カテゴリー: 経営環境

高市内閣の高い支持率から考えました~どうする、どうなる他の高い世論~

各種世論調査で高市内閣の支持率は約7割と高い支持率を維持しています。この数字は石破内閣の支持率の約3割を大きく上回るものです。この高い支持率は、第1次安倍内閣を超えて歴代5位の高さとなっています。特に若年層や男性からの支持が伸びており、全体を押し上げています。

その人気の秘密は、彼女の「働いて×5」発言や、トップダウン手法による政策決定、ガソリン税の暫定税率廃止や所得税の控除拡大の実現などが寄与しています。一方で、積極財政に伴う日本国債の信頼性低下への不安、円安傾向の継続による物価高の加速と賃金上昇が追いつかない構図の悪化、利上げによる住宅ローン金利上昇などによる家計圧迫などが今後の足かせになると言われています。

また、政治の右傾化が加速していることも懸念材料です。自民党の連立相手が公明党から日本維新の会になりました。日本維新の会は、公明党より右寄りであり、ブレーキ役というよりも、アクセル役に回っています。

高い世論調査で言えば、消費税減税です。近時の物価高のなか、約7割の国民が支持しています。昨年の参院選挙では、自民党以外の政党が公約に掲げました。与党になった日本維新の会は先の参院選で、食料品を2年間ゼロ税率にすると言うことを公約に掲げていました。

同党の吉村代表は最近の発言で、物価高対策として食料品にかかる8%の消費税を「ゼロにするべきだ」と述べました。高市首相も以前は「国の品格として食料品の消費税は0%にすべきだ」と明言していました。

夫婦が同じ名字にするか別々にするか、自由に選べるようにする「選択的夫婦別姓」については、賛成が約6割を超えています。年代別では18~29歳で賛成が約8割となっています。日本弁護士連合会の調査では、95カ国で「夫婦別姓」が法制度化されていて、特に中国や台湾、韓国、北朝鮮などのアジア各国では、原則的に「夫婦別姓」で同姓を選べない法制度となっています。

婚姻しても婚姻前の氏を保持することを認めるという方向性は、世界共通の流れになっています。ところが日本は、これまで国連から選択的別姓制度を導入するよう4回にわたり勧告を受けていますが、いまだ実現されていません。

天皇の皇位継承などを定めている皇室典範を改正して、女性の天皇を認めることに、約8割の人が賛成しています。多くの国民は天皇、皇后の一人娘の愛子さんに敬意を抱いています。しかし、これまでの皇位継承のルールではただ「女性だから」というだけの理由で、天皇になる可能性があらかじめ除外されています。

皇位継承が男系男子と定められたのは、明治時代です。それまでは8人の女性天皇がいました。時代錯誤としか思えないルールです。急がないと、愛子さんが結婚したら現行制度では皇室を離れることになります。

物価高対策として有効な消費税減税の実施、男女の尊厳を取り戻すための選択的夫婦別姓の創設、時代錯誤の皇室典範の改正、いずれも高い国民の支持があります。

高い支持率の高市政権だからこそ、旧態依然とした自民党の意向に盲目的に従うのではなく、首相自らよく考えて、民意に沿った方向に大きく舵を切るべきです。

富裕層課税はさらに強化すべきです!!~理想の形は、分離課税でなく総合課税です~

自民党と日本維新の会は2026年度与党税制改正大綱で、年間所得額が1億円を超えると税負担率が下がる「1億円の壁」の是正に向け、2027年から超富裕層への課税を強化する方針を打ち出しました。追加の税負担を課す年間所得の基準を現行の30億円超から6億円超に引き下げ、対象者への適用税率も22.5%から30%に引き上げるという改正です。会社員などの給与所得などにかかる所得税は金額に応じ、住民税も合わせた税率が段階的に55%まで上がります。

一方、株式の配当や売却益などの金融所得は、一律20%の分離課税のため、金融所得の割合が高い超富裕層の所得税の負担率が下がる問題が指摘されています。今回の見直しでは、年間所得の基準を6億円超に引き下げ、200人程度とされる追加課税の対象者を2,000人程度に広げます。政府は、不公平な税負担率の解消を進めるため、2025年にも年間所得30億円超の人を対象に課税を強化していました。

あまりにも高額所得者を優遇しているという現在の課税のあり方を是正するという意図なのでしょうが、「1億円の壁」の是正なら、富裕層課税は1億円からにすべきです。今般の改正は、富裕層に対する忖度なのでしょうか。

そもそも課税のあり方は総合課税と分離課税があります。総合課税では、各種所得を一定の方法で合算したうえで、所定の税率によって税額を計算します。所得税においては5~45%の累進税率、住民税は原則10%の税率が適用されます。一方、分離課税では、所得の性質に応じて税率が設定されており、その税率をかけて個別に税額を計算します。

なぜ分離課税という仕組みがあるのでしょうか。 分離課税は、特定の所得、例えば長期保有の土地の譲渡などを、他の所得と合算せずに独立して課税することで、一時的に大きな所得が発生した場合でも他の所得と合算されることによる高い税率の適用を避けることができます。また、特定の所得に対してあらかじめ税率が定められているため、納税者は税額を予測しやすくなります。さらに、特定の経済活動、例えば株式市場の活性化を促進するための政策的な意図も含まれるとされています。

もとより、社会保障政策などに使われる税金には、高額所得者層から高い税金を徴収して生活の苦しい低額所得者層に公的福祉サービス(公的扶助)を提供するという『所得の再分配機能』があります。徴税と公的サービス(社会保障政策)による『所得の再分配』は、国民の間にある不公平感や経済格差の行き過ぎ(富の偏在)を和らげる効果を持っています。

しかし「1億円の壁」は、この不公平感を和らげるどころか、反対に助長しています。はたして、株式の配当や売却益には分離課税を適用すべきなのでしょうか。むしろ、税の公平の観点からすると、富裕層の課税強化という意味合いだけでなく、誰もが公平に税を負担する観点からも、総合課税に移行すべきではないでしょうか。

元々、株式の配当や譲渡は不労所得です。働いて得られる所得(勤労所得)より、不労所得の方が優遇されているのはおかしいのではないでしょうか。年明けの国会論戦に注目しています。

働き方改革を今すぐに!!~短時間正社員という働き方~

その年の世相を表す言葉を決める「新語・流行語大賞」の年間大賞が12月1日発表されました。年間大賞は、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が選ばれました。

自民党新総裁に選出された際に決意表明したものですが、衆院予算委員会に臨むにあたって、首相が秘書官らを集めて午前3時から公邸で勉強会を開催したのはその決意の一端なのでしょうか。表彰式の挨拶で「賛否両論いただいた。日本国の国家経営者としては何としても皆様方に貢献したい、そんな思いがあった。働き過ぎの奨励や長時間労働を美徳とする意図もありませんので、誤解なきよう」と早苗スマイルで話しました。

日本ではかつて新卒で正社員になり、定年まで同じ会社で働くのが一般的でした。しかし、バブル崩壊やリーマンショックを経て、その状況は一変しました。総務省の調査などの統計を見ると、パートやアルバイト、派遣社員などの非正規社員が占める割合は、労働者の4割近くを占めます。労働者間で、正規・非正規で大きな格差が生じています。

このような雇用環境の中で、「短時間正社員」という働き方が今、注目されています。この働き方は、期間の定めがない無期雇用でありながら、働く時間を抑えられる制度です。給与や福利厚生などは正社員に近く、働く時間は事情に合わせて短くできるのが特徴です。医療・介護、スーパー、運送など、導入する業界は少しずつ広がり始めています。企業によっては、短時間正社員が働く意欲の向上につながったという報告もあり、制度が単なる“時短の枠”ではなく、キャリアを前向きにするきっかけにもなることが見えてきました。

12月1日のNHKクローズアップ現代でこの制度を報道していました。この問題の専門家である田中洋子筑波大学名誉教授が紹介したデータでは、主婦を対象にした調査で65.9%が「短時間正社員で働きたい」と回答する一方、制度を導入している事業所は15.9%にとどまっています。ニーズはあるのに広がらない背景には、既存の就業ルールの見直し・人件費アップへの懸念・社員間の不和を心配するなど企業側の不安がありました。

制度を採り入れた企業からは「導入してよかった」という意見が多いと田中名誉教授は話し、企業が一歩踏み切れるかどうかが大きな分岐点になっていることが番組を通して伝わってきました。

また、田中名誉教授はドイツの例も紹介しました。2001年に成立したパート法では、働く人が「短時間正社員を選択する権利」を持ちます。誰でも自分に合った働き方を選べる仕組みであり、今では働く人の約4割が短時間正社員という状況だそうです。さらに、短時間正社員が増えれば増えるほど、一人当たりの生産性は高くなることを紹介されていました。制度が定着すれば、働く人の選択肢が広がるだけでなく、企業側にも新しい人材戦略が生まれる可能性があります。番組では、日本企業の今日の課題を乗り越えたケースとして、制度の導入が経営判断としても有効だと紹介されていました。

少子高齢化で労働人口の減少が大きな課題となっています。「短時間正社員」の定着がこの国の大きな変革をもたらすのではないでしょうか。新語・流行語大賞に選ばれた高市首相には、この制度の普及を働き方改革の一環として抜本的に進めてもらいたいと思います。

日本維新の会、藤田共同代表は、いさぎよく議員辞職すべきです!!~ビラ印刷をめぐる「税金の環流疑惑報道」について思うこと~

ビラ印刷をめぐる疑惑について「しんぶん赤旗日曜版」が10月29日にその電子版で、「藤田共同代表が2つの政治団体から、公設第一秘書が代表を務める兵庫県内の会社にビラやポスター印刷の名目で2017年6月から2024年11月の約7年半に合計約2,100万円を支出し、そのうち9割超が調査研究広報滞在費など公金からのもので、さらに同氏の秘書がその会社から報酬を受け取っていたため『公金が環流した構図』である」と報道したと11月5日付の朝日新聞が伝えました。

さらに同紙は、11月13日付けで「髙市早苗首相が派閥の裏金問題で野党の追及を受けるなかで、同氏が『政治とカネ』の対応に追われている。問題が長期化すれば、政権運営の打撃になるだけでなく、両党の関係にも影響を与える可能性がある。同氏は12日の記者会見のなかで、『しんぶん赤旗の日曜版』の報じたものは、『報道ではなく政治的主張』と反発。しんぶん赤旗日曜版の記者の名刺を自身のSNS上で公開した。

こうした経緯に、自民問党幹部は『名刺を公開すればさらに問題になるだけだ』と指摘。別の幹部は、秘書が代表の会社に発注する行為そのものに『自分の感覚では信じられない話だ』と語った。『同氏の政治資金問題の解決が先』(閣僚経験者)との声が上がり、維新の要求がトーンダウンするとの見立てが広まる。」などと報道しました。

しんぶん赤旗日曜版11月2日付けは、「神戸学院大学上脇博之教授は、藤田氏は公設秘書について『友人』でビジネスの『パートナー』と言っており、利益供与も疑われます。維新は『身を切る』と言うが、今回のケースは税金の“私物化”で、言行不一致と言わざるを得ない』と批判しています。さらに、法人登記簿に記された目的欄に印刷業は含まれてなく、本店所在地は、不動産登記簿によれば、部屋の所有者は公設第一秘書とその妻とみられる人物です」と報じています。

さらに同紙の11月9・16日付け合併号では「維新が公開している調査研究広報滞在費の使途報告書によると公設第一秘書が代表の『株式会社リ・コネクト』が『藤田文武事務所』宛てに発行した5万円以上の手書きの領収書17枚にはすべて収入印紙が貼り付けてありませんでした。

他方、同社以外が発行している同様の領収書には、いずれも収入印紙が貼り付けてありました。税理士の浦野広明氏は『印紙が貼られていない領収書の存在は、藤田事務所と秘書の会社が、通常ではありえない、なれ合いの関係だったことを示している』と指摘」と報じています。まさに、疑惑のオンパレードです。

こうした最中、藤田共同代表は4日の衆院代表質問で、自民党と新たに連立を組む与党として高市早苗政権を支える姿勢を強調するとともに、国家観や安全保障政策などを共有する保守勢力が結集したとして日本の政策の「夜明け」だ、と訴えました。

「夜明け」とまで豪語するのだったら、自ら「身を切る改革」として、一連の疑惑の真相の説明をして、日本維新の会の共同代表を退くだけでなく、いさぎよく議員辞職をすべきではないでしょうか。それこそが、「政治とカネ」の解明の「夜明け」と言うべきです。

議員定数の削減の前にやることがあるでしょう!!~消費税減税と企業・団体献金禁止が優先課題です~

10月21日に高市早苗内閣が発足しました。毎日新聞が25、26日に実施した全国世論調査で、高市内閣の発足時の支持率は65%で歴代7番目となる高水準を記録しました。政策面では、物価高騰対策や景気対策を望む声が多く、論戦が本格化する臨時国会で着実に実績を残せるか、少数与党として今後の政権運営のカギになります。

高市内閣の発足にあたり、10日に公明党の斉藤鉄夫代表が連立離脱を表明しました。自民党の裏金問題に端を発した「逆風」は、地方に至るまで両党の間に深い溝をつくっていたからでした。こうして、四半世紀にわたって続いた自民党と公明党の連携に終止符が打たれました。一方、自民党と日本維新の会の連立協議が始まって、わずか5日あまりで、両党は20日、連立政権を樹立することで合意しました。ただ、維新は閣僚や副大臣、政務官を出さない「閣外協力」を選びました。7月に実施された参議院選挙での民意は、消費税の減税と裏金問題の透明化でした。ところが、維新は、消費税減税と企業・団体献金の禁止は棚上げと先送りにしています。

さて今年は、10月から値上げの秋になっています。飲食料品は3千を超える値上げです。国民の暮らしはますます厳しくなっています。物価対策としての消費税減税は待ったなしです。高市首相は参院選前までは食料品の消費税0%を主張していましたが、高市氏は首相になったら、物価高対策として「即効性はない」、レジ対応で「1年くらいかかる」と見解を変えました。しかし、消費税減税は「逆進性の強い税」であることから、即効性はありますし、他国の付加価値税減税までの期間をみても、わが国でも国会で決めさえすれば、長くても3ヶ月程度の準備期間で減税は実施できます。消費税減税は「焦眉の急」です。

維新は、企業・団体献金の禁止を拒む自民党に譲歩して先送りにして、突然、議員定数の削減を持ち出しました。維新は参議院選挙の公約として、企業・団体の禁止を掲げていました。ところがその公約を、高市氏の自民党総裁としての任期の「2年以内に結論」と後退させました。金権政治の温床をそのままにするというのは大きな後退です。維新が主張する「身を切る改革」と言う言葉は一見「聞き心地が良い」ですが、それを言うならば、議員定数削減より政党助成金の廃止を主張するのが本筋ではないでしょうか。

現在、衆議議院の定数は465人で、小選挙区で選ばれた289人と比例代表で選ばれた176人で構成されています。しかし、維新の主張によると、比例代表の枠だけが対象です。比例代表は、中小政党など多様な意見を国会に反映させる仕組みです。換言すれば、比例定数の削減は大政党に有利で少数政党は淘汰され民意の反映はますます遠ざかります。

小選挙区比例代表並立制が導入された1990年当時、小選挙区と比例区の定数按分比率は3対2でした。それをないがしろにして、比例だけを削るのは問題があります。必要なのは、議員定数ありきではなくいかに国民の多様な意見を取り入られる選挙制度です。

高市首相、今やるべきは民意である消費税減税と企業・団体献金の禁止です。高支持率になっているのは、高市氏がこうした民意を叶えてくれるという期待感からだと思います。

3つの壁を乗り越えて共生できる社会に!!~参政党の躍進の中で考えたこと~

7月20日投開票の参議院選挙で参政党は大躍進を遂げました。14議席を獲得し、一挙に議席数を増やしました。これにより、参議院内で単独会派を組んで法案提出権を得る要件(10議席)も満たしました。結党(2020年)後、初めての大躍進で、参院選全体でも自民党、立憲民主党、国民民主党に次ぐ第4位の獲得議席数となりました。

その主張の最大のものは、「日本人ファースト」で、その本質は「排外主義」です。その基本的な考え方は、外国人を排斥するものです。専門家は、「民主主義への脅威」「社会分断の促進」「人権意識の後退」につながるのではないかと警鐘を鳴らしています。

この背景には、人口減と高齢化で、15歳~64歳の生産人口の減少の中で、外国人の割合が急速に高まっていることが要因です。政府は2040年までにその割合が10%を超えることも想定しています。そうは言っても、日本における移民の割合はまだ少なく、主要7カ国の20年の総人口に占める「移民」の割合は、カナダ21.3%、ドイツ18.8%、アメリカ15.3%、イギリス13.8%、フランス13.1%、イタリア10.6%、日本2.2%となっています。

移民の流入増加は、欧州各国では、右派ポピュリストや極右政党の躍進につながっており、一部で政権を主導したり、連立に参加するケースもあります。またわが国では近年、SNS上で外国人に関する誤った情報が広がり、外国人への嫌悪を煽るものも散見されます。

こうした状況の中で、8月20日付けの朝日新聞に大変興味ある記事が載っていました。『瀬戸内の島には今、「三つの壁」がある。広島県江田島市の土手三生(さんせい)市長は8月上旬、地域の実情をこう表現した。「先入観の壁、価値観の壁、言葉の壁。日本人市民の心の中にある壁を取り除くには、課題はある。バラ色ではない。でも、外国人の力を借りないと成り立たない。」

背景には、市内のカキ養殖会社で12年前、中国国籍の技能実習生が社長ら2人を殺害、7人にけがを負わせた事件がある。~中略~事件当時、約520人だった市内の外国人は約950人と倍増したが、人口全体は約6千人減って2万265人に。外国人の割合が急増している。国勢調査(2020年)をもとに試算すると、カキ養殖を含めた県内漁業の20代の担い手は、ほぼ外国人という計算となる。~中略~市が21~22年に行った市民調査では、外国人の6割が日本人と「積極的に関わりたい」と答えたが、同様の回答をした日本人は6%だった。市は18年に国際交流協会を設立し、日本語教室を無料で開くなど交流を図っている。土手市長は「外国人と日本人が共に生活をしている実態が現にある。共生するために、顔と顔が見える関係を作っていきたいと」と話す。』考えさせられる記事です。

受け入れ国と移民が、お互いの努力で統合を図る「社会統合」の必要性があります。一方的に外国人に同化を迫るのではなく、受け入れ国は差別や障壁のない環境を作り、外国人は受け入れ国の言語やルールを学ぶ、簡単ではありませんが、今次の日本の問題解決には必要不可欠の課題です。「真の共生社会」の実現には「3つの壁」の双方向での克服が必須です。

山口宇部空港に自衛隊がやってくる!!~私たちの生命や安全が脅かされる?!~

NHKオンラインは『山口宇部空港で自衛隊の訓練などが円滑に行えるように、国が「特定利用空港」への指定を検討していることをめぐり、村岡知事は8月7日の定例会見で「特定利用空港の指定を受け入れる」と国に回答したことを明らかにしました。

「特定利用空港」は、自衛隊や海上保安庁の航空機の訓練などが円滑に行えるように国が指定するもので、これまでに全国11の空港が指定されています。

村岡知事は、受け入れを決めた理由として、自衛隊や海上保安庁が訓練を行うことを通じ、大規模災害時の住民の避難や物資の輸送の迅速化につながることなどを挙げました。

山口宇部空港が「特定利用空港」に指定された場合、中国地方の空港では初めてとなります。国によりますと、自衛隊が訓練で年に数回程度利用することなどが想定されているということです。

一方で、県内では、「地域の軍事的緊張を高める」などとして、県に「特定利用空港」の指定を拒否するよう求める声も上がっています。

村岡知事は「国には、民間の利用が主であることをしっかり守ってもらいたい。訓練を行う際は、事前に丁寧な説明や情報提供を行い、安全確保に万全を期してほしい」と述べました。』と報道していました。

県民が知らない間に、県民や空港利用者の生命・安心を脅かす可能性があることをいとも簡単に村岡県知事は容認しました。

そもそもこの制度は「総合的な防衛体制の強化に資する」ためとして岸田文雄前政権が2022年12月に閣議決定したものです。自衛隊などが有事(戦時)に使用することを前提に国が改修や整備をする空港・港湾を指定します。戦時に加え平時から自衛隊が訓練や人員・物資の輸送などで軍事利用しやすくするのが目的とされています。

「特定利用空港」となれば平素から自衛隊などの訓練に使われ、大きな事故が起きる可能性も払拭されません。自衛隊の訓練が必要ならば既存の自衛隊基地で行うべきでしょう。

村岡知事は、自衛隊などが訓練を行うことを通じ、大規模災害時の住民の避難や物資の輸送の迅速化につながることなどを挙げました。しかし仮に大規模災害、例えば南海トラフが起きた場合に、優先的に自衛隊などが住民避難や災害派遣をしてくれる保証があるのか甚だ疑問です。さらに、有事の際に山口宇部空港が軍事作戦に利用されれば、国際法上も攻撃対象とされかねません。

今回の受け入れの決定は、受けるメリットより、あまりに大きなリスクが存在します。「大規模災害への対応」と説明していますが、「戦争をする国家づくり」に加担することは決して許されません。山口宇部空港は、県民と利用者の貴重な財産です。軍事目的でなく、平和利用に資すべきです。防衛費の増加がこんなところに使われているのだと思います。私たちが知らない間に「新しい戦前」が、身近に着々と忍びよっています。

不公平税制をただせば財源はあります!~消費税減税を野党は速やかに実施すべきです~

7月20日に投開票された参議院選挙は昨年10月の衆議院に続き政権与党が敗北しました。自民党と公明党は「参院全体で与党で過半数維持」を必達目標と掲げましたが、改選前の議席の66議席から大きく減らし、47議席にとどまる惨敗でした。

この選挙での大きな争点は物価高対策でした。与党が現金による給付を掲げ、野党は消費税の減税・廃止を掲げました。しかし、与党を過半数割れに追い込んだ野党の足並みがそろっているわけではありません。もちろん、政党が違うのでその政策が違うのは当然です。

ところが、物価高はとどまるところを知りません。「小異を捨てて大同につく」ことが肝心で、民意である消費税の減税を待ち望んでいる人々を安心させる必要があります。

そこで大事なのは、財源です。これも野党の各党で異なります。赤字国債の発行や社会保障の削減などまちまちです。しかし、まずただすべきは「不公平な税制」の是正です。

納税者の権利を守ろうという志ある税理士などからなる「不公平税制をただす会」という団体があります。この会の共同代表の菅隆徳税理士は、法人税について「累進税率ではなく一律23.2%の税率のため、大きな利益を上げている大企業には応分の負担になっていない」と指摘し、「実質法人税負担率で見ると、大企業は中小企業の半分しか法人税を払っていない」と述べました。

さらに「租税特別措置」を挙げ、大企業を優遇する政府を批判。根底に企業団体献金があるとして「トヨタ自動車は2022年の減税額5211億円、自民党の資金団体への献金額は5000万円で1万倍の見返りがあった」と述べ、大企業優遇税制を斬りました。ここに企業・団体献金の温床があることが垣間見られます。

今年1月に逝去された経済評論家の森永卓郎氏は、2021年10月21日の毎日新聞のインタビューで、『いまの日本の金融所得課税は不公正税制の象徴だと考えている。所得税は、累進課税となっているから、本来、所得が増えると負担率が上がって当然なのだが、現実には5000万円超1億円以下の所得層の27.9%をピークに、負担率が下がっていく。100億円を超える合計所得を稼いでも、所得税の負担率は16.2%にとどまっているのだ。

「1億円の壁」と呼ばれているこの現象は、なぜ起きるのか。最も大きな原因は、金融所得に適用されている分離課税および定率課税だ。株式の売却益や配当などの金融所得は、他の所得と分離されて所得税が課税される。しかも税率は、所得税15%、住民税5%の定率で、どんなに稼いでも税率は変わらない。年収1億円よりも、年収100億円のほうが所得税の負担率が小さいという事実は、誰がどう考えてもおかしい。

一般的に税金は、額に汗して稼いで得た所得に対しては軽く、あぶく銭には重くというのが大原則だ。ところが日本では、その正反対のことが行われているのだ。』と指摘されています。

赤字国債の発行や社会保障費削減の議論の前に、行き過ぎている「不公正税制の是正」の論議をすることが大事です。TVの報道で、物価高の中で食事を1日1食にしている家庭もあるなどをみると胸が締め付けられる思いです。

一刻も早い消費税減税法案を国会で成立させて欲しいものです。野党の公約を実現するチャンスが今ここにあります。

みんなで参院選に行きましょう!!~政治を変えるのは主権者である私たちです~

7月20日投開票を迎える参議院選挙も残りわずかになりました。そこで気がかりになるのは、投票率です。総務省によると、国政選挙の年代別投票率は、令和6年10月に行われた第50回衆議院議員総選挙では、10歳代が39.43%、20歳代が34.62%、30歳代が45.66%となっています。(全年代を通じた投票率は53.85%)。また、令和4年7月に行われた第26回参議院議員通常選挙では、10歳代が35.42%、20歳代が33.99%、30歳代が44.80%(全年代を通じた投票率は52.05%)という内容になっています。全世代を通じた投票率は50%をわずかに超えていますが、特に若い世代の投票率は30%台~40%台と低迷しています。若い世代の政治参加が稀薄になっていることは大きな問題です。

投票率の歴史をたどると、戦後の復興が進み、民主主義が根づきはじめた1958年の衆議院選挙では、投票率76.99%という戦後最高の数字を記録します。1980年の選挙でも74.56%と高水準が続き、選挙への関心の高さがうかがえました。ところが、1996年には「小選挙区比例代表並立制」が導入され、選挙制度が大きく変わり、この制度改革により、政治への距離感が生まれます。その結果、1996年には投票率59.65%と、戦後で初めて60%を下回る事態に。さらに2014年の総選挙では52.66%を記録しました。その後も特に若い世代を中心として、選挙離れが続いています。世界200カ国・地域のなかで158番目の低さで、主要7カ国でも最低の数字です。

今度の参議院選挙は、衆議院で少数与党となる中、参議院で与党側が非改選の議席とあわせて過半数を維持できるか、野党側がそれを阻止できるかが焦点で、与党が過半数を維持するためには50議席の確保が必要となります。つまり今回の選挙結果で、政権が変わる可能性が現実味を帯びているのです。

個別の争点としては①物価高対策として、現金の給付なのか消費税減税、あるいは廃止かです。②米と食料自給率も重要です。消費者、農家双方にとって利点がある政策はどうあるべきか。食糧自給率を上げる手立てをどうとるのか。③今年度末で成案できなかった自民党議員の裏金に対する問題をどうするか。企業・団体献金を無くすかどうか。④トランプ関税に対する対応が問われています。特に中小企業に対する資金繰り支援などをどうするか。⑤税制では、基礎控除の引上げと大企業や富裕層に対する課税をどうするか。⑥社会保障については、高すぎる国民健康保険や社会保険料をどのようにするか。また保障をどうしたら手厚くできるのか。⑦選択的夫婦別姓制度の改正や国際的に遅れているジェンダーギャップ指数をどう引き上げるのか。⑧戦後80年の節目にどのような防衛政策をとるか。⑨今、急浮上しているのは外国人に対する対応です。差別、排外主義の政策が妥当かどうか、など考えなければならない課題はたくさんあります。

失われた30年と言われ、一人当たりのGDPが韓国にも抜かされたわが国が再生するには、どうしても政治の力が必要です。主権者として、一人ひとりがその権利を行使すれば、政治を大きく動かせる可能性があります。みんなで、参議院選挙の投票に行きましょう。

参議院選挙で問われるのは何でしょうか?~税のあり方として消費税の減税が求められています~

参議院選挙は、7月3日公示、20日投開票の日程で行われます。重要な争点のひとつが物価高への対策です。その中身について「現金給付」か、それとも「消費税減税」かが問われています。今度の参議院選挙では、私たちの家計に直接影響する「消費税」のあり方が、大きな議論の的になります。現在、消費税率は10%(食料品などは8%)ですが、この税率を今後どうしていくのか、各政党の考え方には違いが見られます。

与党である自民党の立場は現在の消費税率10%を維持し、その税収を年金・医療・介護といった社会保障制度を支えるための重要な財源と位置付けています。一方、野党からは、現在の物価高騰による家計負担の軽減や経済全体の活性化を目的として消費税の減税を求める声が上がっています。税率を5%へ引き下げる案や、一時的に消費税を凍結するといった案などが主張されています。ただし、減税を実施した場合に、その分の財源をどう確保するのかなどで、各政党間で具体的な政策内容やその実現方法に違いが見られます。

税構造の変化をみてみると、消費税がスタートした1990年度と2024年年度の主要税項目(消費税、所得税、法人税)の税収の比較をすると、消費税(税率3%)は4.6兆円だったのが現在(税率10%)には24.3兆円、+19.7兆円、所得税は(最高税率70%)26兆円だったものが現在(最高税率45%)には20.1兆円、△5.9兆円、法人税は(税率40%)で18.4兆円だったものが現在(税率23.2%)には18.1%、△0.3兆円になっています。

このことから、消費税率を引き上げ、反対に所得税率や法人税率を引き下げることによって、税収構造が大きく変化し、消費税は導入当初言われていた「補完税」から「基幹税」となり、今や税収の中で最大になっています。税制の根幹は「公平性」です。つまり、垂直的公平( 経済力のある人により大きな負担を求めること)と、応能原則(経済的な能力に応じて税金を負担すること)が求められています。そういう観点からすると、消費税は不公平な税制です。「逆進税」とも言われ、所得が高ければ高いほど税負担が低くなり、所得の少ない人やない人にも買い物の度に容赦なく税負担を強いられます。

この参議院選挙で問われるのは、単に「物価対策」だけでなく、税の根幹として消費税をどう捉えるかです。もちろん、消費税減税はすべきだと思いますが、その税収減をどのように埋め合わせるかも同時に考えなければなりません。税収増は可能です。所得税の最高税率(45%)を引き上げることや金融所得の優遇税制(現行は所得税・住民税を併せて20%)の抜本的な見直しをすればできます。また、法人税では、比例税率(23.2%)の見直しと累進課税化そして、さまざまな特権的な減税制度、例えば試験研究費減税は総額9479億円で、上位10社だけで全体の3割を占める減税の廃止も見直しなければなりません。

私たち有権者は、この参議院選挙のなかで、物価高のなかで賃金が上がらない昨今の状況を踏まえ、消費税のあり方を短期的だけではなく、長期的にどのようにすべきかを考える機会と捉えることが大事だと思います。個人的には、消費税を将来的に廃止して、贅沢品などについて課税をする旧「物品税」の復活があるべき公平な税制だと考えています。