小選挙区制度は廃止すべきです!~人物本位で選ぶ中選挙区制度と政党本位で選ぶ比例代表制度の組み合わせがベスト~

「1票の格差」が最大2.08倍だった2021年10月の衆院選は「投票の価値の平等に反し違憲だ」として、弁護士グループが岡山県内の選挙区選挙の無効を求めた訴訟の判決が、2月10日広島高裁岡山支部であり、裁判所は「合憲」と判断しこの請求を棄却しました。

昨年の衆院戦での一票の格差をめぐる訴訟の判決はこれで6件目になりますが、「合憲」と「違憲」がそれぞれ各3件となりその判断が大きく分かれています。訴訟は全国14の高裁・支部で提起されており3月までに判決が出そろいます。その後、最高裁が年内にも統一判断を示す見通しになっています。

一票の格差については、最高裁大法廷が2009年以降の衆院選について、3回連続で「違憲状態」としました。それを受けて国会は16年、都道府県の人口比をより反映しやすい「アダムス方式」の導入を決め、経過措置として小選挙区の定数を「0増6減」としました。ただ昨年の衆院選ではこの方式の導入が間に合わず、2倍を超える格差が生まれました。

今後、衆院選挙区画定審議会(区割り審)は6月25日までに、新たな区割り案を首相に勧告する予定です。この案では「10増10減」を軸に調整が進められていますが、自民党の内部では異論が噴出しています。例えば山口県では、定数が4から1減少して3になり、安倍元首相(4区)と林外務大臣(3区)の公認争いになるとの見方も出ています。

朝日新聞は、2月11日の1面トップに、2040年「16増16減」という大見出しで「アダムス方式」を当てはめた試算がされていました。試算を都道府県別でみると、40年には東京が8増、神奈川が3増などで、山形、栃木、新潟、岐阜、長崎などが各1減となるとしています。この記事で減少となる16都県では、戦々恐々となっているのではないでしょうか。

いま小選挙区制度の矛盾が露呈しています。この制度にしがみつく限り、こうした問題は未来永劫続きます。小選挙区制度では、有効投票の多数で当選者が決定まり、当選者以外の候補者に入れた票は無かったこと、つまり「死票」となります。民意を歪め、その結果投票率をも下がり、さらに政権与党に圧倒的に有利な小選挙区制度は廃止し、多様な民意が正しく国政に反映される選挙制度に改革する必要性があるでしょう。

朝日新聞のオピニオンの投稿(21年11月6日付)でなるほどと頷かされた投稿があったので紹介します。「~前略~『田中角栄 戦後日本の悲しき自画像』」(中経出版)の一節を思い出した。中選挙区制の時代、旧新潟3区には、角栄氏のほか、社会党の三宅正一氏がいた。選挙戦の街頭演説で、角栄氏は『この選挙でわれわれは勝たねばならないが、農民の恩人である三宅先生だけは落選させてはいけない。もし落選させたら新潟県人の恥になる』と話したという。~中略~人物を選びやすくするためにも中選挙区制の復活を望む。その方が民意がより国会に反映されるはずだと思う」この意見に賛同します。

さらに、定数の半分を人物本位で選ぶ「中選挙制度」と半分を政党本位で選ぶ「全国区比例代表制度」の組み合わすのが理想の選挙制度だと思います。

こうした選挙制度の改革と併せて、有権者の権利でもあり義務でもある投票を必ず行い政治に自ら進んで参画する意識を持つことが大事です。