月別: 2026年4月

防衛費の膨張と防衛費増税を考える~防衛費増額より国民の暮らしを優先すべきです~

高市早苗政権初の当初予算となる2026年度予算が4月7日、参院本会議で成立しました。その中で気になるのが防衛費の膨張です。日本で長らく守られてきた防衛費の「GDP(国内総生産)比1%枠」が取り払われたのが23年度予算でした。「27年度2%」の目標に向けて、毎年、約1兆円のペースで防衛費を加速度的に積み増しています。

脱「1%」のきっかけとなったのは、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻でした。NATO(北大西洋条約機構)加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明したことに追随する形で、当時の岸田文雄首相が同年12月に決定した国家安全保障戦略の中で、27年度に防衛力の抜本的強化とそれを補完する取り組みを合わせ、予算水準が現在のGDP比2%に達するよう決めました。

当初予算ベースで22年度は5.4兆円(米軍再編関係経費含む)だった防衛費は、23年度6.8兆円、24年度7.9兆円とほぼ1兆円ずつ積み増しし、2025年度は前年度比9.4%増の9.5兆円、海上保安庁予算など関連経費も含めた総額は11兆を超え、GDP比で2%に迫ろうとしています。

それを裏打ちするように、高市首相は「自らの国を自らの手で守る覚悟なき国を誰も助けてくれない。防衛力の強化を、これまで以上のスピード感で進めて行かなければならない」と国会で強調しました。また、髙市氏は憲法9条を改定し、「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」ことを企図しています。4月12日、東京都内で開かれた自民党大会で髙市氏は、「時は来た。憲法改正に向け、国会においては結論のための議論を進めていく。改正の発議についてなんとかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたいと考えている。」と強気の発言をしました。

ところが防衛費の膨張の一方で、国民は塗炭の苦しみを強いられています。子どもの7人に1人が貧困状態にあり、社会保障費の削減で医療機関や介護施設の休廃業が相次ぎ、増税や社会保険料や国民健康保険料の値上げなどで国民の可処分所得は減り続けています。

防衛費を支える税は「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」として、所得税の新税を創設しました。その中身は、所得税額に1%の税率で加算されますが、東日本大震災の後の創設された復興特別所得税を1%引き下げて総額として変わらないように設計されています。この税は37年度までとされていたが、それを47年まで延長されることも合わせて改正されており、結果として増税になります。なんと姑息な増税なのでしょうか。

トランプ政権は現在、すべての同盟国にGDP比3.5%の軍事費を求めています。髙市首相は、この要求に非常に前のめりです。その額は、何と21兆円、今より10兆円も増やさなければなりません。財源はどうするのでしょうか。まさか消費税の増税?

米国の言いなりになって軍拡をして、台湾侵攻の阻止を目的として軍拡を進めれば、日中関係はさらに悪化します。これ以上の軍拡する必要性はありません。今必要なのは、憲法9条を積極的に活かした外交努力と税金を国民の暮らしに最大限に役立てることです。