月別: 2017年9月

最終目標は開脚ができるようになること

私は幼い頃から体が硬く、学校の体力測定がイヤでたまりませんでした。結婚したとき、その余りにも固い体に妻もびっくり!何と前屈(正式には立位体前屈というそうです)がプラス10センチ以上で、「床ピタ」の妻曰く「鋼のような体だね」と揶揄されました。

日本では1999年(平成11年)から「新体力テスト」が実施されており、そこでは立位体前屈ではなく長座体前屈が採用されていますが、これは最近の子どもの体が余りにも硬く、ケガをする可能性があるからだそうです。

税理士試験合格後、少しでも体を柔らかくしたいと思い、「アサヒ」というメーカーが出しているストレッチボード「のってる快」という器具を使って毎日、毎日「のってる快」に乗っていました。わずか1分30秒で良いと書いてありましたが、角度が自由に変えられるのにも関わらず、一番傾斜の低い確度でも、足首、ふくらはぎから、太ももに震えがきて、私にとって「魔の1分30秒」でした。

税理士試験でおそらく身についたのだろうと思いますが「継続する力」は、自分で言うのもおこがましいのですが、かなりのものです。その、苦痛を日々こらえながら、何とか最高傾斜角の30度でもこなせるようになりました。そうすると、前屈は、プラスからマイナス、つまり床に自分の手先が付くようになりました。ただ、それ以上にはなりませんでした。

もうこの位で良いのかな?と諦めかけたとき、東京への出張がありました。たまたま、飛行機の中で見ていた通信販売のカタログに「フレックスクッション」という製品を見つけました。開発者は、サンテプラスの坂田(立教大学相撲部のコーチ)さんという人で、相撲の「脵割り」をヒントに開発されたものです。

背面高20㎝、全面高10㎝、座面が20度傾いており、自分の体重を利用して、座るだけで骨盤がニュートラル状態になります。私の「これ以上曲がらない」の原因は股関節にあったことを知り、朝起きてからと、風呂上がりには必ずこの器具でエクササイズをします。すると、「不思議、不思議」今では、妻と同じくらいに「床ピタ」になりました。

しかし、人間は欲深いものです。今度は、本当にお相撲さんがしているような「開脚」ができるようになりたいという衝動に駆られました。それは、「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」というEikoさんという人が書いた本のタイトルに惹かれたからでした。サブタイトルとして、4週間でできる最強プログラムとあります。

原理は簡単です。①タオルストレッチ、②しこストレッチを毎日しながら、1週間目に内ももストレッチ、2週間目に壁ストレッチ、3週間目に椅子ストレッチ、そして最後の4週間目にドアストレッチをするのです。しかし、実際はそうは簡単にはいきません。なぜなら、元々「鋼のような硬い体だからです。2週間目の壁ストレッチで「壁」にぶち当たりました。おやじギャグです。(オー寒!)

そこで、今度は、「一人で出来る開脚マシン」を購入しました。これだと、自分の手の力で、かなり無理やりに「開脚」の助けになるのです。このバナー(ウェブ上の広告)を見てすぐに、購入しました。お陰様で、何とかあと3ヶ月(年内)には開脚ができるように思えてきました。あとは、「継続は力なり」です。

因みに、体が硬い人は

①肩こりや腰痛などを起こしやすい。

②なんでもないところで転びやすくなる。

③猫背になるなど姿勢が悪くなる。

④動くと凄く疲れやすい。

⑤筋肉の収縮が少なくなり血流が悪くなる。

などの弊害があるそうです。

何とか目標に向かって、「開脚」ができるようになり、それが長続きできるようにやってみます。ただし、「頑張りすぎずに、頑張る」の精神で!

「大義なき」衆議院の解散について思うこと

安倍首相は9月25日の記者会見で衆議院の解散を表明しました。それによると同月28日の臨時国会の冒頭で何の審議もなく衆議院を解散し、10月10日公示、22日投票・開票をするという異例な解散です。これは、マスコミによると、戦後4回目の異常事態だそうです。

森友学園問題や加計学園問題に見られる安倍首相や首相夫人の昭恵さんが直接関わる疑惑については、ほとんど解明されないまま通常国会は閉会しました。

野党は、憲法53条にもとづき6月22日に臨時国会の召集を要求し疑惑の徹底究明を求めましたが、これを3ヶ月以上放置したまま臨時国会の冒頭で解散することは、マスコミ報道などにもあるように「疑惑隠し」を狙ったものと言われても仕方ない暴挙です。自民党の内部でも同じようなことを言う人もあり、決して「安倍首相の一枚岩」ではありません。

さらに、解散の最大の理由がとってつけたような「消費税の使い道を、人づくり革命にシフトし、当初の借金返済を先送りするというもの」です。

元々、消費税はその税の性格上極めて「逆進性が高い」別の言い方をすれば、「富裕層に優しく、中間層や低所得者層に大きな影響を与える」という弱点を持っています。

アベノミクスの最大の目標は2%の物価の上昇です。一言で言えば国内の景気回復をすると言うことです。確かに、大企業の業績は4年連続最高益を更新していますが、IMFは「賃金の伸びは弱く、消費の拡大につながっていない」と評価をしています。現に、「実感なき景気回復」という言葉が巷では溢れています。私たちに身近なコンビニの値下げ競争やイオンなど大手のスーパーでも日用品の値下げが起きています。

その被害を被っているのが、コンビニやスーパーに関わっている中小企業なのです。つまり、コンビニやスーパーの戦略の陰で、なけなしの利益をはき出して、赤字覚悟でも付き合わないといけない重層構造に日本経済はなっているのです。因みに、日本の中小企業の占める割合は99%以上であり、そこで働く人は約7割を占めています。こんな状態で消費税の税率アップをし、しかも以前からの公約である消費税の増税は、借金の返済と社会保障に当てるという約束をかなぐり捨てて使途を変えるなんてとんでもないことです。

今やるべきは、消費税の税率アップではなく、むしろ景気が実感できるまで少なくとも凍結することだと考えます。租税の大原則である「累進課税」を強化しこの難局を乗り越えるべきことが本筋ではないでしょうか。

デフレから脱却していない状態で、消費税率を上げると、景気はさらに減速し、家計がますます苦しくなり、子づくりや教育にお金がかけられなくなり、安倍首相の言う「人づくり革命」は、上手くいったとしてもおそらく限定的にしかその効果は得られないでしょう。

経済格差や教育格差など格差問題が言われ出してから久しいですが、このままの途を突き進めば、消費税がこの国を破壊してしまう気がします。

本来ならば、406兆円もの内部留保をため込んでいる大企業やタンス預金を875兆円もしている超富裕層から課税をして、いったん消費税を8%から5%に減税すれば、日本全体の景気が浮揚して、格差問題も解消するかもしれません。

神棚に上げた書類が重加算税に

私が関わった事例で裁判まで争った事案です。ある方の紹介で初めての納税者に会いましたが、とても律儀な職人さんと言った印象を持ちました。若い頃の無理がたたったのか既に病気がちで年齢も還暦を過ぎておられました。また、経理担当の奥様も「若い頃はすごく美人ではなかったかな」と思われる理知的な感じの方でした。

ご主人は、潜水夫で海洋土木専門の準大手ゼネコンから直に仕事の受注を受けていた会社の社長でした。 バブルの頃はたくさんの潜水夫を雇われていましたが、バブルの崩壊で仕事がめっきり減少しても、利益の源泉である潜水夫に辞めてもらったらいざ受注できたときに困るので雇用を継続されていました。

しかし、待てども暮らせども受注はなく塗炭の思いで潜水夫全員に辞めてもらうことになりました。その結果、バブルの頃は大変良かった財務内容も人件費という最大の固定費がかさみ、毎年赤字を垂れ流し、とうとう債務超過にまで陥りました。 当時は、税務上の繰越欠損金(赤字の繰越)は5年間で消えてしまう時代でした。既にそのほとんどは消えてしまい、会計上と税務上の欠損金に大きな乖離が出てしまいました。

そんな折、元請先に税務調査が入り、元請先では既に書面で下請先である当会社の債権を既に書面で放棄をして、貸倒れ処理をしていました。その金額も大きく約5,000万円という多額なものでした。

当然、下請業者である当会社とすれば、元請先から債権放棄されているので税務処理上、債務免除益(5,000万円の利益)を計上しなければなりません。しかし、社長としては、元請けからのありがたく大事な書類という認識はしていたので、その債権放棄通知書を神棚にあげていました。

職人としては一流でも、その書面が税務上どんな扱いになるか知る由もありませんでした。したがって、顧問税理士にもそのような書類を元請先からもらったことの報告もしていませんでした。

しばらくして、元請先の貸倒れ損失(5,000万円の損失処理)が適法かどうかの確認のため税務調査が下請先である、その社長の会社に入りました。税務調査は、件の債権放棄通知書は「益金になる」との指摘を受けたばかりか、顧問税理士にもその報告をしなかったのが、「隠ぺい行為」に当たるものとして、重加算税の付加を受けることになりました。

担税力もまるでないのに法人税の課税対象となるばかりか、重加算税の付加のおまけ付き、顧問税理士は税務署の言われる通り修正申告書を一言の文句も言わず、また、「納税の緩和措置」もせずに、厚かましいことに税務調査の立ち会いの費用まで請求してきました。

その調査に「ガテンがいかない」社長は、親しくしていた知人に相談したところ、私の事務所を知り「何とかならないか」という相談がありました。

これは大変な事態だとすぐに私も認識し、本税部分は元請けが貸倒れ処理した時期と当会社が債務免除を認識した日のズレを理由に課税処分の取り消しを、そして重加算税の付加については、隠蔽の認識はなかったことを理由に苦し紛れにその取り消しを求めました。

私とすれば、本税部分は既に修正申告書を提出もしているし、なかなか難しいにしても、重加算税の取り消しは見込みがあると踏んでいました。というのも、会社は、ほぼ死に体で、担税力が全くないのに無理矢理に課税するのはいかがなものかなと内心思っていたからです。

最終的には課税処分は退けられましたが、国税局の判断で「滞納処分の取り消し」と言う処理をしてもらい、結果として納税はなくなりました。課税部門は税務調査で成績をあげれば、後は徴収担当が何とかしてくれると思ったのでしょうか。成績至上主義にも程があると感じました。

滞納処分の執行停止に至るまでの経緯は次のようなものです。現行の異議申立とシステムとは違いますが、異議申立も審査請求も棄却でした。しかし、ここまではそうなるというのは想定内でした。

税務事案が裁判になるのを少なくするため「前置主義」つまり異議申立と審査請求という制度が置かれています。納税者と相談し、重加算税だけは裁判で争うと意識の統一をしていました。

納税者の知り合いで、ものすごく信頼していて有能でかつ実績のある、とある弁護士に「重加算税の取り消し訴訟」を依頼しました。その弁護士は、たまたま私も知っていて、正義感が強く、弱者のためならボランティア価格で頑張ってくれる方でした。 その弁護士と何回も打ち合わせして、「争点」は、納税者にとって現金取引の伴わない書面一枚を神棚にあげて税理士に報告しなかった行為が「隠ぺい行為」に該当するかに絞りました。

税務調査、不服申し立て段階から一貫して、納税者は包み隠さず「この書類は大変ありがたいもので、このような結果になったのも私が、信仰心が強く、すべて神様のお陰様と考え、神棚に書面をあげたことによるものである。」と主張してきました。同じような事案で「重加算税を課すのは酷だ」と言う裁決事例もあったので勝てる見込みがあると裁判に臨みました。

ところが、判決文は予想に反して「知らないあなたが悪い」との不当判決でした。控訴も検討しましたが、これ以上は精神的にしんどいとの納税者の意向で、やむなく断念しました。

後日談ですが、私が所属しているある勉強会に、件の裁判官が退官され、後に弁護士登録されてその勉強会に入会されました。初めての勉強会の後の宴席で件の判決のことが話題になりました。実はこの裁判官は、地元山口の出身で一旦就職して、しかもエリートコースに乗れる大学の出身ではなく、ものすごく苦労して現在の地位を築き上げ、さらに、ある高裁の裁判長の内示があったときにこの判決文を書いたようで、もし、その判決文で納税者側を勝たせるものを書いたらその内示が不意になったらとの思いが強く、やむなく納税者が負ける判決文を書いたが、本当は「原告である納税者勝訴」の判決文を書きたかったと打ち明けてくれました。元々裁判官は、だれからも独立した地位のはずなのに、こんなことが起こるのも、政府官邸人事と同じように、裁判官も最高裁事務局に人事が委ねられていることの悲しい証左なのかも知れません。

MHK出版発行の「犬になれなかった裁判官」の逆バージョンだと思いましたし、そうした人事が判決を歪めている側面があると感じました。官庁でも民間でも人事畑の人間は出世すると言われることも頷けます。

さて、裁判も終わり、次に待っていたのは納税でした。余りにも納付金額が多いので、担当は、国税局の滞納整理部でした。あらかじめ納税者の財産調査をして、まったく納税資金がないとわかってから、既に滞納処分の執行停止に動いた節がありました。結局、国税局の滞納整理部の方は年に一回も来訪せず、納税者の2回の訪問で滞納処分の停止に至りました。

まじめに納税をしようとしてもたまたま不可抗力で、担税力がなくなりその後も納税の見込みがない納税者に課税しても、課税部門も徴収部門も苦労の割には成果がでないような税務調査は止めてもらいたいと願っています。

「カッシュ」という言葉を知っていますか?

日本文化かどうかわかりませんが、和製英語や頭文字をつけたものをよく見ます。

例えば、英語では野球なんかで「night game」と言うのを「ナイター」と平気で使っています。また「3k」は、「きつい、汚い、危険」の頭文字の「k」を3つ併せて使っています。

そんな中で、最近なるほどと思ったことがあります。それが「カュシュ」です。

K…knowledge(ナレッジ、知識・学識・学問)

A…attitude(アチテュード、態度・心構え)

S…skill(スキル、技能・わざ)

H…habit(ハビット、習慣・気質)

つまり、良い会社をつくり社会に貢献する仕事などをするときに必要不可欠な要素になります。

ある宴席で、そのどれが一番重要かを職種のまるで違う4人が侃々諤々(かんかんがくがく…大いに論議をすること)やりました。

結論的に言えば、attitude(態度・心構え)が一番必要不可欠なものという結論になりました。つまり、いくら知識があっても、技能があっても、習慣化されていても、態度や心構えは、お客様がこの会社や経営者、社員がやる気があるのかどうかを皮膚感覚でわかると言うことになりました。

言い換えれば、知識や機能や習慣などはその道の素人ではわからないと言うことです。いかに、お客様に「やる気」を感じてもらうか、それが経営の「王道」ではないかということです。

「カッシュ」難しいけれども、大事なキーワードですね。

忘れられぬ税務調査

これから私が35歳に税理士登録をしてから現在まで体験した税務調査で、印象に残った数多くの事例を紹介していきたいと思いますが、はじめに税理士には、職業上の守秘義務があるので、その税務調査がどこなのか特定できないように業種や会社の規模等を変えてお伝えする事を予めご了承下さい。

私の関与しているところは県内3ヶ所ある事務所で、月次先、年一先、所得税の確定申告だけの先、相続税の税務代理をしたところを合わせたら、おそらく500件は超えていると思います。しかし、なぜだかはわかりませんが、意外に税務調査が少ないので助かっています。例えば、前期の事務年度(平成28年7月から平成29年6月まで)の税務調査の件数は、わずかに一件だけでした。

税務調査が少ないということは、税務調査の精神的煩わしさ、貴重な時間が調査によって割かれることがない、そして、何より関与先に安心感を与えられることなどプラスの側面が強いです。 とはいっても、税務調査の立ち会いを全くしていないわけではありません。懇意にさせてもらっている組織や団体や関与先からそして、なかには行きつけのスナックや焼き鳥店で聞き付けて、税務調査の最初から、あるいは途中から立ち会いをすることが存外多いのです。時には黒焦げ状態からの関与もあります。

自分で税務代理をしていないところなので、申告内容の吟味はしっかりやり、税務署に対しての落としどころを確認します。 すると、案外軽微な修正で終わったりします。

また、納税者に対して調査手続きに瑕疵があったり、きわめて問題発言があったりします。そんなときには、日本国憲法で規定されている請願法や税務署長への抗議文で対応します。全てが上手くいくわけではありませんが、一定の成果があります。 何より依頼をされた方の満足度はかなりあり、調査終了後に関与先になってもらっているところがほとんどです。

こうした税務調査の生々しい経験を定期的にお知らせしようと思います。乞うご期待下さい。