カテゴリー: 経営環境

知り合いがまさかの逮捕!~国選弁護人と私選弁護人の違いを深く知りました~

誰でもいつ何時逮捕されることがないとは限りません。逮捕とは、捜査機関(警察)などが被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐために一時的に身柄を強制的に拘束することを言います。

私の知り合いがまさかの逮捕をされ、国選弁護人(日本国憲法は第37条3項で、「刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」と定めています。したがって被告人国選弁護は、憲法上必置の制度であり、被告人からすればその依頼権『国選弁護人選任請求権』は憲法上の権利となる。ウィキペディアより)を選任しました。

その時にそのご家族に次のようなアドバイスをしました。まず、弊事務所の顧問弁護士に相談しました。不足のものはネットで検索してみました。そこで、知り得た情報でお役に立ちそうなものをまとめてみました。

※厳選刑事事件弁護士ナビ 国が弁護士費用を負担する国選弁護人にはデメリットも多い~いざという時の備えに~刑事事件コラムより以下引用

はじめに

国選弁護人にはあまり頼りにならない弁護士が付くこともありますが、厳密に言えば私選弁護士でも国選弁護士でも良い弁護士・悪い弁護士はいます。

悪い国選弁護人の特徴と言うより、悪い弁護士の特徴にはなりますが、国選弁護人を付けてはみたものの、あまり頼りにできないように感じれば、私選弁護士に切り替えてみてもいいかもしれません。

刑事事件に精通していない

国選弁護人は依頼者がどの弁護士を選任するのか選べないことから刑事事件に精通していない弁護士に当たってしまう可能性があります。では刑事事件に精通していない弁護士はどのように見分ければ良いのか気になることでしょう。

見分けるために「先生は年間で何件くらい刑事事件をやっていますか?」と質問してみてください。弁護士としての経験年数にもよりますが【年間で5件程度】やっているようであれば精通していると言って差し支えないと思います。その返答に窮たり、回答をはぐらかしているような場合は刑事事件に慣れていないことが考えられます。

スピード感がない

刑事事件での重要なことはスピード感です。国選弁護人は早くても勾留後からの選任になり、私選弁護士より一歩遅れます。その上、なかなか面会の日程調整が決まらない。電話をしても繋がらないような場合は、スピード感のある私選弁護士を探したほうが上手くいくケースもあります。

極端に若い・経験がない

また、国選弁護人の中には私選弁護士として依頼者からお金をもらう程の経験がない弁護士もいます。確かに若い分熱意はあるかもしれませんが、極端に若かそうにみえたり、経験がないように感じられるのであれば、経験豊富な弁護士に相談してみても良いかもしれません。

横柄な態度を取る

逆に、弁護士の中には昔ながらの頭の固い弁護士がいることもあります。弁護士選びでは依頼者や被疑者と弁護士の相性が重要です。少しでも「相性が悪いな」と感じたのであれば、他の弁護士に相談してみても良いでしょう。

国選弁護人から私選弁護士への変更は可能

以上のような感じの国選弁護人が付いて、不安や不満がありませんか?率直に言いますと、国選弁護人から私選弁護士への変更は可能です。国選弁護人は、国が選んだ弁護人ですので、簡単に変更はできません。

しかし、被疑者家族や被疑者が個人として私選弁護士を探して費用を払って選んだとなると、それまでの国選弁護人は解任されることになります。結果的に新しく選んだ私選弁護士に変更されたことになります。

国選弁護人から別の国選弁護人への変更は不可能

一方で、どんなに現在の国選弁護人に納得できなくても、他の国選弁護人への変更は原則的にできないとされています。したがって、現在の国選弁護人に対して不満があって変更したいようでしたら、費用を払って私選弁護士に依頼するしかなくなります。

初めて代用監獄で知り合いと面会

 以上のような基礎知識を入手して、生まれて初めての経験ですが、世に言う「代用監獄(警察留置場)」で、知り合いと面会しました。

『代用監獄とは、本来は逮捕、拘留された容疑者は、全国に114カ所ある拘留所に収容されるのが法律上の原則。だが実態は、本来「代用」のはずの警察留置場に収容されることがほとんどだ。日弁連は、捜査機関である警察が容疑者の身柄も管理すると「自白の強要などにつながる」と批判。廃止を求めている。一方、法務省や警察省は「取り調べを迅速に行うために必要」と主張。警察は80年以降、捜査と留置管理の担当者を別組織に分け、「冤罪の温床という批判は当たらない」と主張している。』(朝日新聞掲載「キーワード」の解説参照。)

知り合いは、私の顔を見ると安心したのか涙目になっていました。私の話を聞き、本人の意思で国選弁護人に委ねられることになりました。

私も、何時、どこで「逮捕」されかわかりません。今回の件で、新しい知識の箱が一つできました。しかし、そんな「まさか」がないように、様々な法令を可能な限り遵守していこうと思った次第です。

出国税に疑問符あり!~課税と使い方の発想の転換~

「観光立国は地方創生の起爆剤だ。観光先進国にふさわしい快適な良好観光の整備を行う」と安倍首相は先月(2018年2月)22日の施政方針演説で強調しました。

その費用を賄うために税制改正に急遽「国際観光旅客税」、いわゆる「出国税」です。

2019年1月7日以後、日本を出国する人から1回につき1人1,000円を航空運賃などに上乗せ、外国人がインバウンドで日本に訪れるだけでなく、ビジネスかアウトバウンド(海外旅行)かわからない日本人も対象にするらしいのです。これにより財務省の試算では430億円の税収増になるそうです。

税制のあり方の原則は「累進課税」です。この税を導入するならば、例えば、エコノミークラスは運賃の1%、ビジネスクラスは5%、ファーストクラスは10%という具合に経済的にゆとりがある人からは応分な負担をしてもらうべきではないでしょうか。

例えば成田空港発の直行便でニューヨークに行くならばエコノミークラスで片道約13万円、ビジネスクラスなら約55万円、ファーストクラスなら約200万円の料金(HPで検索した料金なので、季節や早割などでかなり変動はあるとは思いますが。)です。すると出国税は、エコノミークラスで1,300円、ビジネスクラスで27,500円、ファーストクラスなら20万円の税負担になります。この方法で税収がいくらになるかはまったくわかりませんが、今まで、ファーストクラスやビジネスクラスを利用していた人が、税負担が大きくなるからといってエコノミークラスに変更することはレアケースだと思います。

また、この税があくまで観光立国にするための目的ならばビジネスで国外に出国する人は、予め入国管理事務所等に申請をしてこの税がかからないようにすべきではないでしょうか。

私は国内線でも国際線でも飛行機を利用した場合に、エコノミークラスしか乗ったことがありませが、国内線でも同様の趣旨で課税をしても良いのではないでしょうか。また、新幹線や在来線特急を利用する人においても同様な課税をすることを検討したらどうでしょうか。仮に新山口から東京ディズーニーランドに遊びに行くとしたら、片道約20,000円で税金は200円です。この200円があるから、東京ディズーニーランドをやめる人はまずいないと考えられます。また、この程度の税金でビジネスの申請はしないと考えられます。

問題なのはその使途です。過去の事例などに見られるように、増税して無駄遣いをすることです。観光振興を名目に従来型の公共事業(はこもの)に振り向けてはなりません。それは公共投資の性格として、動き出したらもうやめられないことと、大手ゼネコンの儲けの温床になるからです。さらに危惧するのは、官僚の天下り先になるおそれもあることです。つまり、費用対効果のないものに税金をつぎ込むことです。例えば今、旬な会社でもある「電通」に効果の少ないパンフレットの作成の仕事などをさせることです。こんな使い方をすると無駄遣いの温床になる蓋然性が高いのではないかと思います。

日本社会の負の遺産として、いったん制度を導入すると既得権益が生まれ、必要性が薄れてもなかなか廃止できずにいる例が多いことは歴史が証明しています。特定財源はその象徴でもありました。出国税を創設するならば、「費用対効果」を不断に「第三者委員会」などを立ち上げて検証し、国会議員が責任を持って毎年見直すことを義務づけるべきだと考えます。そして、いつも、誰も責任をとらないこの国の悪しき「慣習」を断ち切るべきでしょう。

金メダル2個と日本新記録おめでとうございます!~2人の選手の税金はどうなるのか考えてみました~

平昌オリンピックの日本人選手の大活躍、本当におめでとうございました。特に小柄な体を逆に武器にして金メダルを2つ獲得した高木姉妹のお姉さんの菜邦選手に対して、血のにじむような練習を重ねてきたことに心より敬意を表したいです。

ところで彼女は、今回のオリンピックで6,000万円の報奨金を手にすることになりました。内訳は、日本オリンピック委員会(JOC)から金メダル受賞報奨金500万円×2=1,000万円とJOC加盟団体の日本スケート連盟から同額の1,000万円、彼女が所属する日本電産サンキョウから2,000万円、その親会社の日本電産会長の永守重信会長個人からポケットマネー2,000万円です。

まず、JOCからの報奨金は平成6年の所得税の改正で非課税(所得税法9条1項14号)となりました。この背景には平成4年にバルセロナオリンピックで、当時まだ中学生の岩崎恭子さんが金メダルをとって報奨金をもらったことにより課税をされる税制に対し、多くの国民の「かわいそうだ」との声で非課税となった経緯がありました。したがって、この報奨金1,000万円は非課税です。

次に、JOC加盟団体である日本スケート連盟からの報奨金1,000万円は、平成22年の所得税の改正で非課税となっています。

問題は、彼女の所属会社からの報奨金の2,000万円ですが、これは所得税の非課税には該当しません。従業員として法人からもらって報奨金は給与所得に該当します。彼女が所属会社からもらう給与に合算され課税されます。おそらく、所属企業からの年俸はそんなに多くはないと思いますが、2,000万円が合算されると相当多くの所得税の負担となります。また、一年遅れで住民税の課税が待っています。いずれにしても、大きな課税となります。もし、親会社である日本電産からの報奨金となれば、法人からの贈与となり一時課税の対象になり、後述する設楽選手のような算式の課税がされ、給与所得より低い課税となります。

永守会長のポケットマネーからの報奨金は個人から個人への資産の移転となるため贈与税が課税されます。日本の税制では受け取った彼女の方が課税されます。アメリカではあげた方が贈与税を支払うことになっています。贈与税は、相続税の補完税という意味合いを持っているとも言われかなりカーブの高い累進課税になっています。贈与税は、{受け取った金額-基礎控除(110万円)}×税率=贈与税額となります。この算式に当てはめると、2,000万円-110万円=1,890万円×税率(課税所得が1,000万円超の場合は課税価格×50%-225万円)となり、算出税額は720万円となります。

したがって、所得税、住民税(所得控除が所得税より低いですが課税所得の10%が課税されます)、贈与税とかなりの税金の負担となります。

次に、東京マラソンで日本新記録を打ち立てた設楽悠太選手は、日本実業団陸上連盟から1億円という多額の報奨金をもらいました。この制度は、2020年東京オリンピックへの強化策として2015年に創設されました。馬の鼻先に人参をぶら下げるような制度とも言えますが、これが功を奏したのでしょうか。また、これとは別に彼は、東京マラソン2位の賞金と日本記録更新のボーナスとして900万円を手にしています。

これらの報奨金などは日本実業団陸上連盟という法人からの贈与です。法人からの贈与は、個人からの贈与が贈与税になるのと異なり所得税の一時所得の課税になります。税法はなかなか難しいですね。さて、この贈与にはオリンピックの報奨金のような非課税規定がないので、課税上は前述したように所得税の一時所得となります。

一時所得の算式は、総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除(最高50万円)です。なお、一時所得は1/2が総合課税に合算され課税されます。おそらく、その収入を得るために支出した金額はあまり多くはなくまた、算定するのはかなり難しいのではないかと思われます。広義に解釈すれば、今までの陸上人生で支出した金額の合計額となりますが、狭義に解釈すれば、この東京マラソンだけに支出した金額だろうと思います。私見では、後者ではないかと思います。

後者だとすれば、その金額はかなり限定されると思います。仮に、ゼロだとすると、(1億900万円-0円-50万円)×1/2=5,425万円が総合課税の対象となり、彼が所属するホンダからの給与と合算されます。

いずれにしても、大きな課税が待っていますので、納税額を残して使わないと納税する段になってお金がないという事態も想定されます。高木菜邦選手も設楽悠太選手も若いので、お金に対する価値観が随分と違うと思います。くれぐれも無駄遣いをしないで、さらなる高見をめざして奮闘してもらいたいものです。

STEAM(スティーム)から学ぶ~アメリカが近年力を入れている教育方針は~

STEAMとは

Science…科学

Technology…技術

Engineering…工学

Arts…芸術

Mathematics…数学

のそれぞれの単語の頭文字をとったものです。

科学、数学、芸術領域に力を入れる教育方針、教育方法のことです。

元々はアメリカの国家戦略として理数系人材の教育に力を入れる動きが盛んになり注目されました。オバマ大統領が、演説で優先課題として取り上げたことで広まったと言われています。

その背景には、スマホやタブレットなどが飛躍的に普及してきたことによる「論理的思考力の低下」と反対にIT化やAI社会に対応できる理数系の人材の不足から提唱されたのだと思います。

会計事務所業界でも同じで、AI社会の到来で10年後には定形的な作業、例えば記帳、税務申告、また、非常に時間と労力を必要としていた条文と判例の検索と判断などの業務は、無くなるか圧倒的に少なくなるのだろうと思われます。

そこで、必要なのは顧問先様や相談者などの琴線に触れるようなスペシャリスト、つまり「困りごと」の解決や10年後の将来を予測できる力を身につける必要に迫られます。ただ、自分がそうだと思うだけではダメで、相手に納得してもらい、それを実行してもらい、軌道修正のアドバイスができる人材が必要になるのです。

けだし、それは「良い教育はチャンスをつかむ必須条件」だと言われています。

次から次に出る新しい真実!~森友問題の張本人が「国税庁長官」で確定申告は乗り越えられるのか?~

すでに昨年の8月18日付けで掲載したブログで、佐川国税庁長官の就任記者会見をしなかった事実や彼の部下である税務の最前線にいる約5万人の税務職員の苦悩、そして納税者が「今こそもの言うことの重要性」を東京新聞から引用し紐解きながら書きました。それから半年を超え、いよいよ国民の一大イベントである確定申告が今月の16日から始まります。

この間、安倍首相は「国民が納得してくれるように親切でていねいな説明をする。」と言葉では発しながら、その疑惑には「だんまり」を一貫して通しています。そういう意味では、「ぶれない」精神力を持った御仁だと思いますが、別の角度で言えば「安倍一強政治」のなせる技だろうと思います。

財務省は3月9日、学園との交渉内容がわかる新たな20件の文書を国会に提出しました。「記録は廃棄した」という答弁は虚偽だったことがますます深まりました。野党の国家での「辞任要求」に対しても、虚偽答弁をした佐川宣寿(のぶひさ)氏の国税庁長官への任命は「適材適所」だとうそぶき多くの国民の怒りを買っています。

ところで私たち税理士の業界新聞に「税のしるべ」というものがあります。その1月8日号に佐川長官に対するインタビュー記事が掲載されていました。氏は、税のしるべの「29年分の確定申告に向けた納税者へのメッセージについて」という問の中で、税制改正で医療費控除の方法が変わることに対し「~医療費の領収書については、確定申告期限等から5年間自宅等で保管していただく必要がありますので、ご留意願います~」と答えています。開いた口が塞がりません。国会での答弁と180度違います。佐川長官の頭の構造はどうなっているのか私みたいな浅学非才な者にはわかるはずもありません。

ところで、2016年3月頃に行われた土地取引の責任者である佐川前理財部長の前任者は迫田秀典氏(いわば実行犯)で、その後佐川長官と同じように、国税庁長官に就任されていました。この御仁は、下関市豊北町出身で、山口高校から東京大学法学部、そして旧大蔵省に採用された超キャリア官僚です。私より二つ若い1959年生まれです。

その後、2017年7月の人事で国税庁長官が佐川氏になるのに合わせて財務省を退職されています。キャリア官僚は自分の同期が事務次官(各省庁の事務方トップ)になったら辞職するという慣例になっているそうです。新しく財務事務次官に就任された福田淳一氏は迫田氏の同期です。その慣例に従って退職されたと思われます。そして、今年の1月8日にTMI総合法律事務所という知的財産権が得意な大規模弁護士事務所(弁護士数は200人を超)の顧問に就任されています。

国会では、佐川長官の虚偽答弁のことはかなり追求されていますが、私は実行犯である迫田元理財局長のことも追求すべきだと思います。そうすると、民間人になった前川喜平前文部科学省事務次官のような答弁が得られるかもしれません。このままでは、「スルリ」と交わされる蓋然性が高いと思います。発想の転換をしてみることも有益かと個人的には思いますが、皆さんはどう思われますか?

安倍総理のお膝元のご当地、下関市の復活の鍵を考える

安倍晋三総理は、東京生まれの東京育ち、本籍は長門市にあるので厳密に言えば直接のお膝元とは言えませんが、選挙区の主たるところが下関市ですので「ご当地」と表記します。

下関市は、かつては鯨をはじめ水産業の基地として発展してきました。1950年からわずか3年ですが、大洋ホエールズの本拠地がご当地にありました。その後、捕鯨禁止になった影響は少なくありませんが、現在もフク(下関では幸福の福にかけてフグと濁りません)の集積地として有名ですし、アンコウの水揚げも日本一です。できれば、国策として、捕鯨の解禁を強く国際的にアピールして欲しいものです。現に、鯨の捕獲をしなくなって生態系に悪影響が出ています。

また、関門国道トンネルができた1958年までは、関門海峡を隔てた門司との連絡港としての役割も果たしていました。また、関門海峡を隔てて隣接する北九州市との関係もあり、工業都市でもあります。

観光資源(旧下関英国領事館、日清講和記念館、赤間神宮、功山寺、城下町長府、唐戸魚市場、海峡ゆめタワー、しものせき水族館、巌流島、角島など)の宝庫でもあります。

現在、下関市の人口は2017年12月で26.6万人となっています。しかし、1市4町が合併した2005年2月には瞬間的に30万人を超えて、同年10月には中核市になりました。現在中核市は、全国で48市ありますが、最近中核市になった人口22.3万人の呉市(2016年)や22.7万人の八戸市(2017年)を除くと26.0万人の函館市(下関市と同時期に中核市となりました)と同規模で下位から4番目です。今後も、少子高齢化の影響で大幅な人口減少が見込まれています。下関市と同じように水産資源と観光が主な産業として成り立っている北海道最南端の函館市と本州最西端の下関市は同じような構造を抱えている典型的な衰退していく地方都市の代表格と言えると思います。

水産業も工業も観光も人口減少と同じで衰退の一途です。商店街はシャッター通りと化しています。

私見ですが、今、日本は東京を中心として2020年の東京オリンピックに合わせるようにインバウンド効果でホテルの確保がままならない状況です。ここ下関も、「旨い魚が食べられる街」「様々な観光が楽しめる街」を全面に出して、国外からも国内からも観光客が呼べるような観光都市になるような街づくりにフォーカス(特化)してはどうかと考えます。しかも、「はこもの」ではなく「おもてなしの心」つまり、ハードからソフトへのパラダイムシフト(劇的な発想の転換)が必要だと思います。そうなると、語学堪能なボランティアガイドの育成や既存の観光資源のブラッシュアップ(さらに磨きをかける)や眠っている観光資源の掘り起こし、交通アクセスの整備など考えることがいっぱいあると思います。

私は、山口市の住人ですが週の内およそ4回は下関に通勤している、いわば「よそ者」かもしれません。ただ、余りにも「もったいない」と考える次第です。

自治体の地方創生が失敗する3つの理由(12月31日掲載)を総括し、下関市に「当てはめ」をすれば、帰結として「観光都市」へのパラダイムシフトが「解」になるのではと考える次第です。

ドイツの付加価値税(VAT)について~現地で見聞して改めて制度の違いを感じました~

年末から年始にかけて、二女が働いているドイツに行ってきました。その文化の違いを体感しましたが、その中でも付加価値税(消費税)のことについて報告します。

標準税率は19% です。軽減税率は7%で、非課税に該当するものがあります。

軽減税率の対象品目 は、食料品、水道水、新聞雑誌、書籍、旅客輸送、宿泊施設の利用等 です。また、非課税のものは、不動産取引、不動産賃貸、金融・保険、医療、教育、郵便等 があります。

注1)食料品は基本的に軽減税率が適用されますので、高級食材のトリフ、キャビア、フォアグラなどが7%の軽減税率となります。また、ペット用のクッキーが7%の軽減税率なのに人間が食べるクッキーは19%の標準税率です。矛盾していますよね。

注2)食料品の中でもチョコレート飲料も標準税率ですし、ハーブティーでも成分によって標準税率のものもあれば軽減税率のものもあります。ドイツ人は内税方式にすっかりなれているので何が標準税率になるのか、軽減税率になるのか意識をしていません。どんなものが標準税率か、軽減税率なのか、非課税なのか、その適用区分についてはカオスな感じです。

注3)水道水は軽減税率ですが、ペットボトルの水は標準税率です。因みにほとんどが硬水の炭酸水です。また、いったんデポジットが加算され、スーパーなどのリサイクルBOXで処分すればデポジットが戻ってくるシステムです。ペットボトルは、ほとんどが1.5リットルなので買い物の際はとても重たくなります。

注4)ホテル代は軽減税率が適用されますが、ベルリンでは別途5%のホテル税が課税されます。他の地域でもホテル税が課税されているところ(例えばドレスデンなど)もあります。

注5) ビールは、0.5リットルの瓶ビールは一本65セント(約88円)前後。これに8セントのデポジットが加算され、瓶を返却するとお金が返ってきます。ビール税も、0.5リットルあたり4.3セント(約6.5円)と格安(ビールの種類、醸造所の規模により幅があります)。日本では0.5リットルあたり約111円。ドイツの約17倍の税金が課されています。ビールは16歳から飲酒が許されています。またアルコール度数が高いワインは18歳からです。因みに、トイレはほとんど有料ですが、その料金は1ユーロ(約135円)が平均です。

注6)何より注目したのが、ドイツでは標準税率が19%で国税収入に占める付加価値税の割合が30%強であるのに、日本の消費税のそれは29%強であることです。もし、税率の引き上げが予定通りされたら、その割合はドイツを超えてしまします。現在ドイツでは、標準税率を引き下げる変わりに軽減税率を廃止するという論調が高まっているそうです。

さて、わが国では来年10月より消費税を10%にし、軽減税率するという既定路線がありますが、消費マインドがあがらない昨今の経済情勢下で増税をすべきかどうか、また、仮に増税しても僅か2%しか差がない軽減税率を適応すべきか大いに論議すべきです。

自治体の地方創生が失敗する3つの理由

安倍政権がアベノミクスと並ぶ看板政策としている地方創生。全国各地でさまざまな地方創生策が打ち出されていますが、そのほとんどは失敗に終わっていま す。鳴り物入りで進める地方創生策はなぜ、うまくいかないのでしょうか。大きく分けて3つの原因が足を引っ張っているように感じます。

(1) 自治体の個性を消す横並び意識

その第1が自治体の横並び意識です。全国の都道府県、市区町村が急激に進む人口減少と高齢化の中、地方創生総合戦略策定しています。それぞれの地域をどうやって発展させていくか、各自治体が知恵を絞っているわけですが、盛り込まれた内容はIターンの受け入れ、特産品のブランド化、訪日外国人観光客の受け入れなどどこかで聞いたことがあるものばかり。ところどころにうまいキャッチフレーズが入っていても、目新しい中身は見当たりません。

総務省のホームページに掲載されたふるさと納税の返礼品も同じです。どの自治体の返礼品もお得感のある特産品がずらりと並びます。肉や水産物など目玉となる返礼品は違っても、特産品で釣り、寄付金を集めようとする発想は共通しています。横並び意識が個性発揮の邪魔をしていることは間違いないでしょう。

移住者の受け入れで先進地とされる島根県海士町、昭和30年代の商店街を再現して観光地となった大分県豊後高田市は、地域の歴史や自然、風土を地元の人たちが最大限に生かして地方創生策練り上げました。地道な努力を忘れ、どこかの成功例と似た施策を打ち出したところで、成功につながるはずもないのです。

施設建設から商品開発までありとあらゆる計画をコンサルタント会社に外注する自治体の姿勢も、この傾向を助長しています。オリジナリティに欠けたパクリの地方創生策が通用しないことを肝に銘じなければならないでしょう。

(2) 学ぶべきは過去の失敗例

第2の問題点は過去の事例から学んでいないことです。といっても政府やコンサルタント会社が宣伝している各地の成功例を学べといっているのではありません。学ぶべきなのは失敗例なのです。

青森県青森市は中心部に都市機能を集約するコンパクトシティ構想を掲げ、JR青森駅前に2001年、商業施設や公共施設が入った再開発ビルを開業しました。一時はコンパクトシティの先進地として注目を浴びましたが、客足が伸びずに2008年、事実上の債権放棄に陥っています。

中心市街地の再開発を望むなら、こうした失敗例を徹底的に研究しなければ、同じ過ちを犯すでしょう。失敗例を精査し、その原因を自分たちの計画に当てはめて考えれば、問題点が目に見えてくるはずです。

地方創生はどこかが成功すれば、別のどこかが影響を受けて廃れていく椅子取りゲームのようなものです。勝者はほんのひと握りしかいません。「予測が外れた」「状況が変わった」などと後で言い訳せずに済むよう失敗例から徹底的に学ぶ必要があるのです。

(3) 地域に不可決なリーダー育成

3つ目は地域を引っ張る民間のリーダーを育てることです。

長野県小布施町を観光の町として活性化させ立役者は、セーラ・マリ・カミングスさんという米国人女性でした。徳島県上勝町で木の葉を和食の飾りとして販売する葉っぱビジネスを成功させたのは、徳島県徳島市出身の農協職員横石知二さんです。

最終的に事業を動かし、地域に元気を与えるのは地元の人たちにほかなりません。自治体がいくら補助金を積んだところで、補助金が打ち切られればその効果は失われます。

カミングスさんや横石さんは自ら率先して地方創生に取り組み、自治体が後からついていきました。

自治体主導で地方創生策を進めるのなら、カミングスさんらに代わりうる地域のリーダーを同時に育てなければなりません。どれだけ立派な施設を自治体が整備しても、地元の人たちが積極的に動かない限り、その計画は失敗します。

世の中を変えるのは「よそ者、若者、変わり者」だといわれます。そういう人物を地域で発見するか、呼び込んで、リーダーに育てることが本当に大切なのです。多くの自治体はこの点を見落としているように感じてなりません。

※政くらべ 2016年1月9日 より引用

ここにも監視型社会が~税理士だって監視されている~

弁護士の場合は、弁護士自治により、弁護士会や日弁連が懲戒権を持っています。ところが、税理士の監督は税理士会、日本税理士会連合会、税務署、国税局、国税庁が担当しています。広島国税局に対応する中国税理士会は約3,000人の会員を擁していますが、以前はその監督役として税理士監理官1人でした。その後、総務課に税理士専門官を配置し、2名体制になりましたが、現在では、もう1名増員して3名体制で税理士も管理されています。

その管理は、税理士システムで行われています。「税理士システムは、税理士等に関する情報を管理することにより、税理士制度の適正な運営確保を図ることを目的とする。」と明記されています。「税理士システム事務処理要領(税務署用)の制定について(事務運営指針)」(官総-83、官参5-2 平成20年6月27日付)の冒頭のシステムの概要のところで記載されています。

事務運営指針は、「事務処理の範囲」のところで、税務署において「税理士システム」を行う事務として(1)入力事務、(2)検索・照会事務、(3)帳票出力事務が掲げられています。

興味深いのは、(1)入力事務として、①税理士会支部の役職歴情報入力②文書情報入力③税理士等の関与先・使用人情報入力④税理士等の指導監督状況入力があります。同じような内容が、 (2)検索・照会にあるにかかわらず、(3) 帳票出力事務にはこれらが掲げられていないことです。

さらに、(1)②の文書情報入力として「附加情報メニューの文書情報更新画面において、指導・監督等を行う上で参考となる情報を文書(全角600字以内)で入力とするとあります。いわゆる定性(個人)情報、例として税理士等情報連絡せんの情報、調査等で把握した情報、部外情報等」とあります。

残念なのは、これらの内容が帳票出力されないので、非公開情報として、開示請求がかなわないことです。こういう現象を「情報の非対称性」と言うのではないでしょうか。つまり、一方(国税局)がそれぞれの税理士の情報を所有していて、仮にその情報が誤りであったとしても、もう一方の当事者(税理士)には、それを正す権能さえないことです。

日頃から税理士の社会的使命を全うしようと努力している会員からすれば、自浄効果が期待される内容(税理士が税務当局から、どのように判断されているか。)が開示されず、不意に懲戒処分されるのではないかという一抹の不安が払拭できないのが私の思いです。

税理士には、税理士法第1条においてその使命が規定されています。それは、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場」において、「申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ」、租税に関する法令に規定された「納税義務の適正な実現を図る」ことです。

このため、税理士には様々な義務と責任が課されており、これに違反した場合には、懲戒処分等に付す規定が設けられています。

税務当局が作成した資料から、非行事例に以下のものがあります。

1 脱税相談等

2 故意による不真正税務書類の作成

3 過失による不真正税務書類の作成(相当の注意を怠った場合)

4 自己脱税

5 多額かつ反職業倫理的自己申告漏れ

6 業務懈怠

7 その他反職業倫理的行為

8 2か所事務所設置違反

9 使用人等に対する監督義務違反

当然ながら多くの税理士には心当たりのないことばかりと思いますが、実際、私たちは税務当局からどのように見られているのでしょうか。

「独立した公正な立場」を堅持しながら、マイナンバー等これからも法令の遵守がますます求められる立場として、税理士システム等の開示請求がなされることで、「自律・自戒に基づき適正な業務遂行に励める」環境づくりがなされていくことを強く望みます。

監視型社会と人権を考える!~税法にも忍び寄る内心の自由の侵害~

IT型社会の進展に伴い私たちの暮らしは飛躍的に便利になっています。多くの事業所でも家庭でも監視カメラを置いています。弊事務所でもわが家でも管理システムで守られています。スマホのGPS機能を使えばカーナビの代わりになります。また、超方向音痴の愚妻は道案内に便利に使っています。このように私たちの生活は安全になり、そして便利になりました。

でも、こうした情報を誰がどのように管理しているのでしょうか?私たちが知らない間にその情報が利用されているかもしれません。どこもかしこにもある監視カメラで警察は犯人を割り出すのに役に立っているのかもしれませんが、冤罪を起こす可能性もあります。現に、山口県長門市のパチンコ店で女性が財布を盗んだとして警察に逮捕されました。それはたまたま店内の防犯カメラに彼女がその財布が置かれていた隣の席で遊んでいた姿が映っていたからでした。そのため、新聞にも大きく載り、警察にも8日間拘留されました。それが「誤認逮捕」とわかったのは店内のゴミ箱から財布が見つかり、それも防犯カメラに映し出された映像からまったく別の人物だったことがわかりました。「自分が取ったと言えば楽になると思った。」と報道もされました。もし彼女が警察の厳しい取り調べに屈服していたら、またまた冤罪を引き起こす可能性もあったのです。

「テロを未然に防止する」という名目で「盗聴法」「共謀罪法」が強行採決されましたが、「共謀罪法」が施行されているフランスでもテロは未然に防げていません。こうした個人の内心に踏み込むものが国税通則法改正に伴い来年3月から施行されます。改正通則法の126条には「扇動罪」なる規定が盛り込まれました。126条は「納税義務者が国税の課税標準の申告をしないこと、虚偽の申告をすること又は国税の徴収若しくは納付しないことを扇動した者は、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。2項は、納税者がすべき申告をさせないため、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。」と規定しました。

「扇動」とは、「そそのかすこと。おだてたりあおりたてたりして、ある行動を起こすようにしむけること。アジテーション。教唆。」(日本国語大辞典より)と言う意味です。そうなってくると、税理士業務にも多く影響する可能性もありますし、ましてやこの中身を知らない人は処罰される危険性を孕んでいます。

また、この法律が「共謀罪法」の277ある対象犯罪の中の、地方税法、関税法、所得税法、法人税法、消費税法(なぜか相続税法が入っていません。富裕層に対する忖度なのでしょうか?)とリンクしているのではないかと思えて仕方ありません。

いずれにしても、これらの「内心の自由」に深く入り込んだ法整備は、戦前の最悪の法律と言われた「治安維持法」を彷彿させます。こんなことが、政府の手で着々とやられていくことに恐怖感を覚えます。ドイツの神学者ルター派の牧師、反ナチ運動家でもあるマルティン・ニーメラー牧師の言葉に「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから。社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。私は社会民主主義ではなかったから。彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は労働組合員ではなかったから。そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。」と名言がありますが、この国の進む方向がこれで良いのかもっと論議を重ねないといけないと思います。