。NATO(北大西洋条約機構)加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明したことに追随する形で、当時の岸田文雄首相が同年12月に決定した国家安全保障戦略の中で、27年度に防衛力の抜本的強化とそれを補完する取り組みを合わせ、予算水準が現在のGDP比2%に達するよう決めました。

当初予算ベースで22年度は5.4兆円(米軍再編関係経費含む)だった防衛費は、23年度6.8兆円、24年度7.9兆円とほぼ1兆円ずつ積み増しし、2025年度は前年度比9.4%増の9.5兆円、海上保安庁予算など関連経費も含めた総額は11兆を超え、GDP比で2%に迫ろうとしています。

それを裏打ちするように、高市首相は「自らの国を自らの手で守る覚悟なき国を誰も助けてくれない。防衛力の強化を、これまで以上のスピード感で進めて行かなければならない」と国会で強調しました。また、髙市氏は憲法9条を改定し、「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」ことを企図しています。4月12日、東京都内で開かれた自民党大会で髙市氏は、「時は来た。憲法改正に向け、国会においては結論のための議論を進めていく。改正の発議についてなんとかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたいと考えている。」と強気の発言をしました。

ところが防衛費の膨張の一方で、国民は塗炭の苦しみを強いられています。子どもの7人に1人が貧困状態にあり、社会保障費の削減で医療機関や介護施設の休廃業が相次ぎ、増税や社会保険料や国民健康保険料の値上げなどで国民の可処分所得は減り続けています。

防衛費を支える税は「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」として、所得税の新税を創設しました。その中身は、所得税額に1%の税率で加算されますが、東日本大震災の後の創設された復興特別所得税を1%引き下げて総額として変わらないように設計されています。この税は37年度までとされていたが、それを47年まで延長されることも合わせて改正されており、結果として増税になります。なんと姑息な増税なのでしょうか。

トランプ政権は現在、すべての同盟国にGDP比3.5%の軍事費を求めています。髙市首相は、この要求に非常に前のめりです。その額は、何と21兆円、今より10兆円も増やさなければなりません。財源はどうするのでしょうか。まさか消費税の増税?

米国の言いなりになって軍拡をして、台湾侵攻の阻止を目的として軍拡を進めれば、日中関係はさらに悪化します。これ以上の軍拡する必要性はありません。今必要なのは、憲法9条を積極的に活かした外交努力と税金を国民の暮らしに最大限に役立てることです。