カテゴリー: 経営環境

衆議院議員の定数削減案に反対です!!~民意が反映されるような選挙制度に変えるべきです~

議員定数削減は日本維新の会が昨年の自民党との連立合意書に沿って、これまで衆議院比例定数の45議席削減を強く主張していました。しかし、削減数や削減そのものにすべての野党が反対し、しかも自民党内でも異論がある中、法案成立の見通しが立たない状態が続いてきました。

これを受け、自民党はにわかに、人口減少を反映したとして、45議席でなく「31議席」を削減することなどの折衷案を各党に提案しました。当初は「19議席」を主張していた国民民主党が、一転して賛成する方針に回り、10月29日に3党の幹事長が合意に達しました。これにより、与党が少数の参議院でも賛成勢力が過半数となる見通しで、法案が提出されれば今の国会で成立する公算が高まっています。

しかし、そもそも現行定数になった2016年衆議院議長の下の有識者調査会の答申は「現行の衆議院議員の定数は国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見いだしがたい」と明記しています。

31議席削減案は、比例定数の削減です。これは、議会制民主主義の根幹に関わる問題で、少数政党の議席を減らすことにより、国民の民意を政治から遠ざけ、反対意見や少数意見を排除し、多くの国民を犠牲にすることが狙いと考えられます。例えば、皇室典範の改正は数の力で成立され、民意が反映されたとは言い難いものでした。

もともと、自民党と維新の連立協議では、自民党の派閥裏金事件を受けた「政治改革」が大きな焦点となりました。「政治とカネ」を巡る問題は、自民党が国民の信頼を失った最大の要因であり、公明党もこの問題を理由に26年間続いてきた連立を離脱しました。

維新はこれまで「政治改革」として企業・団体献金の禁止を主張してきましたが、連立協議の中で、自民党が応じないとみるやすぐさま棚上げにしました。そこで、維新が突如、連立の「絶対条件」として持ち出してきたのが、今回の議員定数削減です。

議員数が多いということがまことしやかに言われています。例えばサンデーモーニングなどでお馴染みの寺島実郎氏は、同番組で、政治とカネ問題の深刻さを背景に、人口減少の現状の中で議員数を減らすことの重要性を強調し、「少なくとも人口が減っていく中で、国会議員の数を3割くらい削減しないと政治改革にならない」と述べました。

そもそも国会議員は多すぎるのでしょうか。たしかに絶対数で見ると日本の国会議員の数は多いほうですが、人口あたりで見るとOECDでは38カ国中36位と下から3番目で、むしろ少ない状況です。議員定数削減の理由について「人口減少に応じて定数を減らすべきだから」という点も語られていますが、諸外国と比較すれば、むしろ人口に応じて議席を増やすべきではないでしょうか。小選挙区ではなく比例代表のみ枠を削るというのは、特に新人や若者、女性、マイノリティの議員がより当選しづらくなることにつながります。

今必要なことは議員定数削減ではなく、選挙制度そのものです。死票が多い小選挙区制度を改め、無所属でも立候補ができる中立・公平な、ヨーロッパ諸国で主流の完全比例代表に改革することこそ、民意が反映される選挙制度なのではないでしょうか。

健診に特化した医療体制に感動!!~医師をはじめ、ほとんどの職員が女性でした~

事務所の企業健診で、初めて佐々木外科医院メディカルプラザの日帰り(半日)人間ドックを受診しました。予約票には想定外の朝7時半に受付との記載がありました。クリニックに着いたのが15分前でしたが、既に玄関前に6人の受診者が並んでいました。その後も続々と受診者が並びます。7時半ちょうどに自動ドアが開けられ、2階の受付に案内されました。

受付では、事前に記載した質問票や検便などを渡しました。多くの職員が早朝から働いていて、びっくりしました。受付は一人を除き、女性職員でした。とても親切に対応してもらいました。更衣室を案内され、そこで検査衣に着替えました。

まず、女性医師が心臓と胸を聴診器すると、優しい声で「何も問題ないですよ」と言われ、まずはほっとしました。次に検尿、採血、聴力、視力、眼底、眼圧、身長、体重、腹囲、胸部X線検査、超音波検査、肺機能検査、最後に上部消化管内視鏡検査(経鼻内視鏡検査、つまり鼻からの胃カメラ)を次々と検査しました。採血などをしてくれた看護師、超音波検査の臨床検査技師、胃カメラを担当してくれた医師などすべて女性職員でした。

胃カメラは何度も経験していますが、すべて口からのカメラで、鼻からの胃カメラは初めての経験でした。女性医師は「鼻からの胃カメラが難しいようであれば、口からの胃カメラに切り替えます。」と言って検査にかかりました。

皮下麻酔をかけた右鼻の中をカメラはスムーズに入りました。医師は、「入りましたよ。肩の力を抜いてリラックスしてくださいね。」と優しく検査を進めました。検査結果は問題ありませんでした。医師は「1年に1回は胃カメラの検査された方が良いですよ。」とアドバイスをしてくれました。

これまでの検査をもとに、医師の検査結果の説明がありました。診察室に呼ばれて、医師は、パソコンに表示された検査結果を次々に説明してくれました。驚いたのは、これまでの検査の結果が、便、血液、エコーなども含めてすべて集約されているのです。

これまでの健診では、医師からの検査結果の説明はなく、約1ヶ月後に送付されてくる検査結果を見なければわかりませんでした。医師からの説明では、私のBMI(体格指数)が25で18.5~25未満の普通体重から外れ、25~30未満の肥満1度に該当し、腹囲が86㌢で、標準の85㌢を少し超え、かつ中性脂肪が基準値を超えているので、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予備軍だと指摘されました。

その後管理栄養士から、今後3ヶ月で体重3㌔と腹囲を3㌢落とすための戦略(特定保健指導)を立てました。その結果、ストレッチを運動前と運動後に行う、引き続き運動を継続する、早食いを改めると定めました。3ヶ月後には再び血液検査をし、目標が達成されたかどうか管理栄養士と面談することを約束し、帰宅したのはお昼を回っていました。

この6ヶ月で、体重が約6㌔増えて、今まではけていたジーンズがきつくなりました。健診に特化しているクリニックと女性職員に感謝するとともにこの健診をきっかけとして、メタボから脱却したいと思う今日この頃です。

AIに尋ねて、高市首相の「責任ある積極財政」の本質を考えました!!~軍拡をやめ、庶民の懐が暖まる政策に転換すべきです~

8月28日のニューヨーク外国為替市場において、円相場は対ドルで急落し、1ドル=160円20銭を付けました。7月末に日米両政府が円安是正を目的とした日米協調介入に踏み切って以降、円相場が160円台をつけるのは初めてのことです。

円安による物価高で多くの国民が塗炭の苦しみを味わっています。その円安が収束に向かうためには、主に3つの条件が整う必要があるといえます。第一の条件は、アメリカの景気が落ち着き、金利が順調に下がり続けることですが、それは当面難しそうです。二つ目は、日銀による継続的な利上げです。適切な水準への利上げが進むと、円安圧力は後退すると見られています。輸入物価上昇による消費者への悪影響を抑制するために、日銀の緩やかな利上げを容認する姿勢を見せる必要がありますが、庶民と中小企業には副作用があります。最後に、世界の投資家からの日本政府の財政運営への不安が和らぐと円安は落ち着くと考えられます。しかし、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」が、市場から財政規律の喪失と受け止められると、かえって日本売りの円安が進んでしまうでしょう。

さてこの間、日本の長期金利の指標になる新発10年物国債の利回りは、直近(8月28日時点)で約2.92%になりました。これは30年ぶりの高水準です。背景には、高市早苗政権のスローガンである「責任ある積極財政」に対して、市場(投資家)が警戒感を示していることがあります。

そこで、AIに解析を求めました。AIは『高市政権の「責任ある積極財政」政策は、軍事費の拡大を通じて、国内投資のリスクを低減し、成長投資で国内投資のリターンを向上させることを目的としています。具体的には、防衛費の増額や武器輸出規制の緩和、軍事産業への国家関与の強化などが含まれます。これにより、全般的な軍事化が進行し、軍事費が過去最大規模に増加することが予想されています。高市政権は、官民手を携え、戦略分野への投資を進める方針を示しており、これにより日本を世界有数の知的創造・イノベーションの拠点とするべく、スタートアップの振興などを図り、中長期的な成長力強化につなげていくとされています。』と答えました。

さて、「積極財政」を打ち出す高市首相は「行き過ぎた緊縮志向」の流れを終わらせるといいます。しかし「行き過ぎた緊縮」は事実と異なります。第二次安倍政権以降、緊縮どころか毎年数10兆円規模の赤字国債を発行した結果、国債発行残高は2026年度末に1145兆円積み上がる見通しです。これを「行き過ぎた緊縮」というなら、今後も相当の財政拡張を行う危険性をはらんでします。既に財政悪化の懸念から国債価格下落・金利上昇が生じています。さらに外国為替市場で円が売られ、円安に拍車をかけています。円安はさらなる物価高を引き起こし、食料品の消費税減税効果を相殺する懸念があります。

政府は「責任ある積極財政」の看板をおろし、アメリカべったりの大軍拡をやめ、大企業や富裕層に対する「行き過ぎた」減税などの優遇措置を改め、応分な負担を求めることで、財政の健全化を図ることで、円安と物価高を抑えることが求められています。

消費税減税の財源は、超富裕層と巨大企業から~消費税は廃止し、新型物品税の導入を検討すべきです~

2026年の特別国会が7月24日で事実上閉会しました。髙市首相にとって初の150日以上の国会は、自民党が衆議院で戦後最多の議席を獲得した状況下で行われました。政府提出法案64本のすべてが成立しました。国民にとって関心が強かった皇室典範の本格改正などが成立する一方で、野党やメディアからは「国会軽視」「数の横暴」との批判が相次いだ異例の国会でした。

7月の各メディアの世論調査では内閣支持率は急落または支持・不支持が逆転しました。とりわけ皇室典範改正に批判が強く、「評価する」は19%しかなく、女性天皇を「認めるべきだ」は72%にのぼりました(毎日)。また、物価高への対応を「評価する」は22%、「評価しない」は57%に達しました(朝日)。

国会閉会後の大きな宿題は「食料品の消費税減税」です。髙市氏の悲願でもある食料品の消費税減税は先の総選挙の公約として浮上しました。8月の上旬にはとりまとめるとのことですが、課題は山積し簡単にことは進まないでしょう。

高市政権が赤字国債の増発の方向性を「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」原案で示しました。その途端、市場では、財政の悪化を見越して国債が売られ、国債価格は低下し長期金利は30年ぶりの高水準に上昇しました。また、円安は40年ぶりの異常な水準になり、その結果、輸入品の価格は上昇しイラン戦争による原油高と相まって、物価高に拍車をかけています。いわゆる「高市ショック」と呼ばれているものです。

食料品の消費税減税の財源を赤字国債で賄おうとすると、国債の信任はますます低下し、円安はさらに加速することは自明の理です。減税→円安→物価高という負のスパイラルに陥ってしまいます。さらに、食料品を多く支出する富裕層の方がより減税の恩恵を得られるという矛盾もはらんでいます。

そこで、食料品の消費税減税を実施するならば、その恩恵をよりたくさん受ける富裕層に対する課税強化を行うべきです。さらに切り込んで、「富の一極集中」の是正に取り込むべきです。所得税の累進課税の強化、金融所得の総合課税化、相続税の累進課税の強化、住民税の累進課税化などいくつも考えられます。また、巨大企業に対する課税としては、法人税の累進課税化が考えられます。これは、行き過ぎた超富裕層や巨大企業への課税を当たり前にするだけで、決して行き過ぎた課税強化ではありません。

それと併せて、消費税を廃止して新しい形の「物品税」を導入してはどうでしょうか。消費税が導入される1989年までに課税されていたもので、高額な贅沢品を購入したときにかかる税金で「物品税」というものがありました。これなら、お金持ちほど多く税金を払うようにできているので、庶民ほど負担の大きい現在の消費税とは真逆です。

例えば、一定額以上の宝飾品、貴金属、名画、乗用車、超高級マンション、投資のための金(ゴールド)やサービスなどです。日常生活に必要のない贅沢品は、現行の消費税の税率10%を越える、20%、30%といった税金をかけてもよいのではないでしょうか。

史上最高益を続ける東京株式市場で思うこと ~上場株式の譲渡や配当による利益は総合課税にすべきです!~

日本株の急ピッチな上昇が続いています。日経平均株価は6月1日に一時6万7000円を超え最高値の更新をしました。昨年末比の上昇率は3割を超え世界の主要指数を引き離しています。利益見通しの拡大が続くAI・半導体関連企業に資金が集中していることが特徴です。日経平均が終値で6万7000円台に乗せるのは初めてです。證券各社はさらなる上昇を予測、円安による割安感と自社株買いによる効果が株高の主要因だと解説しています。

さて、上場株式等の取引で得られる利益には「譲渡益」と「配当金」の2種類があり、いずれも課税対象となります。これらの利益には、基本的に所得税(15%)、復興特別所得税(0.315%)、住民税(5%)が課せられ、合計で20.315%の税率が適用されます。一方で、非上場株式の譲渡や配当に対する課税は、上場株式とは異なり、総合課税で処理されます。これらの所得は他の所得と合算されるため、納税者個人の所得に応じて税率が変わります。

さて、株式譲渡に対する課税の歴史を振り返ると1988年以前は、上場株式の譲渡益は長期保有なら非課税、1年未満の保有株には総合課税が適用されていました。

1989年に上場株式の譲渡益に課税が開始されました。上場株については、売却額の1%が課税されるみなし課税制度が導入され、総合課税か、みなし課税かを納税者が選べる仕組みとなりました。バブル景気で儲かった投資家へ公平に課税すべきという背景から導入されましたが、当然のことながら多くがみなし課税制度を選びました。

バブルが崩壊後の2003年、市場活性化のために上場企業の株式に対しては税率10%(所得税7%+住民税3%)の軽減税率が導入されました。さらに、 2014年から現在までは軽減税率は終了し、税率は一律で20%(所得税15%+住民税5%)に、復興特別所得税(所得税×2.1%)が上乗せされ、20.315%になり現在に至っています。

現在の金融所得課税の姿からは想像しにくいですが、戦後日本の税制の原点は、すべての所得を一つにまとめて課税する「総合課税」でした 。この大きな転換点は、1949年にGHQの要請で来日したカール・シャウプ博士率いる税制使節団が出した「シャウプ勧告」にあります。

この勧告の核心は、「所得が多い人ほど高い税率を負担する」という応能負担の原則に基づいた、近代的で公平な税制度の構築でした 。その理想を実現するため、給与や事業による所得だけでなく、株式の譲渡益や利子・配当といった金融所得もすべて合算し、一つの累進税率を適用すべきだと強く主張したのです 。ところが、経済成長を最優先する政策的な要請と税務執行上の現実的な困難さを考慮し、シャウプ勧告が理想とした総合課税をかなぐり捨て、分離課税の道へと進みました。

しかし、分離課税とする根拠は現在既に失われています。なぜなら、経済的根拠は多くの資金が預貯金から株式市場に流れ込み、制度的根拠はコンピュターの進化でそれぞれの問題も解決できているからです。上場株式を持つ者と持たない者の間の不公平を糺すためにも、株式の譲渡や配当による利益は、上場・非上場に関わらず総合課税にするのが妥当です。この仕組みこそが、富の過度な偏在を緩和する税制だと考えます。

中山美穂さんの相続税報道から相続税の課税の根拠を掘り下げてみました~あるべき相続税課税を考えてみました~

参政党の塩入清香参院議員が4月9日、参議院・財政金融委員会で質問に立ち、2024年12月6日に54歳の若さで亡くなった中山美穂さんをめぐり、一部で報道されている遺産相続をめぐる話題を取り上げました。

氏は、片山さつき財務相に「片山大臣もご存じだと思うんですけど、今、中山美穂さんのご子息が20億円の遺産相続を放棄されてですね」と、中山さんの話題を持ち出しました。氏は「その相続税が11億円だったということで、昨今の相続税の負担の重さについて、国民の間で大きな関心が高まっております」と問題提起しました。

氏は「資産規模が大きい場合に相続税の支払いが困難となり、やむを得ず、相続放棄や相続税支払いのために不動産の売却に至り、それが市場に流れて外国資本に買われるというケースも指摘されております」と、外資による不動産取得にもつながるとの問題意識も提示。「所得税との二重課税ではないかとの指摘も根強くある。政府は相続人の担税力に着目した課税であるというふうに説明されておりますが、国民の間での納得感というのは非常に乏しい」とした上で「国際的な比較において、日本の相続税のあり方をどのように認識されているか」と質問しました。

そこで塩入議員の質問が適格なものかどうか相続税の課税の根拠を検討してみました。

  1. 不労所得(偶然の取得)への課税

相続によって得る財産は、労働の対価ではなく「不労所得」と位置づけられます。働いて所得税を負担する人との公平性を保つため、無償で取得した財産に課税するという考え方です。

  1. 富の再分配(格差の固定化防止)

相続税がなければ、富は世代を超えて特定の家系に集中し続け、貧富の差が拡大します。相続税は、遺産の一部を税として社会に戻し、社会保障・教育・インフラなどを通じて再分配する役割を担います。

  1. 所得税の補完(税負担の公平性確保)

所得税には多くの非課税措置や特例があり、結果として資産形成の過程で税負担が軽くなる場合があります。そのため、相続のタイミングで「本来負担すべきだった税を清算する」という位置づけが相続税に与えられています。

さて、2015年1月1日から相続税の基礎控除額の引き下げがおこなわれました。改正前は、「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)」でしたが、改正後は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」となりました。これにより、相続税の課税対象となる方が約2倍に増えました。富裕層課税から、中間層に対する課税に大きく舵が切られたのです。

相続税は、基礎控除を15年改正前に引上げ、中間層に対する課税を緩和し、併せて超富裕層には課税の強化をすべきです。現在6億円超の課税遺産総額に55%の税率を課していますが、02年改正前までは、20億円超に70%の課税をしていました。その水準まで引き上げるべきです。そうすることで、課税の根拠にも整合する税になるのではないかと考えます。

防衛費の膨張と防衛費増税を考える~防衛費増額より国民の暮らしを優先すべきです~

高市早苗政権初の当初予算となる2026年度予算が4月7日、参院本会議で成立しました。その中で気になるのが防衛費の膨張です。日本で長らく守られてきた防衛費の「GDP(国内総生産)比1%枠」が取り払われたのが23年度予算でした。「27年度2%」の目標に向けて、毎年、約1兆円のペースで防衛費を加速度的に積み増しています。

脱「1%」のきっかけとなったのは、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻でした。NATO(北大西洋条約機構)加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明したことに追随する形で、当時の岸田文雄首相が同年12月に決定した国家安全保障戦略の中で、27年度に防衛力の抜本的強化とそれを補完する取り組みを合わせ、予算水準が現在のGDP比2%に達するよう決めました。

当初予算ベースで22年度は5.4兆円(米軍再編関係経費含む)だった防衛費は、23年度6.8兆円、24年度7.9兆円とほぼ1兆円ずつ積み増しし、2025年度は前年度比9.4%増の9.5兆円、海上保安庁予算など関連経費も含めた総額は11兆を超え、GDP比で2%に迫ろうとしています。

それを裏打ちするように、高市首相は「自らの国を自らの手で守る覚悟なき国を誰も助けてくれない。防衛力の強化を、これまで以上のスピード感で進めて行かなければならない」と国会で強調しました。また、髙市氏は憲法9条を改定し、「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」ことを企図しています。4月12日、東京都内で開かれた自民党大会で髙市氏は、「時は来た。憲法改正に向け、国会においては結論のための議論を進めていく。改正の発議についてなんとかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたいと考えている。」と強気の発言をしました。

ところが防衛費の膨張の一方で、国民は塗炭の苦しみを強いられています。子どもの7人に1人が貧困状態にあり、社会保障費の削減で医療機関や介護施設の休廃業が相次ぎ、増税や社会保険料や国民健康保険料の値上げなどで国民の可処分所得は減り続けています。

防衛費を支える税は「防衛力強化に係る財源確保のための税制措置」として、所得税の新税を創設しました。その中身は、所得税額に1%の税率で加算されますが、東日本大震災の後の創設された復興特別所得税を1%引き下げて総額として変わらないように設計されています。この税は37年度までとされていたが、それを47年まで延長されることも合わせて改正されており、結果として増税になります。なんと姑息な増税なのでしょうか。

トランプ政権は現在、すべての同盟国にGDP比3.5%の軍事費を求めています。髙市首相は、この要求に非常に前のめりです。その額は、何と21兆円、今より10兆円も増やさなければなりません。財源はどうするのでしょうか。まさか消費税の増税?

米国の言いなりになって軍拡をして、台湾侵攻の阻止を目的として軍拡を進めれば、日中関係はさらに悪化します。これ以上の軍拡する必要性はありません。今必要なのは、憲法9条を積極的に活かした外交努力と税金を国民の暮らしに最大限に役立てることです。

予算案を修正しない慣習いつまで続けるの?野党の意見もしっかり聞き柔軟で、建設的な国会運営をしてほしいものです!!

3月27日に2026年度予算の成立の遅れを補う8.6兆円の暫定予算案が衆院に提出されました。解散総選挙での歴史的勝利の自信なのか、今回の予算審議は高市早苗首相が「年度内成立」に強くこだわりました。

予算通過を急ぐあまり、衆議院での予算の審議時間は59時間しか取らず、2000年以降で最短の審議時間となりました。通常は70~80時間とされる審議時間が大幅に短縮されたため、野党からは「異例の短時間審議」として懸念の声が上がりました。その結果「審議の形骸化」が際立つ格好となりました。

26日の「報道1930」(BS-TBS)は、「予算案の修正をしない、何のための国会審議か」として、日本の国会審議のあり方を取り上げました。その一例として指摘したのが「予算案を修正」しない日本の慣習です。日本では「戦後5回」しか修正した経験がないのに対し、ドイツ議会は今年度予算だけで1300か所以上の修正があった、という内容でした。ドイツの審議時間は「無制限」で、夜通しでも納得するまで議論し、さらに記録はすべて公開されることになっています。

日本のように省庁の官僚が与党と事前調整するのではなく、与野党すべてが「担当議員」を指名して、そろって各省庁に行き「予算案を1行ずつ職員と議論する」というのです。そして、各党には省庁別予算に精通した専門議員が存在するというシステムをとっています。そうすることによって、「黒字財政」を維持しながらも、デジタル化や気候変動対策などの重点分野には積極的に投資する「選択と集中」を実践しています。「審議のレベル低下」が嘆かれる日本の国会とは、大きな違いです。

高市政権発足直前に公表された自民党・日本維新の会の連立政権合意書では、自維連立政権の役割について「戦後80年にわたり、国のかたちを作り上げる過程で積み残してきた宿題を解決する」とうたっています。そのうえで、安全保障改革、インテリジェンス(情報収集・分析)機能の強化、スパイ防止法の制定、外国人政策の厳格化など、これまでの自公政権では見られなかったような保守色の強い政策メニューが並んでいます。

高市首相は、自維連立政権がこれら「国の根幹にかかわる重要政策の大転換」を図っていくことに関し、「決して右傾化などではなく、普通の国になるだけだと私は考える」と語りました。

米国とイスラエルのイラン攻撃に端を発する戦争の影響は、原油や天然ガスの高騰につながり、ガソリンだけでなく、ありとあらゆる製品の高騰につながっています。さらに円安とインフレが私たちの日常に悪影響を及ぼしています。円安は輸入価格を押し上げ、原材料やエネルギーコストがインフレ圧力を高めます。

特に原油・天然ガス・小麦などの一次産品の価格は為替の影響を直接受けるため、食品価格や光熱費を通じて家計に波及します。輸入依存度の高い日本経済では、円安=インフレ加速要因として作用する構造が強固です。

安全保障改革などの国論を二分する課題には丁寧で国民が納得するような対応を、また、原油高や円安のような喫緊の課題にはスピード感をもって、柔軟で建設的な国会審議をしてもらいたいものです。高市政権の本質が問われています。

髙市首相、食料品の消費税減税の公約を守ってください!!~物価高はどんどん進んでいます~

2月8日投開票が行われた総選挙は、髙市早苗首相が率いる自民党が単独で総定数465の「3分の2」を超える316議席を獲得する歴史的な勝利を収めました。参政党やチームみらいも躍進しました。

その一方で、中道改革連合は議席を118減らす大惨敗で、中道結成を主導した旧立憲民主党の安住淳共同幹事長、党創設者の枝野幸男氏、小沢一郎氏、岡田克也氏など重鎮が落選しました。

自民党は小選挙区全289選挙区のうち249選挙区を制し、議席占有率は86.2%に達しました。旧民主党から政権を奪還した2012年衆院選で記録した79.0%を超え、1996年の小選挙区比例代表並立制導入以降最高を更新しました。自民党の小選挙区の得票率は49.2%。票差以上に議席差がつきやすい小選挙区制の特性が自民の議席占有率を押し上げたことがうかがえます。

その一方、中道改革連合の小選挙区の得票率は21.6%でしたが、獲得議席はわずか7議席で、議席占有率は2.4%にとどまりました。中道改革連合の候補者に投じられた票のうち、小選挙区の議席に結びつかなかった「死票」の比率は95.5%に達しました。この結果は、小選挙区制度という制度そのものに大きな欠陥があると言わざるを得ません。民意が反映される選挙制度のあり方も今後の議論が待たれるところです。

さて、自民党はその選挙公約で、『食料品を2年間に限り消費税対象としないことについて、「国民会議」で財源やスケジュールなど実現に向けた検討を加速する』としました。チームみらい以外の政党が、消費税について、減税や廃止を訴えました。そのことにより、物価高対策の争点は非常に不鮮明となりました。自民党の選挙戦略が的中しました。

3月8日、ニューヨーク原油先物市場で、テキサス産軽質油(WTI)の価格が一時1バレル(159㍑)=111ドル(1ドル158円として17,538円)台、1㍑当たり110円という高値に達しました。これは、2022年7月以来の約3年8か月ぶりの高値です。この価格上昇の背景には、中東での緊張が高まっている状況があり、イランの報復攻撃が中東全域に拡大していることが挙げられます。

トランプ米国大統領の国際法違反のイラン攻撃と長続きする円安で、物価はますます高騰することが懸念されます。消費税の減税は焦眉の急です。財源や実施時期などを議論する舞台となるのは、超党派でつくる「国民会議」に任せ、2月26日夕に初会合を開き、夏までに「中間取りまとめ」をする方針ということです。ただ、髙市政権は食料品に対する消費税減税に反対する一部野党(参政党や日本共産党)の参加を認めず、「国民会議」とは名ばかりだとの批判もあります。特に代替財源の確保策など山積する課題解決に向けた議論が深まっていません。国会で首相は野党から解決の具体策を問われても、早期実現への意欲を繰り返す一方で「(超党派の)社会保障国民会議で議論する」の一点張りです。

髙市首相は国民会議での議論に丸投げするのではなく、国民がわかるように国会の場で議論を尽くし、スピード感を持って法案を作成して、一刻でも早く食料品の減税を実施することを望みます。髙市首相、食料品の消費税減税の公約を守ってください。

高市内閣の高い支持率から考えました~どうする、どうなる他の高い世論~

各種世論調査で高市内閣の支持率は約7割と高い支持率を維持しています。この数字は石破内閣の支持率の約3割を大きく上回るものです。この高い支持率は、第1次安倍内閣を超えて歴代5位の高さとなっています。特に若年層や男性からの支持が伸びており、全体を押し上げています。

その人気の秘密は、彼女の「働いて×5」発言や、トップダウン手法による政策決定、ガソリン税の暫定税率廃止や所得税の控除拡大の実現などが寄与しています。一方で、積極財政に伴う日本国債の信頼性低下への不安、円安傾向の継続による物価高の加速と賃金上昇が追いつかない構図の悪化、利上げによる住宅ローン金利上昇などによる家計圧迫などが今後の足かせになると言われています。

また、政治の右傾化が加速していることも懸念材料です。自民党の連立相手が公明党から日本維新の会になりました。日本維新の会は、公明党より右寄りであり、ブレーキ役というよりも、アクセル役に回っています。

高い世論調査で言えば、消費税減税です。近時の物価高のなか、約7割の国民が支持しています。昨年の参院選挙では、自民党以外の政党が公約に掲げました。与党になった日本維新の会は先の参院選で、食料品を2年間ゼロ税率にすると言うことを公約に掲げていました。

同党の吉村代表は最近の発言で、物価高対策として食料品にかかる8%の消費税を「ゼロにするべきだ」と述べました。高市首相も以前は「国の品格として食料品の消費税は0%にすべきだ」と明言していました。

夫婦が同じ名字にするか別々にするか、自由に選べるようにする「選択的夫婦別姓」については、賛成が約6割を超えています。年代別では18~29歳で賛成が約8割となっています。日本弁護士連合会の調査では、95カ国で「夫婦別姓」が法制度化されていて、特に中国や台湾、韓国、北朝鮮などのアジア各国では、原則的に「夫婦別姓」で同姓を選べない法制度となっています。

婚姻しても婚姻前の氏を保持することを認めるという方向性は、世界共通の流れになっています。ところが日本は、これまで国連から選択的別姓制度を導入するよう4回にわたり勧告を受けていますが、いまだ実現されていません。

天皇の皇位継承などを定めている皇室典範を改正して、女性の天皇を認めることに、約8割の人が賛成しています。多くの国民は天皇、皇后の一人娘の愛子さんに敬意を抱いています。しかし、これまでの皇位継承のルールではただ「女性だから」というだけの理由で、天皇になる可能性があらかじめ除外されています。

皇位継承が男系男子と定められたのは、明治時代です。それまでは8人の女性天皇がいました。時代錯誤としか思えないルールです。急がないと、愛子さんが結婚したら現行制度では皇室を離れることになります。

物価高対策として有効な消費税減税の実施、男女の尊厳を取り戻すための選択的夫婦別姓の創設、時代錯誤の皇室典範の改正、いずれも高い国民の支持があります。

高い支持率の高市政権だからこそ、旧態依然とした自民党の意向に盲目的に従うのではなく、首相自らよく考えて、民意に沿った方向に大きく舵を切るべきです。