カテゴリー: 経営環境

防衛費の膨張と防衛費増税を考える~防衛費増額より国民の暮らしを優先すべきです~

高市早苗政権初の当初予算となる2026年度予算が4月7日、参院本会議で成立しました。その中で気になるのが防衛費の膨張です。日本で長らく守られてきた防衛費の「GDP(国内総生産)比1%枠」が取り払われたのが23年度予算でした。「27年度2%」の目標に向けて、毎年、約1兆円のペースで防衛費を加速度的に積み増しています。

脱「1%」のきっかけとなったのは、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻でした。NATO(北大西洋条約機構)加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明したことに追随する形で、当時の岸田文雄首相が同年12月に決定した国家安全保障戦略の中で、27年度に防衛力の抜本的強化とそれを補完する取り組みを合わせ、予算水準が現在のGDP比2%に達するよう決めました。

当初予算ベースで22年度は5.4兆円(米軍再編関係経費含む)だった防衛費は、23年度6.8兆円、24年度7.9兆円とほぼ1兆円ずつ積み増しし、2025年度は前年度比9.4%増の9.5兆円、海上保安庁予算など関連経費も含めた総額は11兆を超え、GDP比で2%に迫ろうとしています。

それを裏打ちするように、高市首相は「自らの国を自らの手で守る覚悟なき国を誰も助けてくれない。防衛力の強化を、これまで以上のスピード感で進めて行かなければならない」と国会で強調しました。また、髙市氏は憲法9条を改定し、「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」ことを企図しています。4月12日、東京都内で開かれた自民党大会で髙市氏は、「時は来た。憲法改正に向け、国会においては結論のための議論を進めていく。改正の発議についてなんとかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたいと考えている。」と強気の発言をしました。

ところが防衛費の膨張の一方で、国民は塗炭の苦しみを強いられています。子どもの7人に1人が貧困状態にあり、社会保障費の削減で医療機関や介護施設の休廃業が相次ぎ、増税や社会保険料や国民健康保険料の値上げなどで国民の可処分所得は減り続けています。

防衛費を支える税は「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」として、所得税の新税を創設しました。その中身は、所得税額に1%の税率で加算されますが、東日本大震災の後の創設された復興特別所得税を1%引き下げて総額として変わらないように設計されています。この税は37年度までとされていたが、それを47年まで延長されることも合わせて改正されており、結果として増税になります。なんと姑息な増税なのでしょうか。

トランプ政権は現在、すべての同盟国にGDP比3.5%の軍事費を求めています。髙市首相は、この要求に非常に前のめりです。その額は、何と21兆円、今より10兆円も増やさなければなりません。財源はどうするのでしょうか。まさか消費税の増税?

米国の言いなりになって軍拡をして、台湾侵攻の阻止を目的として軍拡を進めれば、日中関係はさらに悪化します。これ以上の軍拡する必要性はありません。今必要なのは、憲法9条を積極的に活かした外交努力と税金を国民の暮らしに最大限に役立てることです。

予算案を修正しない慣習いつまで続けるの?野党の意見もしっかり聞き柔軟で、建設的な国会運営をしてほしいものです!!

3月27日に2026年度予算の成立の遅れを補う8.6兆円の暫定予算案が衆院に提出されました。解散総選挙での歴史的勝利の自信なのか、今回の予算審議は高市早苗首相が「年度内成立」に強くこだわりました。

予算通過を急ぐあまり、衆議院での予算の審議時間は59時間しか取らず、2000年以降で最短の審議時間となりました。通常は70~80時間とされる審議時間が大幅に短縮されたため、野党からは「異例の短時間審議」として懸念の声が上がりました。その結果「審議の形骸化」が際立つ格好となりました。

26日の「報道1930」(BS-TBS)は、「予算案の修正をしない、何のための国会審議か」として、日本の国会審議のあり方を取り上げました。その一例として指摘したのが「予算案を修正」しない日本の慣習です。日本では「戦後5回」しか修正した経験がないのに対し、ドイツ議会は今年度予算だけで1300か所以上の修正があった、という内容でした。ドイツの審議時間は「無制限」で、夜通しでも納得するまで議論し、さらに記録はすべて公開されることになっています。

日本のように省庁の官僚が与党と事前調整するのではなく、与野党すべてが「担当議員」を指名して、そろって各省庁に行き「予算案を1行ずつ職員と議論する」というのです。そして、各党には省庁別予算に精通した専門議員が存在するというシステムをとっています。そうすることによって、「黒字財政」を維持しながらも、デジタル化や気候変動対策などの重点分野には積極的に投資する「選択と集中」を実践しています。「審議のレベル低下」が嘆かれる日本の国会とは、大きな違いです。

高市政権発足直前に公表された自民党・日本維新の会の連立政権合意書では、自維連立政権の役割について「戦後80年にわたり、国のかたちを作り上げる過程で積み残してきた宿題を解決する」とうたっています。そのうえで、安全保障改革、インテリジェンス(情報収集・分析)機能の強化、スパイ防止法の制定、外国人政策の厳格化など、これまでの自公政権では見られなかったような保守色の強い政策メニューが並んでいます。

高市首相は、自維連立政権がこれら「国の根幹にかかわる重要政策の大転換」を図っていくことに関し、「決して右傾化などではなく、普通の国になるだけだと私は考える」と語りました。

米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発する戦争の影響は、原油や天然ガスの高騰につながり、ガソリンだけでなく、ありとあらゆる製品の高騰につながっています。さらに円安とインフレが私たちの日常に悪影響を及ぼしています。円安は輸入価格を押し上げ、原材料やエネルギーコストがインフレ圧力を高めます。

特に原油・天然ガス・小麦などの一次産品の価格は為替の影響を直接受けるため、食品価格や光熱費を通じて家計に波及します。輸入依存度の高い日本経済では、円安=インフレ加速要因として作用する構造が強固です。

安全保障改革などの国論を二分する課題には丁寧で国民が納得するような対応を、また、原油高や円安のような喫緊の課題にはスピード感をもって、柔軟で建設的な国会審議をしてもらいたいものです。高市政権の本質が問われています。

髙市首相、食料品の消費税減税の公約を守ってください!!~物価高はどんどん進んでいます~

2月8日投開票が行われた総選挙は、髙市早苗首相が率いる自民党が単独で総定数465の「3分の2」を超える316議席を獲得する歴史的な勝利を収めました。参政党やチームみらいも躍進しました。

その一方で、中道改革連合は議席を118減らす大惨敗で、中道結成を主導した旧立憲民主党の安住淳共同幹事長、党創設者の枝野幸男氏、小沢一郎氏、岡田克也氏など重鎮が落選しました。

自民党は小選挙区全289選挙区のうち249選挙区を制し、議席占有率は86.2%に達しました。旧民主党から政権を奪還した2012年衆院選で記録した79.0%を超え、1996年の小選挙区比例代表並立制導入以降最高を更新しました。自民党の小選挙区の得票率は49.2%。票差以上に議席差がつきやすい小選挙区制の特性が自民の議席占有率を押し上げたことがうかがえます。

その一方、中道改革連合の小選挙区の得票率は21.6%でしたが、獲得議席はわずか7議席で、議席占有率は2.4%にとどまりました。中道改革連合の候補者に投じられた票のうち、小選挙区の議席に結びつかなかった「死票」の比率は95.5%に達しました。この結果は、小選挙区制度という制度そのものに大きな欠陥があると言わざるを得ません。民意が反映される選挙制度のあり方も今後の議論が待たれるところです。

さて、自民党はその選挙公約で、『食料品を2年間に限り消費税対象としないことについて、「国民会議」で財源やスケジュールなど実現に向けた検討を加速する』としました。チームみらい以外の政党が、消費税について、減税や廃止を訴えました。そのことにより、物価高対策の争点は非常に不鮮明となりました。自民党の選挙戦略が的中しました。

3月8日、ニューヨーク原油先物市場で、テキサス産軽質油(WTI)の価格が一時1バレル(159㍑)=111ドル(1ドル158円として17,538円)台、1㍑当たり110円という高値に達しました。これは、2022年7月以来の約3年8か月ぶりの高値です。この価格上昇の背景には、中東での緊張が高まっている状況があり、イランの報復攻撃が中東全域に拡大していることが挙げられます。

トランプ米国大統領の国際法違反のイラン攻撃と長続きする円安で、物価はますます高騰することが懸念されます。消費税の減税は焦眉の急です。財源や実施時期などを議論する舞台となるのは、超党派でつくる「国民会議」に任せ、2月26日夕に初会合を開き、夏までに「中間取りまとめ」をする方針ということです。ただ、髙市政権は食料品に対する消費税減税に反対する一部野党(参政党や日本共産党)の参加を認めず、「国民会議」とは名ばかりだとの批判もあります。特に代替財源の確保策など山積する課題解決に向けた議論が深まっていません。国会で首相は野党から解決の具体策を問われても、早期実現への意欲を繰り返す一方で「(超党派の)社会保障国民会議で議論する」の一点張りです。

髙市首相は国民会議での議論に丸投げするのではなく、国民がわかるように国会の場で議論を尽くし、スピード感を持って法案を作成して、一刻でも早く食料品の減税を実施することを望みます。髙市首相、食料品の消費税減税の公約を守ってください。

高市内閣の高い支持率から考えました~どうする、どうなる他の高い世論~

各種世論調査で高市内閣の支持率は約7割と高い支持率を維持しています。この数字は石破内閣の支持率の約3割を大きく上回るものです。この高い支持率は、第1次安倍内閣を超えて歴代5位の高さとなっています。特に若年層や男性からの支持が伸びており、全体を押し上げています。

その人気の秘密は、彼女の「働いて×5」発言や、トップダウン手法による政策決定、ガソリン税の暫定税率廃止や所得税の控除拡大の実現などが寄与しています。一方で、積極財政に伴う日本国債の信頼性低下への不安、円安傾向の継続による物価高の加速と賃金上昇が追いつかない構図の悪化、利上げによる住宅ローン金利上昇などによる家計圧迫などが今後の足かせになると言われています。

また、政治の右傾化が加速していることも懸念材料です。自民党の連立相手が公明党から日本維新の会になりました。日本維新の会は、公明党より右寄りであり、ブレーキ役というよりも、アクセル役に回っています。

高い世論調査で言えば、消費税減税です。近時の物価高のなか、約7割の国民が支持しています。昨年の参院選挙では、自民党以外の政党が公約に掲げました。与党になった日本維新の会は先の参院選で、食料品を2年間ゼロ税率にすると言うことを公約に掲げていました。

同党の吉村代表は最近の発言で、物価高対策として食料品にかかる8%の消費税を「ゼロにするべきだ」と述べました。高市首相も以前は「国の品格として食料品の消費税は0%にすべきだ」と明言していました。

夫婦が同じ名字にするか別々にするか、自由に選べるようにする「選択的夫婦別姓」については、賛成が約6割を超えています。年代別では18~29歳で賛成が約8割となっています。日本弁護士連合会の調査では、95カ国で「夫婦別姓」が法制度化されていて、特に中国や台湾、韓国、北朝鮮などのアジア各国では、原則的に「夫婦別姓」で同姓を選べない法制度となっています。

婚姻しても婚姻前の氏を保持することを認めるという方向性は、世界共通の流れになっています。ところが日本は、これまで国連から選択的別姓制度を導入するよう4回にわたり勧告を受けていますが、いまだ実現されていません。

天皇の皇位継承などを定めている皇室典範を改正して、女性の天皇を認めることに、約8割の人が賛成しています。多くの国民は天皇、皇后の一人娘の愛子さんに敬意を抱いています。しかし、これまでの皇位継承のルールではただ「女性だから」というだけの理由で、天皇になる可能性があらかじめ除外されています。

皇位継承が男系男子と定められたのは、明治時代です。それまでは8人の女性天皇がいました。時代錯誤としか思えないルールです。急がないと、愛子さんが結婚したら現行制度では皇室を離れることになります。

物価高対策として有効な消費税減税の実施、男女の尊厳を取り戻すための選択的夫婦別姓の創設、時代錯誤の皇室典範の改正、いずれも高い国民の支持があります。

高い支持率の高市政権だからこそ、旧態依然とした自民党の意向に盲目的に従うのではなく、首相自らよく考えて、民意に沿った方向に大きく舵を切るべきです。

富裕層課税はさらに強化すべきです!!~理想の形は、分離課税でなく総合課税です~

自民党と日本維新の会は2026年度与党税制改正大綱で、年間所得額が1億円を超えると税負担率が下がる「1億円の壁」の是正に向け、2027年から超富裕層への課税を強化する方針を打ち出しました。追加の税負担を課す年間所得の基準を現行の30億円超から6億円超に引き下げ、対象者への適用税率も22.5%から30%に引き上げるという改正です。会社員などの給与所得などにかかる所得税は金額に応じ、住民税も合わせた税率が段階的に55%まで上がります。

一方、株式の配当や売却益などの金融所得は、一律20%の分離課税のため、金融所得の割合が高い超富裕層の所得税の負担率が下がる問題が指摘されています。今回の見直しでは、年間所得の基準を6億円超に引き下げ、200人程度とされる追加課税の対象者を2,000人程度に広げます。政府は、不公平な税負担率の解消を進めるため、2025年にも年間所得30億円超の人を対象に課税を強化していました。

あまりにも高額所得者を優遇しているという現在の課税のあり方を是正するという意図なのでしょうが、「1億円の壁」の是正なら、富裕層課税は1億円からにすべきです。今般の改正は、富裕層に対する忖度なのでしょうか。

そもそも課税のあり方は総合課税と分離課税があります。総合課税では、各種所得を一定の方法で合算したうえで、所定の税率によって税額を計算します。所得税においては5~45%の累進税率、住民税は原則10%の税率が適用されます。一方、分離課税では、所得の性質に応じて税率が設定されており、その税率をかけて個別に税額を計算します。

なぜ分離課税という仕組みがあるのでしょうか。 分離課税は、特定の所得、例えば長期保有の土地の譲渡などを、他の所得と合算せずに独立して課税することで、一時的に大きな所得が発生した場合でも他の所得と合算されることによる高い税率の適用を避けることができます。また、特定の所得に対してあらかじめ税率が定められているため、納税者は税額を予測しやすくなります。さらに、特定の経済活動、例えば株式市場の活性化を促進するための政策的な意図も含まれるとされています。

もとより、社会保障政策などに使われる税金には、高額所得者層から高い税金を徴収して生活の苦しい低額所得者層に公的福祉サービス(公的扶助)を提供するという『所得の再分配機能』があります。徴税と公的サービス(社会保障政策)による『所得の再分配』は、国民の間にある不公平感や経済格差の行き過ぎ(富の偏在)を和らげる効果を持っています。

しかし「1億円の壁」は、この不公平感を和らげるどころか、反対に助長しています。はたして、株式の配当や売却益には分離課税を適用すべきなのでしょうか。むしろ、税の公平の観点からすると、富裕層の課税強化という意味合いだけでなく、誰もが公平に税を負担する観点からも、総合課税に移行すべきではないでしょうか。

元々、株式の配当や譲渡は不労所得です。働いて得られる所得(勤労所得)より、不労所得の方が優遇されているのはおかしいのではないでしょうか。年明けの国会論戦に注目しています。

働き方改革を今すぐに!!~短時間正社員という働き方~

その年の世相を表す言葉を決める「新語・流行語大賞」の年間大賞が12月1日発表されました。年間大賞は、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が選ばれました。

自民党新総裁に選出された際に決意表明したものですが、衆院予算委員会に臨むにあたって、首相が秘書官らを集めて午前3時から公邸で勉強会を開催したのはその決意の一端なのでしょうか。表彰式の挨拶で「賛否両論いただいた。日本国の国家経営者としては何としても皆様方に貢献したい、そんな思いがあった。働き過ぎの奨励や長時間労働を美徳とする意図もありませんので、誤解なきよう」と早苗スマイルで話しました。

日本ではかつて新卒で正社員になり、定年まで同じ会社で働くのが一般的でした。しかし、バブル崩壊やリーマンショックを経て、その状況は一変しました。総務省の調査などの統計を見ると、パートやアルバイト、派遣社員などの非正規社員が占める割合は、労働者の4割近くを占めます。労働者間で、正規・非正規で大きな格差が生じています。

このような雇用環境の中で、「短時間正社員」という働き方が今、注目されています。この働き方は、期間の定めがない無期雇用でありながら、働く時間を抑えられる制度です。給与や福利厚生などは正社員に近く、働く時間は事情に合わせて短くできるのが特徴です。医療・介護、スーパー、運送など、導入する業界は少しずつ広がり始めています。企業によっては、短時間正社員が働く意欲の向上につながったという報告もあり、制度が単なる“時短の枠”ではなく、キャリアを前向きにするきっかけにもなることが見えてきました。

12月1日のNHKクローズアップ現代でこの制度を報道していました。この問題の専門家である田中洋子筑波大学名誉教授が紹介したデータでは、主婦を対象にした調査で65.9%が「短時間正社員で働きたい」と回答する一方、制度を導入している事業所は15.9%にとどまっています。ニーズはあるのに広がらない背景には、既存の就業ルールの見直し・人件費アップへの懸念・社員間の不和を心配するなど企業側の不安がありました。

制度を採り入れた企業からは「導入してよかった」という意見が多いと田中名誉教授は話し、企業が一歩踏み切れるかどうかが大きな分岐点になっていることが番組を通して伝わってきました。

また、田中名誉教授はドイツの例も紹介しました。2001年に成立したパート法では、働く人が「短時間正社員を選択する権利」を持ちます。誰でも自分に合った働き方を選べる仕組みであり、今では働く人の約4割が短時間正社員という状況だそうです。さらに、短時間正社員が増えれば増えるほど、一人当たりの生産性は高くなることを紹介されていました。制度が定着すれば、働く人の選択肢が広がるだけでなく、企業側にも新しい人材戦略が生まれる可能性があります。番組では、日本企業の今日の課題を乗り越えたケースとして、制度の導入が経営判断としても有効だと紹介されていました。

少子高齢化で労働人口の減少が大きな課題となっています。「短時間正社員」の定着がこの国の大きな変革をもたらすのではないでしょうか。新語・流行語大賞に選ばれた高市首相には、この制度の普及を働き方改革の一環として抜本的に進めてもらいたいと思います。

日本維新の会、藤田共同代表は、いさぎよく議員辞職すべきです!!~ビラ印刷をめぐる「税金の環流疑惑報道」について思うこと~

ビラ印刷をめぐる疑惑について「しんぶん赤旗日曜版」が10月29日にその電子版で、「藤田共同代表が2つの政治団体から、公設第一秘書が代表を務める兵庫県内の会社にビラやポスター印刷の名目で2017年6月から2024年11月の約7年半に合計約2,100万円を支出し、そのうち9割超が調査研究広報滞在費など公金からのもので、さらに同氏の秘書がその会社から報酬を受け取っていたため『公金が環流した構図』である」と報道したと11月5日付の朝日新聞が伝えました。

さらに同紙は、11月13日付けで「髙市早苗首相が派閥の裏金問題で野党の追及を受けるなかで、同氏が『政治とカネ』の対応に追われている。問題が長期化すれば、政権運営の打撃になるだけでなく、両党の関係にも影響を与える可能性がある。同氏は12日の記者会見のなかで、『しんぶん赤旗の日曜版』の報じたものは、『報道ではなく政治的主張』と反発。しんぶん赤旗日曜版の記者の名刺を自身のSNS上で公開した。

こうした経緯に、自民問党幹部は『名刺を公開すればさらに問題になるだけだ』と指摘。別の幹部は、秘書が代表の会社に発注する行為そのものに『自分の感覚では信じられない話だ』と語った。『同氏の政治資金問題の解決が先』(閣僚経験者)との声が上がり、維新の要求がトーンダウンするとの見立てが広まる。」などと報道しました。

しんぶん赤旗日曜版11月2日付けは、「神戸学院大学上脇博之教授は、藤田氏は公設秘書について『友人』でビジネスの『パートナー』と言っており、利益供与も疑われます。維新は『身を切る』と言うが、今回のケースは税金の“私物化”で、言行不一致と言わざるを得ない』と批判しています。さらに、法人登記簿に記された目的欄に印刷業は含まれてなく、本店所在地は、不動産登記簿によれば、部屋の所有者は公設第一秘書とその妻とみられる人物です」と報じています。

さらに同紙の11月9・16日付け合併号では「維新が公開している調査研究広報滞在費の使途報告書によると公設第一秘書が代表の『株式会社リ・コネクト』が『藤田文武事務所』宛てに発行した5万円以上の手書きの領収書17枚にはすべて収入印紙が貼り付けてありませんでした。

他方、同社以外が発行している同様の領収書には、いずれも収入印紙が貼り付けてありました。税理士の浦野広明氏は『印紙が貼られていない領収書の存在は、藤田事務所と秘書の会社が、通常ではありえない、なれ合いの関係だったことを示している』と指摘」と報じています。まさに、疑惑のオンパレードです。

こうした最中、藤田共同代表は4日の衆院代表質問で、自民党と新たに連立を組む与党として高市早苗政権を支える姿勢を強調するとともに、国家観や安全保障政策などを共有する保守勢力が結集したとして日本の政策の「夜明け」だ、と訴えました。

「夜明け」とまで豪語するのだったら、自ら「身を切る改革」として、一連の疑惑の真相の説明をして、日本維新の会の共同代表を退くだけでなく、いさぎよく議員辞職をすべきではないでしょうか。それこそが、「政治とカネ」の解明の「夜明け」と言うべきです。

議員定数の削減の前にやることがあるでしょう!!~消費税減税と企業・団体献金禁止が優先課題です~

10月21日に高市早苗内閣が発足しました。毎日新聞が25、26日に実施した全国世論調査で、高市内閣の発足時の支持率は65%で歴代7番目となる高水準を記録しました。政策面では、物価高騰対策や景気対策を望む声が多く、論戦が本格化する臨時国会で着実に実績を残せるか、少数与党として今後の政権運営のカギになります。

高市内閣の発足にあたり、10日に公明党の斉藤鉄夫代表が連立離脱を表明しました。自民党の裏金問題に端を発した「逆風」は、地方に至るまで両党の間に深い溝をつくっていたからでした。こうして、四半世紀にわたって続いた自民党と公明党の連携に終止符が打たれました。一方、自民党と日本維新の会の連立協議が始まって、わずか5日あまりで、両党は20日、連立政権を樹立することで合意しました。ただ、維新は閣僚や副大臣、政務官を出さない「閣外協力」を選びました。7月に実施された参議院選挙での民意は、消費税の減税と裏金問題の透明化でした。ところが、維新は、消費税減税と企業・団体献金の禁止は棚上げと先送りにしています。

さて今年は、10月から値上げの秋になっています。飲食料品は3千を超える値上げです。国民の暮らしはますます厳しくなっています。物価対策としての消費税減税は待ったなしです。高市首相は参院選前までは食料品の消費税0%を主張していましたが、高市氏は首相になったら、物価高対策として「即効性はない」、レジ対応で「1年くらいかかる」と見解を変えました。しかし、消費税減税は「逆進性の強い税」であることから、即効性はありますし、他国の付加価値税減税までの期間をみても、わが国でも国会で決めさえすれば、長くても3ヶ月程度の準備期間で減税は実施できます。消費税減税は「焦眉の急」です。

維新は、企業・団体献金の禁止を拒む自民党に譲歩して先送りにして、突然、議員定数の削減を持ち出しました。維新は参議院選挙の公約として、企業・団体の禁止を掲げていました。ところがその公約を、高市氏の自民党総裁としての任期の「2年以内に結論」と後退させました。金権政治の温床をそのままにするというのは大きな後退です。維新が主張する「身を切る改革」と言う言葉は一見「聞き心地が良い」ですが、それを言うならば、議員定数削減より政党助成金の廃止を主張するのが本筋ではないでしょうか。

現在、衆議議院の定数は465人で、小選挙区で選ばれた289人と比例代表で選ばれた176人で構成されています。しかし、維新の主張によると、比例代表の枠だけが対象です。比例代表は、中小政党など多様な意見を国会に反映させる仕組みです。換言すれば、比例定数の削減は大政党に有利で少数政党は淘汰され民意の反映はますます遠ざかります。

小選挙区比例代表並立制が導入された1990年当時、小選挙区と比例区の定数按分比率は3対2でした。それをないがしろにして、比例だけを削るのは問題があります。必要なのは、議員定数ありきではなくいかに国民の多様な意見を取り入られる選挙制度です。

高市首相、今やるべきは民意である消費税減税と企業・団体献金の禁止です。高支持率になっているのは、高市氏がこうした民意を叶えてくれるという期待感からだと思います。

3つの壁を乗り越えて共生できる社会に!!~参政党の躍進の中で考えたこと~

7月20日投開票の参議院選挙で参政党は大躍進を遂げました。14議席を獲得し、一挙に議席数を増やしました。これにより、参議院内で単独会派を組んで法案提出権を得る要件(10議席)も満たしました。結党(2020年)後、初めての大躍進で、参院選全体でも自民党、立憲民主党、国民民主党に次ぐ第4位の獲得議席数となりました。

その主張の最大のものは、「日本人ファースト」で、その本質は「排外主義」です。その基本的な考え方は、外国人を排斥するものです。専門家は、「民主主義への脅威」「社会分断の促進」「人権意識の後退」につながるのではないかと警鐘を鳴らしています。

この背景には、人口減と高齢化で、15歳~64歳の生産人口の減少の中で、外国人の割合が急速に高まっていることが要因です。政府は2040年までにその割合が10%を超えることも想定しています。そうは言っても、日本における移民の割合はまだ少なく、主要7カ国の20年の総人口に占める「移民」の割合は、カナダ21.3%、ドイツ18.8%、アメリカ15.3%、イギリス13.8%、フランス13.1%、イタリア10.6%、日本2.2%となっています。

移民の流入増加は、欧州各国では、右派ポピュリストや極右政党の躍進につながっており、一部で政権を主導したり、連立に参加するケースもあります。またわが国では近年、SNS上で外国人に関する誤った情報が広がり、外国人への嫌悪を煽るものも散見されます。

こうした状況の中で、8月20日付けの朝日新聞に大変興味ある記事が載っていました。『瀬戸内の島には今、「三つの壁」がある。広島県江田島市の土手三生(さんせい)市長は8月上旬、地域の実情をこう表現した。「先入観の壁、価値観の壁、言葉の壁。日本人市民の心の中にある壁を取り除くには、課題はある。バラ色ではない。でも、外国人の力を借りないと成り立たない。」

背景には、市内のカキ養殖会社で12年前、中国国籍の技能実習生が社長ら2人を殺害、7人にけがを負わせた事件がある。~中略~事件当時、約520人だった市内の外国人は約950人と倍増したが、人口全体は約6千人減って2万265人に。外国人の割合が急増している。国勢調査(2020年)をもとに試算すると、カキ養殖を含めた県内漁業の20代の担い手は、ほぼ外国人という計算となる。~中略~市が21~22年に行った市民調査では、外国人の6割が日本人と「積極的に関わりたい」と答えたが、同様の回答をした日本人は6%だった。市は18年に国際交流協会を設立し、日本語教室を無料で開くなど交流を図っている。土手市長は「外国人と日本人が共に生活をしている実態が現にある。共生するために、顔と顔が見える関係を作っていきたいと」と話す。』考えさせられる記事です。

受け入れ国と移民が、お互いの努力で統合を図る「社会統合」の必要性があります。一方的に外国人に同化を迫るのではなく、受け入れ国は差別や障壁のない環境を作り、外国人は受け入れ国の言語やルールを学ぶ、簡単ではありませんが、今次の日本の問題解決には必要不可欠の課題です。「真の共生社会」の実現には「3つの壁」の双方向での克服が必須です。

山口宇部空港に自衛隊がやってくる!!~私たちの生命や安全が脅かされる?!~

NHKオンラインは『山口宇部空港で自衛隊の訓練などが円滑に行えるように、国が「特定利用空港」への指定を検討していることをめぐり、村岡知事は8月7日の定例会見で「特定利用空港の指定を受け入れる」と国に回答したことを明らかにしました。

「特定利用空港」は、自衛隊や海上保安庁の航空機の訓練などが円滑に行えるように国が指定するもので、これまでに全国11の空港が指定されています。

村岡知事は、受け入れを決めた理由として、自衛隊や海上保安庁が訓練を行うことを通じ、大規模災害時の住民の避難や物資の輸送の迅速化につながることなどを挙げました。

山口宇部空港が「特定利用空港」に指定された場合、中国地方の空港では初めてとなります。国によりますと、自衛隊が訓練で年に数回程度利用することなどが想定されているということです。

一方で、県内では、「地域の軍事的緊張を高める」などとして、県に「特定利用空港」の指定を拒否するよう求める声も上がっています。

村岡知事は「国には、民間の利用が主であることをしっかり守ってもらいたい。訓練を行う際は、事前に丁寧な説明や情報提供を行い、安全確保に万全を期してほしい」と述べました。』と報道していました。

県民が知らない間に、県民や空港利用者の生命・安心を脅かす可能性があることをいとも簡単に村岡県知事は容認しました。

そもそもこの制度は「総合的な防衛体制の強化に資する」ためとして岸田文雄前政権が2022年12月に閣議決定したものです。自衛隊などが有事(戦時)に使用することを前提に国が改修や整備をする空港・港湾を指定します。戦時に加え平時から自衛隊が訓練や人員・物資の輸送などで軍事利用しやすくするのが目的とされています。

「特定利用空港」となれば平素から自衛隊などの訓練に使われ、大きな事故が起きる可能性も払拭されません。自衛隊の訓練が必要ならば既存の自衛隊基地で行うべきでしょう。

村岡知事は、自衛隊などが訓練を行うことを通じ、大規模災害時の住民の避難や物資の輸送の迅速化につながることなどを挙げました。しかし仮に大規模災害、例えば南海トラフが起きた場合に、優先的に自衛隊などが住民避難や災害派遣をしてくれる保証があるのか甚だ疑問です。さらに、有事の際に山口宇部空港が軍事作戦に利用されれば、国際法上も攻撃対象とされかねません。

今回の受け入れの決定は、受けるメリットより、あまりに大きなリスクが存在します。「大規模災害への対応」と説明していますが、「戦争をする国家づくり」に加担することは決して許されません。山口宇部空港は、県民と利用者の貴重な財産です。軍事目的でなく、平和利用に資すべきです。防衛費の増加がこんなところに使われているのだと思います。私たちが知らない間に「新しい戦前」が、身近に着々と忍びよっています。