税理士新聞で扱った消費税関連の記事は5回~多くの税理士は消費税減税などを求めている~

(株)エヌピー通信社が発行している税理士新聞は「1974年の発行以来、税理士業界のパイオニアとして最も読まれ、信頼される職業会計人の羅針盤」とされています。

 その税理士新聞が毎月一回、二者択一形式で税界の世論を浮き彫りにするアンケートコーナー「振り子時計」を実施しています。2020年の12回中5回が消費税関連の質問でした。消費税について多くの税理士が注目していることがわかります。その質問を時系列的並べ、それぞれの意見の特徴を抜粋しました。

 1月号、Q消費税のさらなる引き上げは不可避だ。Yes43%、No57%とわずかに反対派が多い。賛成のコメントは「世界各国の消費税率を見れば日本は低すぎる。思い切った財源確保を講じるべき」、反対のコメントは「安易に消費税率を引き上げるべきではなく、もっと無駄を省く行政改革を進めるべきである」

 3月号、Qインボイスは必要な制度だ。Yes10%、No90%を圧倒的に反対派が大きい。賛成のコメントは「免税業者の問題はあるが、避けては通れない道」、反対派のコメントは「帳簿方式で十分。消費税の複数税率をやめるのが先」

 5月号、Q今こそ消費税率を引き下げるべきだ。Yes60%、No40%と賛成派がやや多い。賛成のコメントは「消費税はすべて法人税の減税に化けてきた。大企業が当たり前の税率で法人税を納めれば消費税は廃止できる」、反対派のコメントは「軽減税率をやめて必要な財源に充てるべき」

 6月号、Qキャッシュレス・ポイント還元を延長すべきだ。Yes44%、No66%と反対派がやや多い。賛成のコメントは「消費者の購買意欲を喚起する結果にもなっているので、ぜひ延長すべきだ」、反対派のコメントは「年寄りや子どもなどカードを持っていない人が差別される」

 10月号、Q消費税の減税を断行すべきだ。Yes76%、No24%と圧倒的に賛成派が多い。賛成派のコメントは「国民や中小企業の現状を見れば当然」、反対派のコメントは、将来の日本国民に負債を引き継ぐな!」

 以上の結果となりました。特に注目したいのは、圧倒的にインボイス制度について反対が多いことです。

 インボイスを発行することができる「事業者登録制度」が今年の10月より開始されます。懸念されるのは、現行の制度で免税事業者とされる課税売上高が1000万円以下の事業者に「過酷な選択」を促すことです。すなわち、取引先が仕入れ税額控除を行うために「課税事業者」であることを要求されやむなくそれを選択せざるを得ないことです。換言すれば、それに抗えば、即取引の停止を意味するということです。

 現在、フリーランスで働く人が300万人を超えたという統計もあります。その多くは、収入が1000万円以下です。ただでさえ不安定な労働環境にもかかわらず、税の上でも悲劇な集団にならないか危惧をします。

立ち止まってゼロベースで考えるべきでは?~東京オリンピックの開催ありきは改めるべきでは~

「『選手だけがやりたいと言うのはわがまま。皆さんに五輪が見たい、選手が輝く瞬間を見たいと思わせないと』昨年12月、陸上の東京五輪選考会で女子1万㍍の日本新記録を18年ぶりに更新し、日本代表に決まった新谷仁美選手は喜びとともに現状を冷静に口にした。

五輪を史上初の延期に追いやった新型コロナウイルスの猛威はいまだに収束せず、国内の大会機運もしぼんだままだ。緊急事態宣言が再発令された直後に共同通信が行った世論調査では、中止と再延期を求める声が合わせて80.1%に上った。不安を打ち消そうと、政治家や主催者が揺るぎない姿勢を口にするほど、国民との温度差が広がる悪循環。そのはざまでスポーツ選手は身を小さくしている。」と報じています。(1月29日付、日経)

また、日本オリンピック委員会(JOU)理事で元柔道選手の山口香さんは、国民の大半が五輪の再延期・中止を求めていることについて「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や変異型への懸念もあり『残念だけど、難しい』というのが冷静で、現実的な感覚だろう」と語っています。(1月26日付、朝日)

ところが菅首相は1月7日に緊急事態宣言を発出した際に、ワクチンの普及によって「(五輪に対する)国民の雰囲気も変わってくるのではないか」と述べていましたが、ワクチン頼みが無理なのがわかると「ワクチンも前提にしなくても安心・安全な大会を開催できる」と何も根拠を示さず言い出しました。そして、政府は東京五輪を「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」にすると開催の姿勢を崩していません。

この夏のオリンピック開催にはさまざまな問題点があります。

第一にワクチンの問題です。一部の国ではすでにワクチンの接種が始まっていますが、集団免疫については世界保健機構(WTO)が今年中に達成することが困難だとしています。

第二に「フェアな大会」ができるかどうかの問題です。各国の感染状況による練習環境のなどの違いやワクチンの接種の先進国とそれ以外の国の格差の問題もあります。

第三に医療体制の問題です。熱中症対策だけで1万人の医療従事者が必要とされていますが、これにコロナ対策を加えれば医療体制逼化の中さらなる人員と費用がかかります。

オリンピック憲章はその根本原則の2において「その目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳維持に重きを置く、平和な社会推進することにある」とし、また4では「スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によってスポーツを行う機械を与えられなければならず、それには、友情、連帯、そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる」としています。

新型コロナウイルスは、世界の格差をさらに大きくしています。今は少し立ち止まって、「五輪開催ありき」の前のめりの姿勢から、その是非をオリンピック精神に基づいて根本的に見直すことが必要ではないでしょうか。国際オリンピック委員会(IOC)を含め徹底的な論議をすべきでしょう。

敬愛していた野村監督が逝った日からはや1年~監督の生き様とその名言~

訃報があってからもそうでしたが、年末のテレビ番組でも野村監督の特集をしきりに放映していました。監督からは多くのことを学び生かしています。その足跡と名言を紹介します。

訃報は昨年の2月11日にありました。享年84歳、プロ野球ファンだけでなく多くの人々に影響を与えました。選手を引退してからは解説者を経て、長い間監督をされてその手腕が発揮されたので、私の世代より若い人は監督と言った方がなじみやすいのではないかと思います。しかし、プロ野球選手としても超一流でした。氏の足跡を時代ごとにまとめ、その名言にもふれていきます。

1935年、漁業が盛んな京都府竹野郡網野町(現在の京丹後市)で生まれました。家はとても貧しく、新聞配達などで家計を助けていました。中学校2年生の時に野球部に入りました。兄の大学進学を断念した結果、京都府立峰山高校に進学できました。しかし無名の高校だったので、54年に南海ホークスにテスト生として入団しましたが成績が振るわず、戦力外通告を受けました。ところが、正捕手の事故などにより残留が決まりました。

3年目の56年に一軍に抜擢され正捕手の座に座りましたが、カーブがまったく打てなく空振りを繰り返していました。そこで思いついたのが、投手のクセを徹底的に研究することでした。その結果、打撃力が飛躍的に向上しました。そして57年にはホームラン王に、65年には戦後初の三冠王に輝きました。ただ、「神様、仏様、稲尾様」と形容された稲尾和久投手には手も足も出ませんでした。打開策として、自ら16ミリカメラでそのフォームを撮影し、その細かなクセをついに見つけました。そのことが、その後の氏の人生を変えたと言われています。

同時期に活躍していた長嶋選手や王選手が脚光を浴びる一方で、マスコミで氏の露出が少ないので、考えたのが「長嶋や王がひまわりならば、自分は人目のつかない所でひっそり咲く月見草」という名言でした。以来「月見草」が氏の代名詞となりました。

70年には監督兼任捕手となり、2000本安打も達成しました。その後、ロッテ、西武と移り、80年には前人未踏の3000試合出場を達成し、45歳で引退しました。現役成績は、打率277、657本塁打、1988打点、首位打者1回、ホームラン王9回、打点王7回、まさに歴代最高の捕手でした。おそらく、このような捕手はもう現れないと思います。

現役引退後は9年間テレビ朝日の野球解説者をしました。そのときに使ったのが「野村スコープ」でした。ストライクゾーンを9分割にして、捕手として培ったインサイドワークで、投手が次にどこにどんな球を投げるのを予想し、それがズバリ的中。野球解説に革命を起こしたと言われています。このスコープは現在では広く世界で使われています。

監督としては、1968年~77年(選手兼任監督)南海ホークス、90年~98年ヤクルトスワローズ、99年~2001年阪神タイガース、06年~09年東北楽天ゴールデンイーグルスを率いました。ヤクルト就任時に「1年目に土を耕し、2年目に種をまき、3年目に花を咲かす」という名言通りに3年目にリーグ優勝をし、4年目に日本一に輝きました。「チームが勝つには現場と首脳陣が協力しないとダメ」と言い続けました。

師弟関係にあった古田敦也さん(通算2097安打、10度のベストナイン、2度のMVP、そして選手会長としても活躍)は、その訃報に際して「頭を使えば弱いチームが強いチームになることをたたき込まれた。影響を受けた野村さんの教えを次の世代伝えていくのが役割だったと思っている」と述べています。

阪神タイガース時代は3年連続の最下位、それはオーナーが補強について積極的ではなかったからと言われています。その後、シダックスという社会人チームの監督になり都市対抗野球で弱小チームを準優勝に導きました。

次にプロ野球の監督をしたのが東北楽天ゴールデンイーグルスでした。新球団設立2年目のことでした。3年目にクライマックスシリーズまで進みましたが、3年目に退団しました。「マー君、神の子、不思議な子」と言われ時の人となった田中将大投手を育てました。入団1年目から打たれても、打たれても使い続け、11勝7敗、防御率3.82の成績で新人王に輝きました。田中投手はその訃報に際し、「野村監督には、ピッチングとはなにか。そして野球とは何かを一から教えていただきました。プロ入り1年目に出会い、指導してもらったことが野球人生における最大の幸運のひとつです」と述べています。

氏の名言は数多ありますが、そのいくつかを紹介します。

「失敗」と書いて「せいちょう」と読む。

「どうするか」を考えない人に、「どうなるか」は見えない。

「恥ずかしい」と感じることから進歩は始まる。

「失敗の根拠」さえはっきりしていればいい。それは次につながるから。

組織はリーダーの力量以上に伸びない。

部下を「信じる」というのは、リーダーの重要な資質。

不器用な人間は苦労するけれど、徹してやれば器用な人間よりも不器用な方が、最後は勝つ。

など、野球選手以外、特にビジネスに関わる人に通じるものばかりです。私は、氏の波瀾万丈の人生から大いに学びました。語録を思い出しては、自分自身の成長につなげていきたいと思います。

男は……~時代は変わりつつあります~

私の運転する車が新年早々渋滞に巻き込まれました。ふと目にした看板が印象的で、すぐに車内にあるメモ帳に書き留めました。「男と看板はだまってしゃべる。~書かんとわからんし、書きすぎても伝わらん~」これは、とある看板屋さんの玄関にある「看板」に書かれていた言葉です。なかなか、洒落たキャッチコピーで、看板の持っている本質を突いているのだと思います。しかし、「男は‥だまって‥」の部分は少し違和感を持ちました。

今や都市伝説化された「男は黙ってサッポロビール」のCMに大きな影響を多分に受けていると容易に思われます。このCMには今から半世紀前の1970年、当時の超大物俳優、故三船敏郎さんが起用され、一世を風靡しターゲットであった「お父さんたち」を刺激し、流行語にもなりました。しかし、今やターゲットは間違えなく「お父さん」から「全世代」へと大きく変化していて、最近のビールCMには有名な女優さんがたくさん出演しています。

「とき」はあれから半世紀経過し、今年の正月に高視聴率をたたき出した箱根駅伝のことです。最終区、まさかの逆転劇でした。テレビに釘付けだった私の妻が追い上げ、追い越す選手を伴走車から鼓舞した駒澤大学の監督の檄に不快感を抱き怒りをぶつけていました。その言葉は「男だろ!」「やったよ、男だ」ここぞの場面で「活を入れる」ために使った言葉だそうです。しかも、アナウンサーまでも「男をあげた」、選手も「監督を男に」やはり違和感があります。女子駅伝では「女だろ!」とは決して言いません。精一杯頑張る姿勢に、男も女もありません。

ところで「選択的夫婦別姓制度」を導入する世論は高まり、昨年11月の民間調査では7割を超えています。反対派は、夫婦別姓にすると「家族の絆が弱くなる」「子どもが不幸になる」と言います。しかし、社会は多様化しています。夫婦や家族にさまざまな形があります。世界では法律で同姓を強制しているのは日本だけで、外国では家族の絆が弱いとか、子どもが不幸だとかいうことはありません。

現在の日本では、離婚や再婚が増えていて、婚姻する4組に1組が双方か片方が再婚です。婚姻のたびに姓を変えることの不便さを感じる人は少なからず存在しています。また、独身の時に培ってきた姓を変えることへの不満もあります。私の知り合いの同業者が、結婚の際に、事務所名を含め手続きが煩雑だったと嘆いていました。

現行制度は、同姓を強制して、違う名前を選ぼうとする人たちに選ばせないことです。選択的夫婦別姓を認めるかどうかは、自分と違う生き方を尊重するかどうか、つまり多様な生き方を認める社会かどうかの試金石といえるでしょう。「男らしさ」や「女らしさ」だけでなく、自分らしく生きられる社会にしていかないといけないと思います。

菅首相にも責任があります。かつて選択的夫婦別姓を提唱していたからです。昨年11月の国会で「政治家としてそうしたことを申し上げてきたことには責任がある」と答弁しています。「先手・先手」は口先だけで、さまざまな対応が「後手・後手」になっているのではないでしょうか。

あなたは持ち家派?それとも賃貸派?~定年を迎える相談者の事例から~

先日、もうすぐ定年を迎えるご主人と専業主婦である奥様が事務所に相談に来られました。退職金に対する課税など事前によく調べておられ、いくつかの疑問にだけお答えして相談は終わろうとしていました。相談の最後に「住宅を購入したら節税になりますよね。」とふと質問されました。

相談者は大手企業の転勤族で地方都市を転々とされ、現在までずっと社宅に住まれていました。現在お子さんは、独立され近くにバス停がある便利な場所の賃貸アパートにお二人で住んでおられます。確かに、住宅を購入すると所得税が軽減されるインセンティブがありますが、このご夫婦にとって持ち家の購入がベストチョイスなのでしょうか?

私は、このご夫婦にとって「持ち家の選択は好ましくない。」と回答しました。その理由にご夫婦で納得されました。

そこで、住宅は持ち家が良いのか、賃貸が良いのか私の経験則を踏まえて考えました。私は結婚して以後、都会での新婚時代を過ごした賃貸アパート、子供ができその成長につれ広さの違う分譲マンションに住み替え、Uターンをしてすぐに賃貸の戸建て住宅、妻にせがまれ購入した現在の3LDKの中古の自己所有の戸建て住宅と転々としてきた経験があります。

とてもきれい好きでたびたびリフォームがしたいという妻の要望に応えて、これまで幾度となく数十万円から数百万円単位の支出をしてきました。「引っ越し貧乏」とは的を射た諺です。その都度、必要なものは紛失し、中途半端な家具などの購入をしてきました。もし時計を逆回しにできれば、購入をやめ、賃貸一本で過ごすチョイスをしていたと思います。

日本では、伝統的に持ち家政策があります。住宅ローン控除や固定資産税などの減免などです。それは、裾野が広い住宅関連業界やローンを組む金融機関などが潤う景気浮揚策のためです。

ところが一方で、政府の悩みのタネは空き家住宅です。現在、空き家率は約15%で、その割合が少ない都会でも10%を超え、地方になれば20%を超えています。団塊の世代の相続が進めば、さらに空き家は急速に進むと言われています。

住宅の需要と供給のアンバランス、次世代になると使えなくなる住宅の品質の問題、そして従前から続く相変わらず持ち家政策に偏ったことなどが原因と考えられます。

住宅を購入するメリットとして、①自分の住みたい空間ができる、②住宅の支出を相対的に抑止することができる、③資産として残ることが言われています。しかし、それは本当でしょうか。

①は、購入時には住みたい空間でもライフ・ステージの変化に伴い変わります。②は、壁の塗り替え、屋根瓦の交換など経年劣化を防ぐための費用だけでなく、リフォームなど意外に支出が大きくなります。③は、住宅ローンが長期ローンだと定年までに返済できないことや、資産として残ったとしても、特に地方では古い住宅は売却することは困難を極めます。また、相続になってもわが家のように相続人にとって不要な物件は空き家になる可能性が高いと言えます。

反対に賃貸では、①いつでも自由に引っ越しができる、②固定資産税などの維持費用や設備の交換や修理費用の負担がない、③収入やライフ・ステージに合わせて住居費をコントロールすることができるなどのメリットがあります。特にお勧めなのが、「分譲マンションの賃貸貸し」です。それは、マンションそのものが合理的な間取りであることと分譲用に作られたものはクオリティが高いという理由です。

件の相談者の場合には、税制の優遇措置が受けられるからといってなけなしの退職金を住宅の購入で支出するのではなく老後資金として有効に活用する方が望ましく、現在の便利なアパートに住み続けるのがベストチョイス方であるとの私の提案に頷かれていました。

ただし、価値観は人それぞれ違います。結婚するのかしないのか、子どもを作るのか作らないのか、夫婦で働くのかどうかもそれぞれの自由です。

また、結婚をするときに考えないといけないのは、「住宅資金」「子育て資金」「老後資金」の3つです。それを、収入と支出のバランスを考えながら未来をシミュレーションすることが大事です。

しかし、3組に1組が離婚をするといった昨今の夫婦事情があります。その場合に足かせになるのが、やはり持ち家になります。そうしたリスクを最小限にするためにも私個人としては、賃貸派です。

最後に言いたいのが、空き家対策を考えるならば持ち家政策はやめるべきだと言うことです。持ち家であろうが賃貸であろうが、空き家活用をする人にインセンティブを与える施策を講じて欲しいものです。

政治家とお金~知られていない官房機密費の実体~

年の瀬も押し迫って、吉川貴盛元農林水産大臣が21日に議員辞職を表明しました。氏をめぐっては、河井前法相夫の捜査中に浮上した広島県内の鶏卵生産大手のアキタフーズグループ元会長から、大臣室で数回にわたり現金500万円を受け取った疑惑が生じています。疑惑が発覚した当初は、不整脈を訴えて入院し「ご心配をかけていることをおわび」して自民党選挙対策委員長代行や北海道連会長、所属する二階派の事務所総長を退いていました。不整脈は慢性心不全となり、さらに手術を受けることになるとの報道です。役職の辞任も議員辞職もあくまで病気を理由にしていますが、いささか首をかしげてしまいます。

また、安倍前首相の「桜を見る会」をめぐっては、安倍氏側が前夜祭の参加費とホテルでの実費の差額が910万円余りあったにもかかわらず政治資金収支報告書にその記載がなったことで秘書が略式起訴されそうですが、本人の起訴はどうやら免れるようです。しかし、氏が国会で「明細書はない」「事務所は関与していない」「差額は補填していない」と合計118回の答弁をしました。自民党はこの間の内閣支持率の低下を危惧し、菅総理の政権運営に支障が起きないように、検察の捜査や本人の意向を踏まえ年内の国会での答弁をせざるを得ない状況になっています。

これ以外にも今年も政治とお金をめぐる事件がありました。IR汚職事件で起訴された担当副大臣の秋元司被告や公職選挙法違反事件で公判中の河井夫妻などは氷山の一角です。

いずれの事件についても政治家としての責任を明確にして、その説明責任を果たしてもらいたいものです。そして、具体的にどのような責任をとるか明言をすべきでしょう。それが議会制民主主義の根幹だからです。

政治とお金の問題と言えば、国民に余り知らされずに悪しき習慣と入れるものが官房機密費の存在です。Wikipediaでは、「内閣官房報償費は、国政の運営上必要な場合、内閣官房長官の判断で支出される経費。 内閣官房機密費とも呼ばれる。 会計処理は内閣総務官が所掌する。支出には領収書が不要で、会計検査院による監査も免除されており、原則使途が公開されることはない。」とされています。言い換えれば、『ヤミ金』です。

菅首相が官房長官時代(2012年12月から今年9月半ば)に受け取った機密費の総額はなんと86億円を超えます。1年で11億円を超えます。一体何に使ったのでしょうか。

機密費をめぐっては、市民団体が情報公開を求めた訴訟で最高裁は一部の開示を認めました。その際、原告と弁護団は管氏に、政治家・公務員・マスコミ・評論家に支出しないことと、使途を非公開にする期間を決めその期間が過ぎれば公開することなどを提言していますが、管氏はまるでそれに答えていません。

政治とお金をめぐる不正の根底には、領収書の要らない経費である機密費の存在があるのではないでしょうか。菅首相が「日本学術会議は、年間約10億円を使っている。国民に理解される存在でなければならない」と発言していますが、機密費についてはどう弁明するのでしょうか。批判されるのは、日本学術会議ではなく首相自身ではないでしょうか。

マイナンバーカードの強要の危うさ~普及が進まないのは政府に対する信頼感のなさか?~

管政権はデジタル社会の推進を旗印として、デジタル庁の創設を軸に公的な申請のデジタル化を推し進めようと躍起になっています。

その中で、マイナンバー制度(以下制度とします)を「デジタル社会のパスポート」と位置づけて、マイナンバーカード(以下カードとします)に銀行口座をはじめ、健康保険証や運転免許証などを無理やり紐付けしてカードをすべての国民に持たせることで、国民のプライバシーを脅かし、監視型社会の拡大をしようとしています。その狙いを紐解いてみます。

導入当初は、コロナ禍で延期になった東京オリンピックの競技会場での本人確認をカードでするといったことも検討されていましたが、その普及は一向に進んでいません。現在の普及率は全国で22%しかありません。この普及率を2022年度末までに100%に引き上げる目標を立て、ありとあらゆる手を考えています。

まずは、銀行口座との紐付けです。1人当たり10万円の特定定額給付金を支給する際に、カードを使ったオンライン申請でシステムダウンがおき、その事務にあたった市町村が大混乱になりました。自民党などはこの不備を逆手にとって、給付金の口座と制度とを紐付けしようとしています。また平井デジタル相は、義務化と罰則をセットにするという見解を示しています。もとより、制度は住民基本台帳を基礎としていますから、一番に手をさしのべなくてはならないホームレスのような住民票のない弱者には手が届かない仕組みになっていることも問題です。

カードは2021年3月から本人が希望すれば健康保険証の機能を上乗せするような制度設計をしています。病院や診療所、調剤薬局で顔認証付きのカードリーダーにかざすと本人確認ができ、薬の利用歴を本人や医療機関が閲覧したり、医療費情報を確定申告でも活用できるようです。その機器は医療機関に無償で配布しますが、現時点での申し込みは2割に満たない状況です。笛吹けども踊らぬ状況なので、将来は保険証の交付をやめることで、カード利用を促進する戦略です。

運転免許証もカード普及の対象です。運転免許証は国民の3人に2人が持っているいわば顔写真付きの身分証明書です。法律ではカードの取得は任意ですが、警察庁が検討しているようにカードのなかに免許証情報が入るとなれば、事実上、運転免許をとりたければカードを取得せざるを得ません。デジタル化と運転免許証の連結という意味で言えば、既に今の免許証はICカード化されています。仮に免許証がカードと一体化されれば、免許の有効期限、眼鏡等の条件が表から消えてしまいます。交通取締りに当たる現場のためにカードリーダーが必要になりますし、セキュリティー対策も必要になります。

かなりの予算をかけてCMもしているマイナポイントの普及も9月から開始していますが、利用見込みの4,000万人に対して、申込者は約500万にも満たないという不人気です。理由は「複雑で面倒」が4割、「セキュリティー面で不安」が3割となっています。面倒な手続きまでしてやるほど劇的なメリットがないと言えます。

確かに行政のデジタル化は国の存亡をかけた大事業です。しかし悲しいかな、国民の政府に対する信頼感は著しく低下しています。例えば「モリ・カケ・さくら」問題での行政文書の改ざん、廃棄、虚偽答弁などが顕著にそれを物語っています。国民からの信頼無くしてデジタル化は遅々と進まないでしょう。

さらに、監視社会のさらなる強化も危惧されます。カードが義務化されれば、例えば警察官に職務質問をされたら、カードをかざしただけで、犯罪歴だけでなく健康状態などの個人情報が丸裸になります。韓国のような住民登録番号が流出して悪用されることも想定しなくてはなりません。もちろん、カード所有者の「カード閲覧履歴をいつでも見られる権利」の確保も重要な課題です。カードに個人番号を書かない工夫やハッキングに対する対応策も講ずるべきです。

先進国のなかでかなり遅れている行政のデジタル化を進める手段として不可欠なのは、「急がば回れ」の諺のごとく国民の理解と協力を得ながら国民目線の制度を進めることが必要です。

聞きやすく、伝わりやすい話し方~口癖にしたい3つの話術~

コロナ禍で私の講演がビデオ収録になりました。それを聞き直してみると、言葉に詰まると「えっー」を乱発していました。恥ずかしい限りですが、自分の講演を自分で聞くことが今までなかったので早速この悪い癖は直す努力をしたいと思います。

先日行われた日本シリーズ第3戦で7回をノーヒットで抑えてヒーローインタビューを受けたソフトバンクのムーア投手も、会話の内容はよく分かりませんが「You Know」という言葉を連発していました。

会話などの途中でなかなか言葉が出ないときについつい出てしまい、それを多用すると聞きづらい表現になる言葉があります。日本語では、「えっー」「あー」「まあ」「なんか」などです。英語だと「You Know」「Well」「Let Me See」「But」などがそれに当たります。

なくて七癖という諺もあるように、誰もそれぞれ話し方に癖があります。それが個性という程度であれば良いのですが、どうも聞きにくいと思えば、万人が聞きやすいように改善する必要があります。その癖を他人から指摘されることは少ないので、自らが自らの癖に気づき矯正していく努力が大事だと考えます。染みついた癖はなかなか直りませんがその努力が大事です。

さて、聞きやすく伝わりやすいしゃべり方としては、短い表現で分かり易い表現を使いたいものです。仕事でもプライベートでも、やたらと話は長いけれど、何を言いたいのか、結論は何なのかが分からない人が少なくありません。このような「だらだら表現」を治すために、癖にしたい魔法のような表現方法があります。それは、次の3つです。

1つに目は、「結論から言えば……」と結論から言うことです。例えば、顧客からの苦情処理のことを上司に報告するケースで考えてみると、話の下手な人は、「朝10時位に電話で連絡があって、それは……だから……つまり……」などと報告します。上司が聞きたいのは時系列の事柄ではなく、苦情処理が上手くいったのかどうかです。話のうまい人はズバリ、結論から言います。そのことにより、上司は安心します。その後に、その経過や対処法を報告します。すると話は短くなり、上司との関係も良好に行きます。

2つ目は、「伝えたいことは3つあります」と言う表現です。これはナンバリングという手法ですが、複数のことを要領よく伝えたいときに有効です。すべての事柄を3つに要約して行く手法です。「伝えたいことは3つです。言いたい事柄の1つ目は○○○です。2つ目は△△△です。3つ目は□□□」と言ってから、それぞれの事項を話すか、それぞれの事項の頭に「1つ目は」「2つ目は」「3つ目は」と言い項目を話すことも有効です。この手法を用いることで、自分の言いたいことの論点整理になるし、聞く側にもスムーズにその内容が入ってきます。

3つ目は、「話は3分間」でまとめることです。3分あれば、かなりの情報量を聞き手に伝えやすくなります。朝礼の一言スピーチなどで、砂時計などを用いて上記の2つのことを織り交ぜて訓練すれば相当の訓練になります。そのことの応用として、与えられた時間以内で話を終えることにつながります。プレゼンや営業トーク、講演会などでも役に立ちます。

菅新内閣の予算編成について考える

新型コロナウイルスの影響で日本経済はかつていない脆弱さを露呈しました。その要因となったのが新自由主義的思考です。新自由主義的思考とは、政府などによる規制の最小化と自由競争を重んじる考え方で大企業と富裕層の利潤を最大化し、社会保障など公的サービスを切り捨て、自己責任を押しつけるものです。

この考え方の弊害の具体例がコロナ禍で必要とされた保健所の数です。1990年には850ヶ所だったものが、2020年までの30年間で469ヶ所と約半数近くに激減しました。この減少が、PCR検査が十分に行われなかった要因のひとつです。

この思考は中曽根元首相から始まり、歴代1位の在位を成し遂げた安倍前首相に脈々と受け継がれ、菅新首相もその後継者として「自助・共助・公助」を掲げ、露骨に新自由主義剥き出しの路線を継承しています。

そんな菅内閣が発足して初めての予算編成です。その内容と特徴は菅政権の今後を占うような内容になっています。

各省庁が提出した21年度の概算要求・要望の合計額は約105.4兆円で、100兆円を超えるのは7年連続です。新型コロナウイルスへの政府対応が優先され、提出締め切りは例年より1ヶ月遅い9月末となりました。

要求額を算出する基準も簡単にして、前年度の当初予算がベースになっています。コロナ対応など「緊急な経費」は別枠で、上限なく要望が出せます。その結果、コロナ対策費は、現時点で金額を示さない「事項要求」が多いことが特徴です。

事項要求とは、各省庁が概算要求を行う際に個別政策の予算要求額を明示せず、項目だけ記載することを言い、政策が細部まで決定されておらず予算額が不明な場合などに用いられます。その結果、年末に閣議決定される予算案は歳出総額が過去最大を更新する見通しです。

内容をみると無駄な公共投資は相変わらず続いており、人口減少と都市と地方の格差はますます開き、大手ゼネコンばかりが超え太るような内容になっています。

国民に対する監視の強化や個人情報の漏洩が危惧されているマイナンバーカードの普及促進のために1,451億円を要求しています。それにより、健康保険証、運転免許証、国税、年金などの情報を無理やり紐付けしようと画策しています。

コロナ対策では、行政検査としておこなうPCR検査の半額を自治体が負担していることへの解決策を提示していません。

中小企業対策費は、事業者の経営の下支えや支援ではなく、事業承継等の新陳代謝に力点が置かれています。日本の企業の99.7%、雇用の7割を占める中小企業が光となるような予算規模になっていません。逆に中小企業の生産性を高めるためにその再編を積極的に打ち出している菅政権の姿を投影した予算です。

防衛費は総額5兆4,898億円で前年度予算の3.3%増です。辺野古新基地建設経費やイージス・アショアの代替経費は事項要求になり、具体的な予算を計上しないでも9年連続で前年を上回り7年連続で過去最大を更新しています。新たにステルス機F35を6機購入し666億円を計上しています。これにより、後年度負担額は5兆4,585億円にものぼり予算が固定化しています。

無駄遣い?新センチュリーが議長車に!

山口県が今年4月に貴賓車として2,090万円で購入した最高級車「センチュリー」をめぐって、県民から多くの批判を呼んでいます。また新聞報道もされ、TVのワイドショーにもとり挙げられ、村岡嗣政知事も対応に苦慮しています。新聞報道からこの購入の経緯などをまとめました。

この黒塗りのセンチュリーは5リットルエンジンに車内にはスピーカー20個、後部座席にはもみほぐしのマッサージ機能や11.6インチのモニターを備えています。

昨年度までに県が所有していたセンチュリーは3台、2002年に貴賓車として1,061万円で、07年に議長車と1,061万円、13年に副知事車として1,260万円でそれぞれ購入されています。

県は今年度からこの3台を一括して「皇室対応用車両」に見直して、一体的に管理する体制に変更するとしていますが、旧貴賓車は運転日誌が残る直近3年間で走ったのは13日間だけです。うち皇族の利用は18年10月に山口市で開催された全国都市緑化祭で秋篠宮ご夫妻を運んだのが最後となっています。

また、現時点で皇室からの来県予定はなく、「皇室から貴賓車の所有を求められたことはない」ということです。現在、県が所有する2台のセンチュリーは、議長と副議長の送迎等のために使われ続けています。

一方、知事の公用車は防府市に工場を構えるマツダ大型CSV(スポーツ用多目的車)のCX-8、購入価格は371万円です。他県の知事車は、セダンではなくミニバンのトヨタ・アルファードなどが主流となっており高級車よりは、より機動性が良いものになりつつあります。

県によると、新型コロナ禍で大幅な税収減が見込まれることなどから、現時点で来年度の財政不足は70億円を見込んでいます。

こうしたなかでのセンチュリー購入は、議案の議決権を握る議会への忖度ではないかとの声も出ています。知事車の5.6倍もする高級乗用車の購入は、無駄遣いのそしりを免れません。

知事は記者会見で「これまでの運用実績から従来通りとしたが、様々な観点で十分な比較検討を行う必要があった。今後は十分な精査をしていきたい。県民の皆様からの批判があるのも承知している。」との認識はありながら、売却して安い車に買い替えるかについては「考えていない。いろいろなご意見があると思うが、購入したものをしっかり運用し、有効活用をしていきたい」と苦しい胸の内をさらしています。

結局のところ、今回のセンチュリーの購入は、「皇室をだしにして、議長車を新調した」とみられても仕方がありません。

しかも、この20年間、県予算の説明資料に4台のセンチュリーの購入にかかわる記述はまったくありません。議会、県民にまったく説明しないまま、高価な買い物を続けていた県の姿勢が問われています。

識者も「財政難のなか、時代錯誤も甚だしい。」「黒塗りの公用車を権威やステータスの象徴とみる時代はもはや終わった。」「合理性を欠く支出と言わざるを得ない」とコメントしています。

その費用は国民の税金から~中曽根康弘元首相の葬儀費用について思うこと~

東京新聞9月30日の報道では中曽根康弘元首相の葬儀費用のことを以下のように報じています。一部を抜粋して紹介をします。

『故中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の経費として政府は約9,600万円を支出する。故人を悼むのは当然としても、新型コロナ対応で財政が逼迫する中、1億円近い税金の支出は妥当なのか。

昨年11月に亡くなった中曽根氏の内閣・自民党合同葬は10月17日、都内のホテルで行われ、菅義偉首相が葬儀委員長を務める。当初は今年3月に予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、延期されていた。

「国葬令」が廃止された戦後、首相経験者の葬儀形式には明確な基準がなく吉田茂氏(1967年)は内閣主催の「国葬儀」、佐藤栄作氏(75年)は内閣・自民党と国民有志の共催で「国民葬」が行われた。

内閣・自民党合同葬が行われるようになったのは大平正芳氏(80年)からで、以後、岸信介、福田赳夫、小渕恵三、鈴木善幸、橋本龍太郎、宮沢喜一の各氏が合同葬の形式で行われてきた。

費用は内閣と自民党の折半で、近年では、橋本氏(2006年)の合同葬に7,700万円、宮沢氏(07年)には7,696万円が政府から支出されている。

中曽根氏の場合、約2,000万円が上積みされた形で、加藤勝信官房長官は記者会見で「延期前に比べて少し増加しているが、葬儀は簡素にしつつ、コロナ対策に万全を期す必要がある。そういう観点から積み上げられた必要最小限の経費」と説明している。

ただ、中曽根氏の合同葬には一般参列は想定されておらず、内外からの弔問も極めて限られる。

新型コロナ対策に万全を期すというが、コロナ禍で国民が苦しい生活を強いられ、国の財政も厳しさを増す中、1億円近い支出が妥当か、合同葬の規模や在り方を含めて検討の余地はなかったのか。

「前例主義を打ち破る」と菅首相は言っていたが、合同葬は先例などを総合的に勘案したという。期待外れの印象は否めない。』

葬儀にかかる予算総額は約1.9億円です。それを主催する内閣と自民党が折半する形で捻出します。内閣府の負担は一般予算の予備費から支出するものなので、純然たる税金です。さらに自民党の負担も、その原資の大部分は政党交付金なので、これも広い意味では国民の血税となります。

東京新聞も報じているように、コロナ禍で財政が逼迫するなかの支出は、国民的な合意が得られているのか極めて疑問です。

内閣府によれば、首相経験者でも必ず合同葬の対象になるわけではなく、生前の功績などを総合的に考慮して決まるそうですが、納税者の血税を投ずるのであれば、その税はともかく、明確な基準や説明があって然るべきでしょう。

さらに、国民一人当たり250円、総額300億円を超える政党交付金は、支持もしていない政党へ渡されています。

他国と比較しても、ドイツは日本の約2分の1の174億2,300万円(上限として政党収入の半分をこえてはならない)、フランスは日本の約3分の1の98億円、イギリスは、日本の110分の1の2億9,200円、アメリカ、イタリアではこの制度はありません。しかも使途が制限されていません。額も内容も世界でも異常な「バラマキ」と言われています。

この制度についても、「政治とお金」の問題として本当にこの制度が良いのかどうか改めて考えて見るべきではないのでしょうか。

持続化給付金~税理士が不正給付に関与か~

2020年9月25日の税理士新聞(会計事務所のための実践的経営情報誌)に信じられない記事が載っていました。あきれるというか空恐ろしい内容だったので全文紹介します。

記事の内容は次の通りです。

1800申請で5億円取得 沖縄県那覇市に事務所を構える50代の男性税理士が、持続化給付金の不正取得に関して約5億円を手数料として得た疑いがあることが分かった。複数のメディアが報じた。既に沖縄県警は事務所を含め関係先4ヶ所を家宅捜索。任意の事情聴取も行い、県内で多発している不正受給の操作を進めている。

税理士の男性は6月から7月にかけて、事業をしていない人たちに虚偽の確定申告書類などを用意させて、最大200万円の持続化給付金の虚偽申請を行っていた。関与先の従業員一人ひとりを独立した事業主に見せかけて多額の給付金を受け取った疑いもあるという。作成に関与したのは給付金の申請代行約700件、確定申告書1,000件で、着手金や手数料の名目で給付金の3割程度を受け取り、不正に取得した額は約5億円に上るとみられる。

男性は11日、琉球タイムズの取材に応じ、大量の申請代行を行ったことを認めた上で「なかには不正な申請も含まれたかもしれない」述べたという。

神津会長「言語道断」この報道を受け、日本税理士会連合会の神津信一会長は11日、ホームページ上で「持続化給付金等の適正な支援について」とするコメントを発表した。「給付金の不正受給は犯罪行為であり、税理士にはその未然防止の役割も期待されているところ、税理士自らが不正に加担することは言語道断」と強く批判し、「各税理士に対して改めて法令遵守を強く要請する」と呼び掛けた。』

どの業界でも多かれ少なかれ、嘘をついたり、ごまかしたりして法令遵守をしていない輩が少数だと思いますがいることは否めません。しかし、多くの税理士は不正に加担することなく、むしろ不正受給の未然防止に寄与しています。

当事務所にも、まったく所得税の確定申告をしていなく、申告に必要な証憑書類も残していないが、「友人たちが簡単に持続化給付金の受給ができているのでして欲しい。」と相談に来られましたが、「適正な申告をしないと手続きできません。」と説明したところ、他を当たってみるということがありました。

また、個人の白色申告者で「売上が1000万円を超えたので消費税の申告をしないといけないと知りながら、収支内訳書を付けずに単に所得金額を適当に申告された人」が来所され相談しました。事務所の方針として、「過年度分の適正申告を消費税、所得税ともしないとお手伝いはできませんよ。」とお伝えするとこの方も他の税理士を探すと言われました。「他の税理士も同じように答えますよ。」と念のためお伝えしておきました。

それにしても那覇の税理士は、税理士全体の社会的信頼を失墜した犯罪をこれほど多くやったことにあきれてものが言えません。発見されないとでも思ったのでしょうか。仮に発見されなかったら「得べかりし利益」はどうしたのでしょうか。困った人がいたものです。

カタカナ用語と日本語の国際化~異文化をどのように表現するのか~

新聞紙上のアンケート調査によると、近頃のカタカナ用語は理解できるかという質問に対して「いいえ」が72%を占めていました。その理由としてダントツの1位は、「意味がわからずモヤモヤする」2位は「漢字やひらがなで翻訳すべき」でした。

そういえば、税務署の問答集などがいつの間にか「Q&A」から「FAQ」に変わっていることに違和感を覚えたのは私だけではないでしょう。多くの税務署員に聞いても、変わった経緯や意味を理解していた人は1人もいませんでした。おそらく、財務省のキャリアが変えたものだと思いますが、上記アンケートの3位にある「気取った感じでイライラする」ことは否めません。

「Q&A (question and answer)」は日本語に訳すと『質問と回答』という意味で、ひとつの質問に関してひとつの回答が載っています。一方、「FAQ」は日本語に訳すと『よくある質問。(frequently asked question)』という意味で、質問だけでなくそれに対する回答も載っています。変えるのであれば、その意味や経過を問答集などに載せたら違和感の減少につながると思うのですが。

さて、漢字やひらがなで表記してほしいカタカナ用語の上位5位を上から並べると、インキュベレーション「親鳥が卵を抱く、転じて企業支援」、アジェンダ「議事日程、行動計画」、サブスクリプション「雑誌の予約購読」、オーバーシュート「度を超す、新型コロナが蔓延してきて感染者(患者)の爆発的増加」、インスタレーション「芸術的空間」の順です。

私見では、その意味を括弧書きなどしてそのままカタカナで表記した方がシックリいくのではないかと思います。

一方、日本語が国際用語になっているものもたくさんあります。私が週1回レッスンを受けている英語の先生が「信じられない」のダントツ第1位にあげたのが「Karoshi」過労死でした。その他、ネガティブなものとして「Hikikomori」引きこもり、「Otaku」おたくなどです。文化の違いからは「Susi」寿司、「Sake」酒、「Judo」柔道、「Tempura」天ぷらなどがあります。興味のあるものでは「Mottainai」もったいない、Anine「アニメ」なども使われています。

英会話レッスンで使っているテキストの中に英訳できないものの代表として「行ってきます」と「行ってらっしゃい」があります。もし英語で無理やり表現すると「行ってきます」は「See you later」、「行ってらっしゃい」は「Bye」になると記載されていました。

英語は世界各国で使われていますが、日本語は、島国である「日本国」でしか使われません。私は、英会話の勉強をする中で、多くの文化の違いを感じているところです。

今後、インバウンドを数多く迎えて「観光大国」にするという国家戦略がありますが、文法などもまるで違う英語を今の若者には身につけてもらい「バイリンガル」つまり「2つの言語で話せる能力を持つ人」になってもらうことが大事だと思います。そうでないと、否が応でも「グローバル化」している国際社会に通用しなくなるでしょう。

成長しない国ニッポンとアジアの世紀~内部留保のため込みすぎが成長を妨げているのか?~

20世紀は「戦争の世紀」と言われましたが、21世紀は「アジアの世紀」と呼ばれています。 それは、新しい世紀に入ってアジア諸国が大きな発展を遂げているからです。

20世紀のアジアの経済秩序は日本が握って成長を遂げてきましたが、一極から多極へと変容しています。この要因は、①日本の経済成長が停滞していること、②日本を除くアジア諸国が豊かになったことで、その国内市場が拡大し地場産業が台頭するようになったこと、③グローバル化が進展し、アジア諸国がものづくりになくてはならない「世界の工場」となったことなどが考えられます。

因みに、2000年のアジア主要国の一人当たりのGDPのランキング(単位千ドル)の上位5カ国を上げると、1位日本38.5、2位香港25.6、3位シンガポール23.8、4位台湾14.9、5位韓国11.9でした。

それが2016年になると1位シンガポール53.0(222.6%増)、2位香港43.5(170.2%増)、3位日本38.9(101.0%)、4位韓国27.5(230.0%)5位台湾27.5(230.0%増)と日本は3位に転落し、伸び率はほぼゼロです。

伸び率上位5カ国は、1位中国の846.0%、2位ベトナム540.5%、3位インドネシア414.2%、4位タイ290.9%、フィリピン277.2%となっています。もっと新しいデータがあれば、中国の伸び率はさらに上昇していると思われます。

この数字を見ると、日本がアジアの成長に乗り遅れた「成長停滞国」となっていることがわかると思います。その原因のひとつが、日本がアジア諸国を部品の供給基地としていることと、もう一つが企業の内部留保を増やし新規の投資を控え、さらに労働力を正社員から派遣等に切り替え人件費を相対的に抑えていることにあると考えられます。

このコロナ禍でも、大企業の内部留保は増え続けています。財務省が発表している法人企業統計から計算すると、2020年1月から3月までの内部留保の金額は487.6兆円と過去最高になり、この1年間で40兆円近く積み増しています。その理由は、2001年をピークにした人件費の削減と1997年から始まった法人税の減税によってもたらされたものです。

この内部留保は、新たな設備投資に使われ雇用を生む「健全な内部留保」と租税回避地などに金融投資をしたり、自社株買いをして雇用や市場の拡大につながらない「不健全な内部留保」がありますが、日本の大企業の内部留保は「不健全な内部留保」となっています。

現金・預金と売却可能な有価証券を併せたものを手元流動性と言います。財界は、「手元流動資金はすぐに使える性格ものではない」言っていますが、日経新聞によると日本の手元流動性が総資産に占める比率は12%で、世界平均企業の6%の倍にあたります。

この資金を臨時的にコロナ対策資金として課税をすることが必要ではないかと思います。この内部留保課税は台湾や韓国でも実施されています。「富の偏在」をコロナ禍で破綻寸前の企業の救済や職を失ったり、大幅に賃金が下がっている人たちに給付金としてお金の循環を作り出して行くことこそ、「成長をする国」への回帰につながり「税の正義」にもかなうのではないでしょうか。

いよいよ税務調査が10月より始まります!~国税が訪問による税務調査を再開します~

日本経済新聞9月23日朝刊によると『全国の税務署や国税局が新型コロナウイルスの拡大感染のため、4月から中止していた新規の訪問税務調査を再開することが、関係者への取材で分かった。国税側は連休明けの23日から納税者に電話で受けてもらえるかどうか確認し、10月から開始する見通し。

中止が続くと税逃れの放置につながることに加え、来年2月に始まる所得税の確定申告受付に備え、10月中の再開が欠かせないと判断したとみられる。一方、調査は屋内で長時間実施することが多く、高齢の納税者が断る可能性もあり難しい対応を迫れそうだ。

日本税理士会連合会などの関係者によると、国税庁は12ある国税局・事務所のトップを集めた会議で再開を通知し、18日に日税連に連絡した。

国税庁は訪問時の感染防止策について「職員の人数や滞在する時間を可能な限り最小限にする」などとしている。』

確かに、国税庁では4月16日の所得税の確定申告期限以後の新規税務調査には着手していませんでした。ただしそれ以前に事前通知をしたものについては、納税者の理解と協力を得て、税務調査が行われていました。

しかし現実には、未曾有の感染拡大と本業の業績の圧迫により税務調査の進捗状況は思う通りには進んでいなかったようです。

実際、私の事務所が関与している顧問先にも調査開始の連絡が入りましたが、業績が悪く事務の職員も休業させていることと、社長が60歳代後半で、知らない人に会いたくないということで調査が延期になっています。

国税通則法という国税の基本となる法律によれば、いったん事前通知をした事案については、修正申告や更正・決定の処分をするか、調査の是認をしないと終われない法律構成になっています。私の知り合いの同業者所轄の国税局では、苦肉の策として、事前通知をしなかったことにすることで調査をひとまず終える処理をしているようです。

件の税務調査先の担当者は、私が他局の処理について述べたところ局に相談してみるといいながら、そのような処理をしてくれません。局によって取り扱いが違うというのはいかがなものなのでしょうか。

この調査は現在、コロナウイルスのワクチンができるまで調査が延期されることで合意をしていますが、自社の経営のことと税務調査のことで被調査先の心中は決して穏やかではないと思います。

おそらく、三密になる税務調査は、それを受ける方も調査する方も一抹の不安を抱いているのではないでしょうか。「中止が続くと税逃れの放置につながる」と国税庁は、「納税者性悪説」に立っています。納税者の多くは適正な申告をしようと務めています。もちろん、税務だけではなく様々な分野で、ごく一部悪質な人はいます。しかしこのコロナ禍の中、税務調査を再開するのはいかがなものかと私は思います。

税務調査について思うこと~中国税理士会からのアンケートに私はこう答えました~

8/15のブログに税制改正及び税務行政に関する意見として記載させていただきました。今回も中国税理士会からアンケートについて重複する部分もありますが意見を述べさせていただきたいと思います。

アンケートの質問は、1.税務調査に関する意見と2.税制改正及び税務行政に関する意見・要望の2項目でした。前者の税務調査に関する意見は、予め10項目(その内容については割愛します)の選択支から2つを記載するものでした。その中で私は「1調査期間が長い」と「2事前通知」を選択しました。

「1調査期間が長い」の回答については次のように回答しました。『税務調査は課税庁側にとっては、それが日常業務なので長い調査をしても特段支障はありません。一方、それを受ける納税者にとっては、もの凄いストレスになり、悪いことをしていなくても「夜寝られない」「日常業務のときも税務調査のことを考えてしまいミスを犯しがちである」などの弊害があります。巨悪には大きなペナルティーを課すのは当然として、任意調査は極力早く終わるように要望します。』

「2事前通知」の回答については次のように回答をしました。『事前通知は、国税通則法第74条の9で「税務署長等は……」と主語は明らかに税務署長等となっています。ところが、実務(現場)では、当該職員が事前通知を行っています。課税庁はマニュアルで、その条文にある11項目を通知できますが、納税者やその代理人である税理士は、それに十分に対応できません。条文を変え、事前通知を「文書」にすればトラブルの防止になります。』

後者の税制改正及び税務行政に関する意見・要望についてはA4一枚の事由記載になっていましたので、次のように回答しました。

『(結論)リーマンショック以上のコロナ禍の中、時限的にも消費税を5%に戻すか、0%にすることを要望します。

(論点)は下記①から④までを記載しましたが、現下の日本にとって重要なことです。

①日本は昨年10月から消費税を8%から10%に引き上げ(軽減税率として据え置かれたものもありましたが)ました。このとき、安倍首相は「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、消費税を引き上げる。」と明言をされていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大で、「リーマンショック」をはるかに超える世界的経済不況となっています。この明言(公約)を実施するならば、可及的速やかに引き下げるか、0%にすべきです。

②政府は「消費税は預かり金(的)だから、事業者は預かったお金を納めるべきだ」という「消費税の本質を煙に巻く」キャンペーンであり、実際多くの納税者は赤字でも消費税の納税ができず、廃業に追い込まれる実体があります。

③「納税の猶予」の措置をとっても、いつかは納税しなければならないことになります。

④ドイツでは4月よりレストランなどの外食への標準税率19%を軽減税率の7%に引き下げ、7月より標準税率19%を16%に、軽減税率を7%から5%に引き下げました。その他既に10ヶ国が消費税(付加価値税)の引き下げをしています。他国でできて日本でできないことはありません。

えっ、母が65万円の補聴器を買った!!~補聴器に見る日欧の違い~

私の母親は故郷の山口を離れて、私の妹が住んでいる広島市で介護付き高齢者住宅で生活をしています。1930年(昭和5年)生まれなので誕生日が来ると90歳になります。

その母が最近補聴器を買い換えたと妹から聞きました。金額を聞いてビックリ!なんと65万円したらしいのです。補聴器は消費税が非課税なのですが、その金額を聞いて驚きました。

5年前にも約30万円の補聴器を購入していました。加齢によることもあると思いますが、何度も調整をしてもらっても気に入らないらしく日頃はつけていないらしいです。

当初、無償で永年調整ができるという触れ込みだったのですが、購入したお店の一方的な都合により調整の無償化がなくなったそうです。

母は長らく公務員をしていた関係で、年金も比較的多くもらっていますが、国民年金だけで日々の暮らしがやっとの方にこの金額の補聴器の購入は、難しいのではないでしょうか。

最近のチラシに入っていた「ジャパネットたかた」のオムロンの補聴器39,800円の購入さえ難しいでしょう。両耳でこの値段かと思いきや虫眼鏡でしかわからないような小さな文字で「両耳装着の場合は2台必要です。」と書いてあります。2台だと79,600円です。それなりに大きな金額になります。分割12回までOKと書かれていても送料を入れると毎月約6,700円の出費になります。最近、高齢者の生活保護世帯が増えてきていますが、そのような境遇の方には絶望的な金額です。

それにしても、母が購入した補聴器は、オムロンのそれより約8倍します。確かに性能の差やメンテナンスの違いもあるのでしょうが、齢90歳の母には少々お高い買い物です。

そこで、日本と欧州の補聴器事情を調べて見ました。まず、補聴器の購入の助成ですが、イギリス、ノルウェー、デンマークは公的補助100%です。ドイツ、スイス、イタリア、フランスは現在のところ一部の補助金ですが21年までに「完全補助」をめざしています。

また、ほとんどの先進国が、補聴器販売のために資格が必要ですが、日本にはその規制がありません。つまり、補聴器に対する技能者がなくても販売ができるのです。また、欧米では、国家資格・公的資格を持つ補聴器技能者と医師が連携して補聴器を調整するシステムがあります。

日本補聴器工業会の調査によると、購入補聴器は10万円から20万円がほぼ半数を占め、20万円以上を含めると7割強にもなります。それをほとんど100%自己負担というのは高齢者にとってはかなり重い負担となります。

さらに、同工業会の調査によると補聴器の全体的満足度は、1位のフランスで84%、以下、スイス81%、ベルギー、ポーランドが80%、イタリアが79%など多くの先進国は70%を超えています。ところが、わが国の満足度は39%しかありません。つまり、私の母のように満足していない人が6割を超えているのです。

補聴器がないと高齢者の楽しみのひとつである井戸端会話の場に入れずに、結果として認知症の発症原因になり、その機能が衰えるスピードが速くなる高くなると考えられます。

今とる経済政策の最善の策は消費税を0%に凍結することです。~コロナ禍の中でドイツは付加価値税を7月から下げました~

「リーマンショック級の出来事がない限りは予定通り」この言葉を何度聞いたでしょうか。10%への引き上げを見送る常套句でした。

予定通り安倍内閣は、昨年10月に消費税の10%への引き上げという庶民大増税を強行しました。そのため、昨年10月から12月の四半期のGDPは年率で7.3%も減少する異常事態になりました。そのうえ今年からのコロナ危機で、日本経済は大不況に陥っています。

この不況から脱し、景気を回復させるうえで焦点となっているのが、消費税の減税です。

消費税率の引き下げを求める国会議員は自民党の112人、野党も併せると全国会議員の約30%になっています。消費税という税は、最も生活に密着してしかも、富裕層に有利で庶民に冷たい「逆進性の極めて強い」税制です。

ドイツでは、7月から標準税率を19%から16%に引き下げ、軽減税率を7%から5%に引き下げました。減税規模は200億ユーロ(約2.5兆円)で、新型コロナウイルスの感染拡大前の付加価値税収の1割弱に相当します。日本でもぜひ消費税減税を実現させましょう。

7年半におよぶアベノミクスは、大企業と富裕層をうるおしただけで、貧困と格差をさらに大きく広げました。しかも、このコロナ禍のもとでも大企業の内部留保は増え続け、488兆円にもふくれあがっています。いっぽうで社会保障は、介護、医療、年金などあらゆる分野で、給付の削減と負担増が実施され、庶民の負担はふえるばかりです。

いまこそ大企業と富裕層に応分の負担を求めて消費税の減税を実現すべきときです。当面は、ドイツ付加価値税減税のように現行の10%(軽減税率は8%)を5%にしていく、その結果経済が上昇基調になってくれば当面の間消費税をゼロに凍結すべきだと考えています。

財源はあります。消費課税に重きを置くのではなく、所得課税、資産課税にウエイトを置くのが本筋です。「不公正な税制をただす会」の試算では、大企業優遇税制をただすことで10.8兆円、法人税に所得税並みの累進税率の導入で10.5兆円、さらに所得税の累進制の強化で13.4兆円、所得税金融所得の課税強化で5.5兆円、相続税の累進制の強化で1.1兆円、合計41.3兆円の新しい財源試算を公表しています。令和元年度の消費税収21兆7190億円を廃止しても、20兆円のおつりがきます。

「消費税を一度下げたら再び上げるには数十年かかる」そんなばかげた理由で消費税引き下げ税論議を一蹴していることもあるようですが、どんな税目でもこれまで上げ下げは、頻繁にしています。繰り返しになりますが、ドイツ付加価値税減税を見習いましょう。

税制改正及び税務行政に関する意見~私の税制改正についての思い~

毎年、中国税理士会下関支部から税務調査等に関するアンケートがあります。これを集約して、広島国税局と中国税理士会が協議会をする参考資料にしているようです。

コロナ禍の中、税務調査がほとんど実施されていない状況の中、アンケートのほとんどが空欄でした。A4一枚の事由記載欄に11項目にわたって、アトランダムに今、私が思っている税制改正の意見を書いたので紹介します。

(1)リーマンショックをはるかに超えるコロナ禍の中で、消費税を5%に戻すか0%にするかを時限立法でも良いから可及的速やかに実施すること。

(2)上記の消費税を5%に戻す場合においては、軽減税率制度を止め単一税率にすること。

(3)広島国税局管内は税務調査期間が長いと他局の税理士からよく言われる。同じ国税庁にあって、他局との不公平があれば是正をすること。

(4)国税通則法第74条の9の主語は「税務署長等」になっているが、現場では当該職員が実施している。この条文を実体に合わせて当該職員とするか、口頭でなく文書でもって納税者及びその代理人である税理士に通知をするようにすること。

(5)相続税の調査においてその多くが、納税者だけでなく、その家族まで銀行等の預金調査をやっている実体がある。それは反面調査になるので止めるべきである。

(6)重加算税の意味を納税者に知らせずに、安易に重加算税の賦課をする傾向があるので、もし賦課するのであれば、その意味するところを納税者に理解してもらうまでは、一方的な賦課はすべきではない。

(7)若い調査官が一人で調査することがあるが、杓子定規な調査ではなく、納税者が抱いている不安、意見などをしっかり聞いて、上司に復命すること。

(8)契約書、領収書などの書類については、当然にコピーできるという姿勢ではなく、あくまでも納税者の理解と協力の下にしないと、今後の課税当局と納税者が「近づきやすい」ということにはならない。

(9)留め置きの規定で、書類を署に持ち帰ってコピーをするかどうかを、予め明確にした方が後々のトラブルを未然に防ぐことができる。

(10)進行年度の調査(現金実査など)が実施される場合があるが、法律上何の根拠もないのでそのような調査手法はやめること。

(11)医療機関におけるカルテの開示については、医療法において禁止されているので、個人情報保護法違及び刑罰対象行為になることを未然に防止するためやめること。

他にもたくさんの要望や意見がありますが、枚数の関係でここまでしか書けませんでした。

先進国において唯一「納税者の権利憲章」がないわが国、ニッポン。納税者があくまで「主人公」であり、課税庁にとっては「お客様」です。その立ち位置をはっきりさせないといけないと思っています。

あらためて自己紹介をします。「ねこチャン」はこんな人物です。

ある仲の良い税理士から講演の依頼を受けました。その質問について要約して、あらためての私の自己紹介をします。

■ご両親のどんなところに影響を受けて事業をしているのか?

・約10年前に他界した父は塩田地主のお坊ちゃま育ちの「自由人」を地で行った人でした。亡き父からは、「自分のやりたいことを好きして良いんだ。」ということを学びました。無口で、愛情表現が上手くなかったことは「反面教師」としています。

・齢90歳となる母は、その当時の花形的な職業であった「電話交換手」をやっていました。その当時はあまり行かなかった女学校も出ているせいもあるのか、今もなかなかの聡明・博学です。母からは「知性」が必要なことを学びました。すごく「わがまま」な部分を持っていますが、それは「反面教師」としています。

■なぜ、お金に執着しないのか?

・本当は断捨離をしなければ行けない歳なのに、不必要なものを購入しては妻にあきれられることもしばしばです。

・幸いにも、個人としては借入金がないので当座の暮らしには困っていません。しかし、豪邸(自宅は、敷地60坪、延床面積40坪の持ち家なので都会から見たら豪邸かもしれません。)に住みたいとか、ベンツのような高級車(今はトヨタのSAIという車に乗っています。新車価格は500万円弱だったと思いますが、既に20万キロ以上の走行距離です。)に乗りたいとの思いはまるでありません。

■税理士は経営者か職人か?

・良い質問ですね。まずは、マイスター(職人)以上に近い言葉としては、「税金の弁護士」でなければいけないと思います。とはいえ、自分の税理士としての理念を実現するためには、理念に共感してくれる人との組織プレーが必要です。組織を束ねようと思えば、否が応でも「経営者」としての側面も大事だろうと思います。要は、そのバランスです。

■先生の考える会計事務所像とは

・地域に根ざし、「お困り事の解決センター」としての位置づけが必要だと思います。自然発生的に弁護士、司法書士、社労士等とのネットワークができました。確かに「口コミ」で困難事案を解決できる事務所として、地域では評判です。紹介者からの事案の紹介が多いのはありがたいことです。ただ、関与先の量とスタッフの質がまだアンバランスなのが課題です。

・単に記帳や決算・申告などではなく、関与先や相談者と一緒に「喜び」も、「苦しみ」も、「悲しみ」も共有できるまでの信頼関係が必要だろうと思いますが、それを構築することが、なかなかできないのが現実です。

■事務所スタッフの勉強会などについて

・スタッフが行きたい外部研修には行ってもらっています。反対に行ってもらったら役立つだろう研修の紹介もしています。研修会に参加すれば交通費と日当も支給しています。その代わりに、研修レポートもA4一枚にまとめて提出する義務があります。

・年に2回、3つの事務所が集まって全体会議をしますが、外部講師による主に理念の勉強会が多いです。毎月の事務所毎の研修も繁忙期以外は90分くらい時間を取って内部講師でやっています。それが、スタッフの質の向上につながっていると思います。

■先生の趣味は

・登山です。2017年(還暦の歳)に日本100名山を制覇しました。100座目は山形県の蔵王山でした。思い出深いのは、98座目の北海道のトムラウシ山(最後1時間のところで足がつってしばらく歩けませんでした)と99座目の黒部五郎岳(単独で行って危うく遭難しそうになりました。富山県山岳救助隊にはスタンバイだけはしてもらっていたようで、事情聴取を受けました)です。家にも連絡が入り、授乳中の長女のおっぱいが止まるという迷惑をかけました。今年に入ってからは、足のかかとのけがとコロナの影響でまだ一度も登山靴を履いていません。登山には随分と時間、体力、お金を費やしました。しかし、ここのところ明らかにモチベーションは下がっています。

・もうひとつの趣味は、アコースティックギターです。最近は、ビートルズの「ヘイ・ジュード」エルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」CCRの「雨を見たかい」などの英語の曲の練習をしています。同い年の講師の先生に週1回特訓を受けていますが、なかなか上手くはなりません。以前は、今は亡き、加藤和彦さんの曲などの弾き語りをしていました。最高時、5本のギターを持っていましたが、置く場所がないので現在2本しかありません。そのうちの一本は世界的に有名なギターメーカーのもので、かなり良い値段で購入しましたが弾きにくいので、お蔵入りしそうです。

・趣味とは言えませんが、今一番隙間時間をさいているのは「英会話」です。現在は中学校3年生ぐらいのレベルですが、休日だと10時間以上勉強をする日もあります。毎日手帳に勉強時間と内容を書き込んでいますが,なかなか上達はしません。週に一度、これまた、同い年の外国人の先生(大学の非常勤講師)に90分のレッスンを妻と2人で受けています。専業主婦の妻との良きコミュニケーション・ツールになっています。

・始めたばかりですが、週に1回ストレス解消のためボクシングで体を鍛えています。それと同じく週に1回、剣道の練習に行っています。現在2段ですが3段取得が目標です。

・これも趣味とは言えないのがダイエットです。若い頃から体重が増えたり減ったり(最高時84㎏、最少時63㎏)しています。もともと大食漢でしかも太りやすい体質なのかあっという間に還暦を過ぎてしばらく72㎏をキープしていた体重が、今年の元旦には、78㎏(BMIは、身長が172㎝なので65㎏が理想です。)まで体重が増加しました。着られる服も限られました。そこで年頭に体重を10㎏落とす目標を立てました。今回のダイエットの方法としては夜の食事の量を減らすことと、妻と二人で夕方約40分のアップダウンの激しいコースでのウオーキングをすることでした。夜の食事は野菜ジュースと豆乳を中心とした流動食にしました。ウオーキングは、妻とのコミュニケーションを図るのにとても有効です。体重が落ち始めるのに2ヶ月かかりましたが、その後はみるみるうちに落ちていき、ついに5月上旬70㎏になり、中旬には目標の68㎏になり、夕食も固形物にしましたが70㎏をキープしています。82センチのズボンが楽々はけるようになりました。毎朝体重計に乗り、毎食の食事内容と食事時間を記載しています。涙ぐましい努力を継続するのに快感を抱くようにまでなりました。