カタカナ用語と日本語の国際化~異文化をどのように表現するのか~

新聞紙上のアンケート調査によると、近頃のカタカナ用語は理解できるかという質問に対して「いいえ」が72%を占めていました。その理由としてダントツの1位は、「意味がわからずモヤモヤする」2位は「漢字やひらがなで翻訳すべき」でした。

そういえば、税務署の問答集などがいつの間にか「Q&A」から「FAQ」に変わっていることに違和感を覚えたのは私だけではないでしょう。多くの税務署員に聞いても、変わった経緯や意味を理解していた人は1人もいませんでした。おそらく、財務省のキャリアが変えたものだと思いますが、上記アンケートの3位にある「気取った感じでイライラする」ことは否めません。

「Q&A (question and answer)」は日本語に訳すと『質問と回答』という意味で、ひとつの質問に関してひとつの回答が載っています。一方、「FAQ」は日本語に訳すと『よくある質問。(frequently asked question)』という意味で、質問だけでなくそれに対する回答も載っています。変えるのであれば、その意味や経過を問答集などに載せたら違和感の減少につながると思うのですが。

さて、漢字やひらがなで表記してほしいカタカナ用語の上位5位を上から並べると、インキュベレーション「親鳥が卵を抱く、転じて企業支援」、アジェンダ「議事日程、行動計画」、サブスクリプション「雑誌の予約購読」、オーバーシュート「度を超す、新型コロナが蔓延してきて感染者(患者)の爆発的増加」、インスタレーション「芸術的空間」の順です。

私見では、その意味を括弧書きなどしてそのままカタカナで表記した方がシックリいくのではないかと思います。

一方、日本語が国際用語になっているものもたくさんあります。私が週1回レッスンを受けている英語の先生が「信じられない」のダントツ第1位にあげたのが「Karoshi」過労死でした。その他、ネガティブなものとして「Hikikomori」引きこもり、「Otaku」おたくなどです。文化の違いからは「Susi」寿司、「Sake」酒、「Judo」柔道、「Tempura」天ぷらなどがあります。興味のあるものでは「Mottainai」もったいない、Anine「アニメ」なども使われています。

英会話レッスンで使っているテキストの中に英訳できないものの代表として「行ってきます」と「行ってらっしゃい」があります。もし英語で無理やり表現すると「行ってきます」は「See you later」、「行ってらっしゃい」は「Bye」になると記載されていました。

英語は世界各国で使われていますが、日本語は、島国である「日本国」でしか使われません。私は、英会話の勉強をする中で、多くの文化の違いを感じているところです。

今後、インバウンドを数多く迎えて「観光大国」にするという国家戦略がありますが、文法などもまるで違う英語を今の若者には身につけてもらい「バイリンガル」つまり「2つの言語で話せる能力を持つ人」になってもらうことが大事だと思います。そうでないと、否が応でも「グローバル化」している国際社会に通用しなくなるでしょう。