カテゴリー: 経営環境

陸上イージス・アショアは撤回に、辺野古新基地計画も即刻止めるべきです!~日本の防衛計画を考えてみました~

新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画の停止をめぐり、河野防衛大臣は6月25日午前、自民党の安全保障に関する会議に出席し、政府が6月24日開いた国家安全保障会議で山口県と秋田県への配備を断念したことを明らかにしました。

元々は、「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威から国内を守る」とのうたい文句でしたが、実際は「北朝鮮からハワイやグアムの基地に飛ぶミサイルを、海上イージス・アショアで迎撃できなかった場合に、萩市と秋田市のそれぞれの陸上基地から迎撃するのが狙いでした。

この配備計画は安倍晋三首相がトランプ米大統領と兵器の「爆買い」の約束から始まりました。既に米国政府と1,800億円の契約が交わされ、そのうち125億円の血税をコロナ禍において支出しています。さらに損害賠償金等の費用がかさむと思われます。

それ以上に重要なことは、沖縄の玉城知事もTwitterで米軍普天間基地の辺野古基地への「移転」(新基地建設)も断念し、普天間基地を即時返還するように求めていますが、私は、即刻辺野古基地の埋め立てを中止すべきだと思います。

民意は、明確です。自民党が総力をあげて戦った6月7日投開票された沖縄県議選でも玉城知事の与党が過半数を維持しました。しかし、翌日の管官房長官は「かなり(移設への)理解が進んでいるのではないか」と語り、埋め立て工事をわずか5日後に再開しました。

安倍政権は18年12月から埋め立て工事を始めていますが、18年度末までに1,471億円をつぎ込んだにもかかわらず、その工事の進捗率はわずか1%です。また、マヨネーズ状の地盤改良費を含めると建設費用は2兆5,500億円(沖縄県試算)かかります。仮に完成したとしても、使える基地なのかどうかわかっていません。コロナ禍、不要不急の無謀な計画は即刻止めるべきではないでしょうか。

私には、ある思いがあります。それは、日本国憲法を愚直に守ることです。その中でも特に第9条こそその核心だと思います。爆笑問題の太田光氏も提言していたように「日本国憲法をノーベル賞」にすべきではないかとの意見に大賛成です。特にその2項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」としています。

しかし今の自衛隊は、外形的に見ると誰がどう見ても軍隊です。同じ税金を使うのならば、自衛隊を「国際災害救援隊」に組織改編し、国内・国外に関わらず、地震、台風などの自然災害や事故が発生したら真っ先に救援活動に行く組織にすれば良いのではないかと思います。私が幼少時にTVで観ていた「サンダーバード」のようなイメージです。

そんな組織がある国に、どこの国が攻め込んでくると言うのでしょうか。防衛費の予算5兆円よりは費用対効果があると思います。防衛には抑止力が必要だと言うことは一見正論だと思います。しかし、本当にそうでしょうか?

軍隊を捨てた国にコスタリカ共和国があります。この国は国家予算の大部分を教育関係に注ぐようになり、現在の識字率は97%までなりました。日本も少し見習うべきでは?

ドイツの最新情報~降伏75周年とコロナの対策としてのマスク着用~

ドイツでは、5月8日はナチス・ドイツが降伏してから75周年を迎えました。ベルリン市は今年に限り祝日としました。また人種や宗教などによる差別が絶えないなかでも「ファシズムからの解放の日」として恒久的な国民の祝日にしようとの声も上がっているようです。

この日シュタインマイヤー大統領は首都ベルリンで演説をし、多くの苦しみや犠牲を生んだナチス・ドイツの歴史を直視することが国際社会の信頼の獲得や民主主義や自由を守ることにつながると語りました。メルケル首相も献花をしました。

氏は「私たちがナチスの過去から解放されることはない。思い出すことを怠れば未来を失うと」と強調しました。そして「責任を受け入れるからこそ世界の人々から信頼され、私たち自身もドイツを信頼できる」とのべました。

ところで、二女が住んでいるノルトライン=ヴェストファーレン州(州都はデュッセルドルフ)では、新型コロナウイルス感染防止のための接触禁止、営業禁止等に関わる条例を改正し、マスク着用義務等に関する条文を追加・公表(おそらく全ての州が同じようにしていると思います)しました。二女によると欧州人は元来マスクが大嫌いだそうです(それがイタリアなどの感染増につながったという報道もありました)が、それに踏み込みました。

その主な内容は「公共交通機関や小売店を利用、訪問する際、ならびに営業を許可されているサービス(医療機関訪問を含む*)を受ける際、小学生以上の全ての市民にマスク(自制のものやスカーフも可)の着用が義務づけられる。なお、健康上等の理由にマスクを着用できない場合には適用されない」というものです。

*具体的には、小売業、市場、レストラン(テイクアウト時)、ショッピングセンター、展示販売店、医療機関利用時、または、その他1.5メートルの距離が確保できないサービスの受領時。

わが国の極めて曖昧なものと違って、政府(具体的には州)が明確にマスクについての基準を設けていることはさすがだと思いました。

「9月入学」問題について思うこと

コロナウイルスの影響で急浮上してきたのが、9月入学の是非です。多くの学校が自主規制によって遅いところでは、6月末まで学校が再開されません。一方すでに再開している学校も少なくありません。また、オンライン授業を試みているところもあるようですが、それもその環境のない家庭では受けられないという「教育格差」も横たわっています。

今の小学校入学を9月にすれば、世界の主流である秋入学となります。秋入学の例外としている主な国は、シンガポール1月、オーストラリア•ニュージーランド1月末~2月初め、韓国3月、タイ5月、フィリピン6月、ドイツ8月などです。

9月入学にすれば留学生や研究者の交流が増え、企業の外国人採用などの国際化が進む大きなメリットがあります。

一方、入学を後ろ倒しにすると今の小学生1年生の入学が6歳児なので日本だけがすごく遅れた入学になります。前倒して義務教育の始まりを5歳にすると国際標準よりも速くなり世界の中で優位性も発揮できるのではないかという識者もいます。

ただ、秋入学にすると様々な問題が出てきます。ことを一気に進めれば、その学年だけ生徒数が4割ほど増えてしまうなどにより、教室や教師をどう確保するかが大きな問題になります。その他社会構造全般を揺るがすような様々な課題と直面しなければなりません。

また卑近な問題では今般、中止になった夏の風物詩でもある「高校野球の夏の大会」をどうするか「秋のインターハイ」など学校行事も大きく変えなければなりません。

大学の入試制度改革、中高一貫教育、飛び級制度の採用の是非、教師の超過密労働の解消などなど、学校教育に関わる問題を大きく国民的に論議にしていくことのプロセスが大事で、政治家や行政だけに頼っていたらいけないと思います。

現在、憲法の改正論議がしきりに言われていますが、憲法論議をするなら、この問題を国民的論議とするのは有益でしょう。基本的には私は秋入学に賛成ですがコロナ禍の今、やるべきことではないと思います。それはあまりにも短絡的すぎるからです。じっくりやることが肝要です。

民主主義は護られた!~検察庁法案 今国会で成立断念に~

安倍首相が、4月1日に意気揚々と掲げた「アベノマスク」の配賦率は、ゴミが入っていたなどの返品騒ぎがあってその配賦率は未だ10%にもなっていません。466億円の巨額な予算を使いゴールデンウィーク前には一家に2枚配布すると豪語していたのでは?

確かに「アベノマスク」の配布の遅れはコロナ対策の象徴である「スピード感」のなさの表れです。すでに市場ではマスクは十分供給されていますし、値段も下がってきています。結局大いなる「無駄遣い」になったと言われても仕方がありません。

国民には、財政的な裏付けもないまま自粛要請をしながら、一方で「不要不急」の法案である「検察庁法案」が上程されました。この法案は、表向きは公務員の定年延長ですが、その本質は「検事総長など検察官の定年」を「3年間延長」できるもので「内閣または法務大臣が延長の理由があると認めた場合」との条件がついています。つまり、「定年の延長」は、ときの内閣の胸三寸ということになり、中立性が損なわれ流行語にもなった「忖度」がまたしても検察官にも及ぶことになる極めて問題のあるものです。

15日には、元検事総長の松尾邦弘氏ら検察OBが法案に反対する意見書を森雅子法務大臣に提出するという異例な事態になりました。意見書は「再生案の発端になった黒川弘務東京高検検事長の定年延長を、検察庁法に基づかず、法的根拠ない」と指摘したものでした。

首相は同日に右派の論客として著名な櫻井よしこ氏が主宰するネット番組に生出演し、同氏との関係を聞かれ「私自身、黒川さんと2人でお目にかかったこともないし、個人的なお話をしたこともまったくない」と全面否定しましたが、新聞各紙の「首相動静」では2018年12月11日午後に面会した記録がありました。このためツイッター・ユーザーからの指摘が相次ぎました。

また、この法案に対し全国に52ある弁護士会の約9割にあたる46弁護士会の会長が15日までに反対声明が出され、法曹三者である弁護士会の猛反対にもさらされました。

さらに新聞各社が16日付で一斉にこの法案を批判する社説を掲載しました。政府よりだと言われている「日経新聞」も「拙速な検察庁法の改正は禍根を残す」というものを掲載しました。ローカル紙でも批判する社説を掲載し、この問題を大きく取り上げました。最近、新聞各社は、購読料にかかる消費税が8%に据え置かれたので政府に批判的な社説が少なくなった傾向がある中では異例なことです。

反対の声はSNSを通じても広がりました。ツイッター上では「#検察庁法改正案に抗議します」という投稿が3日間で500万件近くありました。特徴的だったのが小泉今日子さんなど俳優さんたちなどの著名人がたくさんいたことです。

安保法案、共謀罪、モリカケ、そして桜問題など民主主義の軽視が横行しましたが、この法案が継続審議になったことで、この国の民主主義はかろうじて護られたような気がします。今後、廃案になるまで世論をさらに高めていくことが重要だろうと思います。

再犯の多発国ニッポン!~刑務所の見学をして感じたこと~

過日、地元の刑務所を見学する機会を得ました。受刑者は、刑期を終え更正と円滑な社会復帰をめざして「矯正処遇」を受けています。「矯正処遇」にはいろいろなプログラムがあります。

そのプログラムは、受刑者の勤労意欲を高めるための「作業」、受刑者に対して犯罪の責任を自覚させ、健全な心身を培わせるようなものになっています。また、社会生活に適合させるための知識や生活態度を取得させるために必要な「改善指導」、社会生活の基礎となる学力が身についていないため、改善や円滑な社会復帰支障がある者に対する「教科指導」、囲碁や将棋等のクラブ活動、高等学校等の通信教育課程や資格取得のための通信教育、ラジオ・テレビの視聴の「余暇活動の援助」溶接・フォークリフト運転・ワープロなどの情報通信技術・介護福祉・CAD技術などの「職業訓練」が行われています。

「現在日本の犯罪は減少傾向にありますがそれとは逆行して右肩上がりに上がっているのが『再犯率』です。再犯率は現在では48%超え過去最高水準になり先進国でもトップクラスです。この事態を重く見た政府も平成28年12月に再犯防止推進法を施行しました。

再犯の原因のひとつに出所後の仕事の有無があります。有職者の再犯率7.6%に対して、無職者は28.1%と、約4倍です。

再犯の問題をなくすには、さまざまな問題があり、そのひとつに服役経験者が再挑戦しにくい社会環境というものが挙げられます。住むところが無い人や、教育や家庭養育を十分に受けていない人も多く、仕事に就くことは非常に難しいのが現状です。その結果、また犯罪に走ってしまうという悪循環に陥っています。」

※良心塾のホームページより引用

犯罪をした者等の自立や社会復帰に協力することを目的として、その者の雇用をする事業主になる「協力者雇用主制度」やハローワークを通じて就労の支援をするコレワーク(矯正就労支援センター)が近年では行われています。

さらに令和元年12月末全国の刑務所等で約4万人弱の受刑者が木工・印刷・洋裁などの作業の大半が民間企業からの発注でそれに協力している企業は約2千社あります。

しかしながら、それらのシステムを知らない事業主もたくさんいます。

塀のないことで知られるノルウェーの再犯率は世界最低の20%、日本の半分以下です。この国のやり方は「厳罰より治療」「管理より自由」「作業より教育」を実践しているとのことです。

この見学を通じて社会貢献の一つとして再犯率を下げていく社会的な活動が必要であり、国民性の違いがあっても、政府だけでなく、企業や国民1人1人が一度犯した罪を償った人の社会復帰しやすい環境作りを意識することが大切だと感じました。

衰退する国 ニッポン!!1人あたりの名目成長率は26位に急降下

GDPとはGross Domestic Productの略語で、日本語では国内総生産と呼ばれるものです。これは、一定期間に国内に産み出された付加価値の合計を示めします。

例えば、和菓子屋さんは小豆などを仕入れそれをもとにお饅頭などを製造していますが、この最終的にできあがった生産物 (お饅頭など値段) をすべて金額で合計して、原材料費・光熱燃費・間接費等を控除したものがGDPです。なお、GDPの伸び率が「経済成長率」を示し、GDPが拡大すれば経済成長率はプラスとなり、一方GDPが縮小すれば経済成長率はマイナスとなります。

GDPには「名目GDP」と「実質GDP」の2つがあります。名目GDPとは、GDPをその時の市場価格で評価したもの、つまり単純にお饅頭などの価格などをすべて合計したもので、物価の変動を反映した数値を名目GDPと言います。(大和ネクストバンクHPを参照)

名目GDPを人口で割った1人あたりGDPのランキングは、わが国は1988年の高度経済成長期には世界で2位でしたが、現在は26位まで衰退し、先進国では下位に沈んでいます。

因みにアメリカは9位、ヨーロッパのドイツは18位、フランス19位、イギリス22位、イタリア27位、中国70位となっています。

名目GDPを人口で割った数値なので小国が相対的に高くなるのはやむを得ませんが、いかに日本が「成長していない国」となっているのがわかると思います。上位3位までの特徴を見てみましょう。

第1位ルクセンブルク

ルクセンブルクはドイツ、フランス、ベルギーに囲まれている小さな国です。国の面積は日本の神奈川県ほどで人口は同県の10分の1以下です。ルクセンブルクに住むおよそ半分が外国人。ほとんどが近隣のヨーロッパ圏の住民で、移民を受け入れる開かれた国でもあります。

その理由として産業構造が挙げられます。元々、貧しい農業国だったルクセンブルクは戦後に多くの国外企業を誘致します。主に、重工業を中心に誘致し経済大国としての土台を作り上げました。

その後、特に力を入れていたのが金融業です。ルクセンブルクでは、労働人口の5分の1が金融関連の職業についており、産業構造の中でも比重が大きいです。

ルクセンブルクの産業構造が金融業にシフトした背景には、元々力を入れていた鋼鉄業の不振があります。石油ショック後に鋼鉄業の生産性が下がり、変革を求められた際に外国の金融機関を誘致する方向に決まりました。

第2位スイス

国の面積は41,290㎞で中国・四国地方の面積50,725㎞より少し狭いですが、人口は787万人と中国地方の人口756万人とほぼ同じです。

その首都、チューリッヒは、世界の中でも物価の高い都市として知られています。駅でミネラルウォーターを買えば4フラン、トイレの使用料に2フラン、つまり水を飲んで用を足すだけで6フラン(約600円)もかかる計算になります。一説には、高技能職の移民以外は受け入れないために、あえて物価を高くしているとのことのようです。

一方、スイスの最低賃金は、毎月3,500フラン(約35万円)にも上ります。これほどの高賃金だから物価が高くても生活できるわけです。一般的な経済原則に反して、高賃金にも関わらず失業率も低いのです。

その秘密は徹底した高付加価値化にあります。スイスは小国だけに、歴史的にやるべき産業と手を出すべきではない産業を峻別してきました。その結果が、世界に冠たる精密機器産業(オメガなど)医薬品産業(ノバルティスファーマなど)、金融業(UBS、クレディスイス)の成功です。他にも、世界中で知られるコーヒーを中心とした総合食料品メーカーのネスレ(従業員35万人)もあり、観光資源にも恵まれています。

第3位マカオ

面積は28.6㎞で広島市中区の15.4㎞の約1.8倍に、人口64万人で岡山市の人口72万人よりやや少ない人が住んで知る超過地域で中国の特別行政区になっています。マカオ単体で見たら、一人あたりGDPで、日本の約3倍もあります。産業としてはカジノが主体です。所得税ほぼ0、病院などの医療費も0、高校まで教育費0、毎年政府からお年玉もらえるこの高待遇になっている。ただし、治安は悪いそうです。

島国ニッポンだから外国のことは良くわからないし、大学の授業も含めて長い期間英語を勉強していますが、おそらく私も含めてニュースを理解している人は少数派です。

一方、二女が住んでいるドイツではTVニュースも英語で放映している番組も多いですし、音楽番組はほとんど英語です。

英語教育の変革が教育界でもされようとしていますが、わが国ニッポンのおかれている状況を認識しましょう。

 

社会保険の負担金も応能負担で~頭打ち制度の廃止を提案します~

「75歳以上の後期高齢者が支払う公的医療保険の水準が4月から全ての保険料が上がる。1人あたりの平均保険料は東京で初めて年10万円を超え、島根や青森では2割超上昇する。」との新聞記事が出ていました。

団塊の世代が全て後期高齢者になるので「2025年問題」という言葉もあるくらい医療保険の給付と負担をどうバランスさせるかが問題になっています。

その新聞記事によると「年43兆円の国民医療費のうち、後期高齢者の医療費は16兆円を占める。1人あたりの医療費の額は年92万円と45歳から64歳の3倍にのぼる。窓口負担を除く医療費の1割を後期高齢者の保険料、約5割を国や都道府県などの公費、約4割を現役世代からの「仕送り」でまかなう仕組みだ。」と報じていました。

さらに記事は「実際に医療機関にかかった際に支払う後期高齢者の場合は原則1割だ。現役並みの所得があると判定されれば3割になる。今後は一定所得なら2割負担を求める所得の区分も設けて、後期高齢者の自己負担を見直す。」と今後の方向性を示していました。

この記事を見て感じたのは、いかにも高齢者の医療の給付と負担のバランスが崩れ、高齢者がもっと負担をするような印象を与えるように思えます。

考えないといけないのは、第一に将来の「社会保障費の増加」理由に消費税を1989年4月から導入したのではないかと言うことです。ところが導入された消費税は、法人税や富裕層の減税に使われてきました。税の理屈で言えば法人税に累進制度を導入することが求められます。また、所得税の最高税率も引き上げるとともに、分離課税をしている株式等の総合課税化をして、国の責任で社会保障の負担の割合を大きく引き上げることが大事です。

第二に、高齢者に富が偏在している傾向があります。多くの預・貯金を高齢者が所有しています。したがって、所得(フロー)から保険料を決めるのではなく、資産(ストック)を加味して決めることが重要だと思います。しかもそのウエイトを、相対的に所得より資産に置く方が良いのではないでしょうか。資産家から多くの負担をしてもらう必要性を感じます。その場合、株式等の運用で利益を出しながら特定口座で所得申告をしていない人の負担もしてもらうべきです。また、相続税の基礎控除が下がり大衆課税化しているので、富裕層にもっと負担をしてもらうように相続税の最高税率を上げることが必要だと考えます。

第三に、4割を現役世代から「仕送り」している層の負担のあり方を見直すべきです。現在、健康保険は月額139万円で頭打ちをしています。税率は低くなっているとはいえ累進課税を所得税は青天井で適用しています。私はここにメス入れるべきではないかと思います。上場企業で年収が1億円以上の役員は570人、国税庁のデータによれば1億円の年収がある人は約2,400人、トヨタの社長で約3.5億円、上場企業の役員報酬の平均年収は約3,000万円といわれています。また、平均年収の1位はM&Aキャピタルパートナーズは、平均年齢は31.3歳と若いものの2,478万円です。5位の三菱商事は1,607万円です。このような人たちからも健康保険料を徴収したらかなりの保険料が入るのではないかと思います。

租税における応能負担の原則を深読みすると

(1)応能負担の原則

簡潔に言えば「その負担できる能力のある人(法人を含む)の所得や財産に応じて租税を負担する」と定義できます。特に法律で定められているものではありませんが、以下の憲法の諸原則などから導き出されるものです。

具体的には①〔納税の義務〕第30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。②〔課税の要件〕第84条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。③〔個人の尊重等〕第13条 すべて国民は、個人として尊重される。④〔平等原則等〕第14条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。⑤〔生存権等〕第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。⑥〔財産権〕第29条 財産権は、これを侵してはならない。となっています。(条文は簡略化し、読みやすいようにしています)

(2)応能負担原則の具体化

では、これを具体的に応用すれば次の4つに分類することができます。

①直接税中心…税は消費税のように同じ税率だと広く、薄く課税することとなります。そうなると富裕層でもそうでない人にも同じ税率をかけることになり選択の余地がなくなります。つまり「逆進性」が強くなります。したがって、所得税のように直接税を中心に課税することを原則とすべきです。しかし現行の法人税は、中小企業が活用できる800万円の軽減税率15%を超えれば全ての法人が23.2%の比例税率になっています。1984年43.4%、87年42%、90年37.5%、98年34.5%、99年30%、2012年25.5%、15年23.9%、16年23.4%、18年23.2%と、どんどん下がっています。本来、法人税にも累進税率を適用すべきですが、それどころか資本金が10億円を超えると実際に納める税率が下がっていく租税措置法などがあり、ここでも不公平になっています。

②総合課税と累進課税…現行の所得税は、株式の譲渡・配当、土地の譲渡、利子など分離(別計算)して課税しています。この税率は国税で15%です。所得税は、所得が多いほど適用税率が高くなる「超過累進課税」を採用しています。バブルが始まった頃は15段階ありました。しかし、バブル崩壊と平成大不況に見舞われていた1999年には税率が4段階(10%、20%、30%、37%)まで圧縮されました。現在の税率区分は7段階となりましたが、最高税率は45%でピーク時(1983年以前)の75%より30ポイントも低い状況です。したがって課税所得が1億円を超す人は、株式の譲渡・配当が多くなり「逆累進制」になっています。総合課税化と累進課税の強化を原則とすべきです。

③生活費非課税…憲法第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障し、社会福祉保障及び公衆衛生上の向上と増進について国の努力を規定しています。しかし生活保護費(下関市在住、小学生1人、中学生1人を抱える母子家庭)は19万円にもなりません。国民が人間としてまっとうな暮らしをしていく上ではあまりにも低いと言わざるを得ません。それがどんどん削減されています。所得税の基礎控除は38万円となっています。所得が基礎控除を超えれば課税されることになります。必要最低限の生活費に課税することは憲法25条に違反しています。所得控除を最低でも100万円くらいにはすべきでしょう。

④勤労所得軽課・不労所得重課…所得税には10種類の区分がありそれぞれ別計算をすることになっています。その中で勤労所得(汗水垂らして働いて稼ぐもの)は、事業所得、給与所得、退職所得、雑所得があります。本来ならば、これらの所得が軽い税金、その他の所得が重たい税金を負担することが原理原則にかなったものになっています。上述したように株式の譲渡・配当所得のようなものは富裕層にとっては軽いものになっていますが、それ以外の人にとっては重たいものになっており逆転現象になっています。なおかつ、給与所得には給与所得控除があって優遇されていると事業所得者からは言われ、反対に給与所得者からは事業所得者は、何でもかんでも必要経費にしているとの応酬があります。まさにコップの中のけんか、言い換えると政府による弱い者の分断作戦に乗せられています。

(3)まとめ

以上見てきたように、日本の税金はどんどんゆがんできています。あるべき税制の姿を変えるのは選挙で選出された国会議員、つまり国会で決まります。

どの政党が、どのような税金に対するビジョンを考えてそれを投票の基準しなければこの問題は永久に解決されません。

しかし、およそ半分の有権者が投票に行っていない現実が横たわっています。この国をどんな形にするかそれを決めるのは1人1人の国民の意思にかかっています。新型コロナウイルスの関係で、解散の時期がどうなるか不透明ですが、どの議員、どの政党が税のあり方を示しているのかしっかり見定めて投票行動を行いましょう。

 

国民生活を守るのは消費税減税(0%)が一番

コロナウイルスの影響がとどまるところを知らない状況になっています。安倍首相は4月7日、「緊急事態宣言」出しました。

朝日新聞の8日付けの記事を要約すると①対象は東京都など7都府県、②期間は大型連休が終わる5月6日まで、③解除・延長は、専門家の評価をもとに判断、④都市封鎖は行わず、可能な限り経済社会機能は維持、⑤人と人との接触機会の7~8減をめざす、というものです。テレビのワイドショーでも井戸端会議でもこの話題で持ちきりです。

すでに世界保健機関(WHO)が3月11日にパンデミックを宣言しました。個人的には今般の対応は全て「後手、後手」のような気がします。

プリンセスダイヤモンド号の乗客から感染者が出たとき、目に見えないウイルスを封じ込めることがいかに難しいかが明らかになり、その後も、和歌山県の有田病院、大阪のライブハウスや中国からの旅行客を大量に受け入れていた北海道でクラスター感染により感染者が急増、現在、全国的に発生源が不明な患者が増加していることを教訓化したらもう少し早く対応ができたのではないでしょうか。専門家委員会と相談しての決定と言いますが、議事録はすぐには公開されないようで、国民の不安は募るばかりです。

しかもその期間の経済的損失は「自己責任で何とかせよ」という姿勢が見て取れます。それは、安倍首相がドイツを意識してのGDPの20%の108兆円の緊急経済対策の事業規模のまやかしです。この中には昨年12月に決定した経済対策の未執行分20兆円、負担を先送りする納税・社会保険料の猶予分26兆円まで含まれています。いわば粉飾して国民を煙に巻いていると言わざるをえません。

その目玉は、収入が減少した世帯に1世帯あたり30万円現金給付を行うというものですが、その要件が非常に厳しく、経済評論家の森永卓郎氏は「現金給付に所得制限をかけようとしているが、収入が減ったなんてどうやって証明するのか」とコメントされています。また、有り体に言えばまず「医師の診断書を取ってからでないと適用しない」という仕組みになっています。必要なのは、今必要なお金なのです。

さらにこれは、新たな不公平を生む内容になっています。例えば、世帯主の収入減になっているので、配偶者などのものは考慮されません。また、わずかの減少金額の差で、もらえる人ともらえない人が生じたり、逆転現象も生まれてきます。これなら、申請者には誰でも10万円給付できる形の当初案の方が早く進むし、公平や平等が担保できます。つまり「医師の診断書」なしで適用できるようにした方がまだ良かったのではないかと思います。

しかし、究極の経済対策は、与野党から上がっている消費税の減税です。自民党の国会議員有志は3月30日、消費税の実質0%引き下げを求める緊急声明を発表しました。この声明をまとめた安藤裕衆議院議員は「消費増税によって経済は壊れている。デフレ状態が続くうちは消費税を大幅に下げるべきだ」と話しています。

消費税を0%にすることは実務的には税率変更時の手続きと同様であり、すでに事業者、税理士、税務署職員共に全て経験済みで大きな負担は発生せず、かつ、その効果は全ての国民が享受することができるものです。何より逆進性の強い消費税は、経済的に弱い立場にある人には大きなインパクトがあります。

現在のコロナウイルスでのさらなる景気の落ち込みを踏みとどめるためには、消費税率をゼロにする以外に道はないと考えています。財源は、当面は国債で賄い、景気が回復軌道に乗ってきたら消費税ではなく、消費税導入前の「物品税」に先祖帰りをすれば良いと思います。

 

中小企業大臣の設置が焦眉の急ではないでしょうか!?

政府は、2010年6月18日政府は閣議決定で「中小企業憲章」を制定しました。

その前文では『中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。~中略~政府が中核となり、国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく。これにより、中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活が実現されるよう、ここに中小企業憲章を定める。』

基本理念では『中小企業は、経済やくらしを支え、牽引する。~中略~難局の克服への展開が求められるこのような時代にこそ、これまで以上に意欲を持って努力と創意工夫を重ねることに高い価値を置かなければならない。中小企業は、その大いなる担い手である。』

と高らかに表明しています。

最新の中小企業白書(2016年)によると、中小企業の数は357.8万社、うち小企業(商業・サービス業は5人以下、製造業その他は20人以下)は304.8社、大企業は1.1万社、わずか0.3%です。したがって、中小企業の占める割合は99.7%です。また、そこで働く人の割合は約70%と言われています。

「中小企業憲章」では「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」と言いながら、2020年度の予算で付いた中小企業対策費は一般歳出のわずか0.27%で1,753億円(19年度比37億円減)です。1社あたり4.9万円しかありません。驚くことに賃上げ対策費は11億円、1社あたり300円という驚愕の数字です。中小企業庁は経済産業省の外局ですがその定員は195人、防衛省の外局である防衛装備庁の1,813人の約1割です。本当に「中小企業憲章」の理念通りの政策を取るとしたら、大企業におもねる政策ではなく、中小企業の懐があたためられるような政策と予算と人員配置をして欲しいものです。

昨年の消費税を期に事業を廃業された方もこの確定申告で垣間見られました。そこに、新型コロナウィルスでの「自粛騒動」でその数は加速度的に進むでしょう。

「オーバーの上からから背中を掻く」のようなやり方ではなく、正面から中小企業の廃業等極小化する構えが政治の世界で必要でしょう。ただでさえ、後継者不在率は全国平均で65.2%です。地元の山口では、全国ワースト3の74.7%です。私見ですが、中小企業大臣を新たなポストに置き、一桁多い予算と定員にすべきではないでしょうか。

不要不急な予算はたくさんあります。その最たるものが防衛費です。この歳出は、8年連続の増額で、はじめて、5兆3,000億円にもなりました。なんと中小企業関連予算の30倍です。例えば、戦艦大和とほぼ同じ大きさの「いずも」型護衛艦を空母に改修する費用は31億円です。賃上げ対策費「業務改善等助成金」は11億円の約3倍です。また、その空母に載せる戦闘機のF35Bを6機793億円出してトランプ大統領から押しつけられて買います。こうした攻撃型の防衛費は本当に必要なのでしょうか?多いなる疑義があります。

ヨーロッパの小企業憲章には「Think small first」と言う考えを表明しています。是非、政治家や官僚の皆さんはそれを見習って欲しいと切に願っています。