月別: 2024年2月

課税の基本は総合課税と累進課税!! ~富裕層のフローやストックに課税強化すべきです~

所得税の確定申告も半ばに入りました。税務署の窓口には、政治家の裏金問題でクレームを言う納税者が押しかけていると報道されています。裏金がばれても申告しなくてもいい、税務調査もされない、一方で税務署は民間には詳細な領収書などを求め、岸田総理がこの時期に適切な納税を訴える、国民感情としては到底理解しがたい状態です。しかし、納税者の大多数は真面目に確定申告をします。これも国民性なのでしょうか。

ところで、国際NGOのオックスファムの調べによれば、コロナ禍の約2年間で世界の99%の人が収入を減らした一方で、世界で最も裕福な10人の資産は倍増しているそうです。世界一のお金持ちといわれるテスラCEOのイーロン・マスク氏はその保有資産が36.3兆円という天文学的な資産を保有しています。そうした中で、マイクロソフト社の共同創業者のビル・ゲイツ氏が、世界経済フォーラムで富裕層への増税を訴えました。その書簡によると「富裕層に課税したとしても、彼らの子どもたちから財産を奪うことにはならないし、彼らの生活水準を根本的に変えることもない」と記されているそうです。

翻って、日本の一番のお金持ちはファーストリテイリングの会長兼社長である柳井氏です。その保有資産は5兆円とも言われています。2011年に同氏が保有する同社の株式531万株をオランダの資産管理会社に譲渡しました。オランダでは一定の要件を満たせば配当金が非課税になります。直近の株主名簿では、同社の株式は1,593万株に増加しています。配当(1株年290円)で計算すると、その配当金は年46億円以上、日本で株を保有する場合と比べ年18億円「税逃れ」している計算となります。そのスキームについてその後国税庁が課税をしたとの情報はありません。これも国民感情としては理解できません。

さて、超富裕層の定義は預貯金・株式などの金融資産が5億円以上ある人で国民の1.6%、富裕層はその金額が1億円ある人で国民の2.3%になるそうです。それらの人に対する課税を強化すべきではないでしょうか。金融所得は富裕層がかなりの部分を占めていると推察されます。優遇されている金融所得(株式の配当や譲渡益)、現在は分離課税で約20%しか課税されていません。それを総合所得にしたらどうでしょうか。日経平均が史上最高値をつけて随分と利益を得た人も少なからずいるはずです。そして、消費税が導入されて所得税率の最高税率が75%から現在40%に引き下がられました。これを元に戻すべきです。課税の原則は総合課税と累進課税です。

さらに、相続税・贈与税の累進課税の強化、住民税の累進課税化も必要です。法人税も累進課税を検討すべきでしょう。そして、政治家の課税や罰則の強化を検討すべきです。歳出では、防衛費を削減して少子化対策にお金を回すべきです。累進課税とは真逆の逆進性の強い消費税は減税し、そしていずれ廃止をすべきです。そうすれば、弱いものいじめと言われているインボイス制度も不要になります。

税と向き合うことが多いこの時期、税の問題を国民的関心にすべきです。そのためには、給与所得者の源泉徴収と年末調整をやめるべきでしょう。

元号の使用は、不便でコストもかかります!!~建国記念の日に改めて元号を考えてみましょう~

先日、2月11日は建国記念の日でした。この日は国民の祝日の一つで、「建国をしのび、国を愛する心を養うこと」が趣旨とされています。日本では、実際の建国日が不明確なため、建国神話をもとに、建国を祝う日を定めました。古事記や日本書紀の日本神話に登場する人物で初代天皇とされる神武天皇の即位日である紀元前660年1月1日 (旧暦)を新暦に換算した2月11日を「建国記念の日」としました。

ほとんどの国がそれぞれ建国記念日を設け、その日は祝日にしているようです。アメリカ合衆国では独立記念日とされ、1776年大陸会議でアメリカ独立宣言に署名がされた日の7月4日です。フランスではパリ祭とされ、1789年バスティーユ牢獄襲撃・政治犯解放でフランス革命が始まった日の7月14日です。ドイツではドイツ統一の日とされ、1990年ドイツ連邦共和国とドイツ民主共和国が再統一した日10月3日です。なお、イギリスでは建国とされる日が明確ではないため、記念日は制定されていません。

さて、天皇と元号は深く関わっています。元号は広辞苑によると「年につける称号」とされています。元号は天皇が即位した年から数えます。世界で最初に元号を使ったのは、中国で、今から2000年以上前に使われていました。その時の元号は「建元」という称号でした。

中国で始まった元号は、その後日本に伝わってきました。日本で最初の元号は645年に付けられた「大化」です。初めのころは、天皇が変わったら元号も変わるというシステムではなく、その年に起こった災害や事件、占いなどによって、変わっていました。そのため大化から始まった元号は、令和までに248回も変わっています。平均5年に1回の頻度です。

しかし、明治になった年に「一世一元」、つまり「天皇1人につき元号は1つだけ」と変更されました。そのため、明治以降は天皇の即位に合わせて元号が変わってきました。

中国から始まりアジアに広まった元号ですが、現在、使用しているのは日本だけです。中国でも1945年に元号の使用を完全になくしました。元号だけで考えると、日本はグローバルとは到底いえません。国外との取引には元号は全く使えません。

2月16日からは所得税の確定申告が始まります。その計算において年齢で納める税金の金額が異なるものが結構あります。例えば、控除対象配偶者が年齢70歳以上かどうか、扶養親族のうち年齢16歳以上かどうかなどです。

家族であれば、その年齢はわかりますが、他人がそれを判断しようと思えば大変です。元号と西暦の換算表が必要になる場合も多々あります。

確定申告だけに限りません。年齢はとても重要なファクターです。例えば、私は「平成2年生まれです」と言われても、とっさに年齢は出てきません。元号を使うことですごく不便に思うのは私だけではないと思います。

行政だけでなく、あらゆるところで西暦に変えるべきだと思います。天皇制や元号を全否定するものではありませが、元号が変われば、その都度様々なシステムが変わり膨大な国家的な損失にもなります。国や行政任せにせず、国民全体で元号について考えませんか。

裏金問題で政界は大揺れ!!~実態解明と税務調査で適正な対応を~

政治とカネをめぐる問題で、政治は大揺れになっています。どこまで実態の解明がされるかに国民の最大の関心事になっています。

ことの発端は、2022年11月6日の「しんぶん赤旗日曜版」のスクープからでした。しんぶん赤旗は、「桜を見る会」や「日本学術会議」などの報道で、日本ジャーナリスト会議JCJ賞を2年連続で受賞しています。大企業からの広告を一切載せないから、このようなスクープができるのだろうと思います。

この報道を受け、神戸学院大の上脇博之教授が、2018~2021年の4年間を調べ直し、東京地検に告発しました。

裏金の本質は、1994年に成立した小選挙区比例代表並立制と政党交付金の導入にあるのではないでしょうか。

小選挙区制度の最大のデメリットは、死票が多く存在することです。2021年の衆院選小選挙区を見ても、自民党は48%の投票率で65%の議席を獲得しています。この制度により、「一党他弱」の政治状況を生み出し、それが政治とカネに対する緊張感が喪失したのだろうと考えます。

多くの識者が国民の価値観の多様性を認め「それを社会に反映させる仕組み作りが大切だ」と論評していますが、わが国の選挙制度はまるで反対の極めて問題のある制度になっていることは否めません。

さらに、問題なのは政党助成金です。昨年は総額315億円余りで、自民党には最も多いおよそ159億円が交付されました。政党交付金は、政党助成法に基づき交付されるもので、国民一人当たり250円の税金が使われます。

自分の支持していない政党にも交付されることから憲法違反ではないかと思慮されます。日本共産党は政党交付金の制度に反対して交付金を受け取っていません。同党へ交付相当額は他党へ交付されます。政党交付金は、政治活動費を特定の企業や団体からの献金に頼らなくてもいい政治にするために、国民みなが負担する税金から支出されることに意味があります。政党が政党交付金をもらうことには、極めて重い責任が伴うのです。このことへの自覚が欠如しているのではないでしょうか。

さて今回の裏金をどう考えるかですが、政治資金であれば収支報告書に記載しなければならないので、このカネは当然のことながら政治資金ではないと考えざるを得ません。議員側もそういう認識で受け取っていたのだと思います。つまり課税所得ということになり、税務申告すべきで、仮に申告しなければそれは申告漏れということになります。

多くの国民や零細業者には税務調査という公権力で課税を強いています。もちろん、課税は公平であるべきです。税の隠語で、10.5.3.1(とう、ごう、さん、ピンと呼びます)という言葉があります。税の補足率が、サラリーマンを10とすると、自営業者は5、農業者は3、政治家は1という意味です。

裏金問題で、検察庁が法律の壁(政治資金規正法がざる法であるゆえに)で十分に力を発揮できないのであれば、国税庁が今こそその力を発揮すべきです。税務調査をすべきです。