月別: 2021年9月

悲願の剣道三段合格~恩師に感謝です!!~

2021年8月15日、やまぐちリフレッシュパーク午後3時半、剣道3段合格の吉報を受けました。64歳の私にとっては「快挙」の2文字、なんと2段取得から47年ぶりの昇段でした。

嬉しいという感情よりは、ホッとした気分でした。高校生のときにやり残したリベンジをやっと果たすことができました。ちなみに、受講者の中で私は最高齢者でした。

本来は、8月8日の催予定でしたが2週間程前に連絡が入り、新型コロナウイルスの接種会場にこの施設が使われるということで、急遽終戦記念日でもある8月15日へ1週間延長になりました。ここにも新型コロナウイルスの影響が及んでいるのです。

当初の8月8日でスケジュールを立てていましたので、この1週間は非常に長く感じられました。おまけに30年前の税理士試験最終科目の受験以来の緊張感で前日はよく眠れませんでした。

昇段審査は実技、日本剣道形、学科の三つの要素によって構成されています。実技は、剣道の基本練習と言われている「切り返し」、次にいちばんオーソドックな技である「面打ち」、そしてその応用である「小手面打ち」、相手と試合形式で行う「立ち会い」をそれぞれ2本ずつ行います。これらは、日頃の練習で幾度もこなしてそれなりに身についているので、後は大きな声を出すことで何とかなると思っていました。

やっかいなのは日本剣道形です。日本剣道形とは、真剣を用いることを想定しながら剣道の稽古をするために編み出された、剣道で重要な動きすべてを凝縮した形稽古のことです。全部で10本の形がありますが、そのうち3段昇段には7つの形が課されます。打太刀(師匠役)と仕太刀打ち(弟子役)に分かれ演舞します。

学科は剣道の基本用語が問われます。2問出題されてそれぞれ200字から400字を事前に原稿用紙に記載して、当日の受付のときに提出しました。今回は、「間合い」と「かかり稽古と打ち込み稽古との違い」でした。

実技の審査で受かった受講者のみ、日本剣道形に進み、されにそれをクリアしたものが学科の審査に進むこととなります。

午前中は講習会が行われました。その内容は午後に予定されている昇段審査のリハーサルでした。いちばん受講者が苦労する日本剣道形を中心に行われました。

講師の先生2人から、審査を意識して1本目から7本目まで手取り足取り熱心に教えていただきました。私のできが悪いと思われたのか、個別指導をしていただきました。

審査本番のことは、頭が真っ白になり何も覚えていないというのが正直なところです。

さて、審査の2ヶ月前からご縁あって私に日本剣道形を中心に、週二回熱心に教えていただいた師匠に感謝の気持ちでいっぱいです。師匠は私の子どもと同じ世代の若い先生です。

おそらく物覚えの悪い弟子だったと思います。わざわざ私一人ために貴重な時間をさいていただきました。昇段の吉報を連絡したらわがことのように喜んでいただきました。このご縁を大切に、自分のこれからの人生の肥やしにしていけたら良いなと思っています。

アマゾンの功罪を考える~その創業者に応分の負担を求めるべきです!~

7月20日、アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾス氏が、自らが設立した宇宙開発企業のロケットで約10分間の宇宙旅行をしました。多くのマスコミが取り上げ、「新しい時代の幕開け」のごとく報道をしました。

奇しくもこの日は今から52年前の1969年に人類が初めて月面着陸をした日でした。地球ではこの快挙のTV中継を6億人が見ました。アポロ11号のアームストロング船長は「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」と述べました。

一方、ベゾス氏は「アマゾンの全従業員、すべての顧客に感謝したい。あなた方が今回の費用のすべてを払ってくれたのだから」と、大はしゃぎでした。

私も、アマゾンの顧客のひとりです。確かに、アマゾンが私たちの生活様式を格段に変えたことは論を待たないでしょう。大きな本屋さんが近くにないので注文して取り寄せになる専門書も翌日に手元に届きます。中古の書籍も豊富に在庫があります。近くのスーパーでは売っていない私が愛飲しているフランス産炭酸水の「ペリエ」も手に入ります。かさの張る品物も自宅まで宅配業者が注文した翌日に届けてくれます。

そんなアマゾンは超巨大化しています。売上高は、2016年に1,360億ドルであったものが4年後の2020年には2.8倍増の3,861億ドルに、営業利益は同期間で42億ドルが229億ドルと5.5倍に、売上高対営業利益率も3.1%から5.9%と1.9倍改善されています。

従業員の数も34.1万人から129.8万人と3.8倍になっています。アマゾンはGAFA(ガーファ=グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれるアメリカの主要IT企業の一角を形成していますが、従業員の数は他の3社の合計より多くなっています。ちなみにグーグルは13.5万人、アップル12.3万人、フェイスブック5.9万人です。

会社だけではありません。個人資産も膨れあがっています。アメリカの大富豪を調べている政策研究所によると、ベゾス氏の資産は7月時点で2,124億ドル(日本円で約23兆円)です。コロナ危機が深刻化した2020年3月から1.9倍も増やしました。10億ドル以上の資産を持つアメリカの大富豪713人の資産は同じ期間で1.6倍に増え、総額4.7兆円とドイツのGDP(国内総生産)を上回っています。

国際NGOのオックスファムは、「億万長者は不公平な税制と脆弱な労働者保護で資産を増やしている」と指摘しています。そして、「連邦所得税をほとんど払わないくせに自らの宇宙旅行には75億ドルも費やせる」とベゾス氏を批判し、富裕層への課税強化で学校や病院を造るべきだとしています。

また民主党の議員などからも「彼が10分間の宇宙旅行を楽しんでいる一方でアマゾンの倉庫労働者は10時間立ちっぱなしで働く」「看護師よりも低い税金しか払わず、宇宙旅行を競い合っている」「経済的正義のある社会なら、ホームレスや飢餓をなくすために彼に1,000億ドルの地球帰還税を課すだろう。それでも彼はまだ世界で8番目の富豪だ」などの鋭い指摘がされています。

課税の適正化は、アメリカだけでなく日本の歪んだ二極化社会でも焦眉の課題です。