ドイツにおける新型・コロナウイルス対策

ドイツで働いている娘からのLINEによる情報を提供します。既に、中国からヨーロッパに感染対策は移行しています。なぜかイタリアがもの凄いことになっていますね。

日本では『新型・コロナウイルスで休校やイベントの自粛が要請されている中、椎名林檎率いるバンド「東京事変」が2月29日、3月1日とライブを決行したことに「自己責任とかの問題ではない」「ウイルス封じは足並みそろえて徹底的にやらないと意味がないと思うけど」など、批判の声が殺到し、ついにその後の5公演が中止に追い込まれることになった。』(夕刊フジより抜粋)などあくまで「自粛要請」となっています。

ところがドイツでは事情はかなり違います。ドイツの正式名称はドイツ連邦共和国です。16の連邦州があり、ベルリンとハンブルクは都市州と呼ばれ、単独で連邦州を形成しています。ドイツの人口は約8000万人、面積は日本より少し小さい位ですが山間部が少ないので人口密度は全然違います。

ドイツは州に強い権限を集中させています。娘が住んでいるノルトライン=ヴェストファーレン州(州都はデュッセルドルフで、ケルンやボンも同じ州です。長いのでNRW州と略されることもあります。)

余談が長くなりましたが、娘のLINEを忠実に再現します。

『本日、NRW州保健省が新たに施行した政令は以下のとおりです。

○16日(月)以降、全ての遊興のための施設(バー、(ナイト)クラブ、ディスコ、カジノ劇場、映画館、美術館、博物館)を」閉鎖する。風俗施設も閉鎖される。

○17日(火)以降、フィットネス・ジム・プール・浴場施設、サウナも閉鎖される。

○17日(火)以降、スポーツ団体はじめ全てのスポーツ、レジャー施設における会合、市民大学、音楽教室、その他の公営・民営の教育施設の開校を禁止(注:13日に発出された政令により、一般の学校・幼稚園の休校・休園はすでに措置済み)。

○ショッピングセンター・ショッピングモール・家具店・アウトレットのへの立ち入りはどうしても延期できない。必需品のみ、厳格な体制の下、認められる。これにより、学校が休校になった子供たちがこれらの施設に集まることを防止する狙いもある。

○食料品、現金、衣料、医薬品、その他の日用品の安定的な供給を確保するため、銀行、商店(特に食品や飼料を販売する店)薬局・ドラッグストアの営業は継続される。

○図書館、レストラン、ホテルの営業については、新型・コロナウイルスの拡大を防ぐため厳格な制約を課される。

○これらの措置は当面4月19日まで行われる。その後の対応はロベルト・コッホ研究所(ドイツの感染症研究・対策機関)の現状分析を踏まえて決定される。』

さまざまな国の人を乗せた豪華客船が事故に遭って沈みだしました。船長は、速やかに船から脱出して海に飛び込むように、乗客たちに指示しなければなりません。それぞれの外国人乗客に何といって説得するでしょうか(早坂隆『世界の日本人ジョーク集』中公新書ラクレ)。

アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」と言い、イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」と言います。ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっています」と言えばOK。イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」、フランス人には「飛び込まないでください」と言うのがよいそうです。では、私たち日本人には、何と言えばよいでしょうか。答えは「みんな飛び込んでいますよ」です。

日本ではマスクや消毒液不足やはたまたトイレットペーパーまでなくなってしまうこの国、「みんな飛び込んでいますよ」を地で行っています。

「情報の隠蔽・破棄・改ざんなど」が当たり前になっているこの国を憂うのは、私だけではないでしょう。「鯛は頭から腐る」と国会で質問をして、「意味のない質問だね」と平然と言える政治体制と決別しないといけません。そうでないとこの国は、昨年10月の消費税増税、そして新型・コロナウイルスによるダブルパンチで「大恐慌に」なる可能性も大いにあり得るのではないでしょうか。