「改元」に際して「元号」の取り扱いを変えたら?~仕事でもプライベートでも扱いにくい「元号」~

平成という元号が終わり、4月1日に新しい元号が発表されます。安部首相は当初、4月10日に財界などが天皇ご在位30年の「お祝いと感謝の集い」を開くことから、翌11日に新元号を公表する方向で検討を進めてきました。ところが、米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の更新が間に合わず、企業の決算作業が混乱しかねないことが判明したことに加え年金や失業手当の給付に支障をきたす恐れもあるため、4月1日に前倒しして公表することにしました。

平成天皇の正式名は明仁(あきひと、1933年〈昭和8年〉12月23日生まれ)で、日本の第125代天皇(在位: 1989年〈昭和64年〉1月7日から)です。

明仁天皇は、平成最後の誕生日のメッセージを、途中涙ながらに「平和」と「反戦」に対する強いお気持ち、皇族以外の女性を伴侶とした美智子様に対する労いの言葉、また、火炎瓶を投げられるという事件もありながらも11回も沖縄訪問された思いを熱く語られました。

それはまるで「県民と寄り添いながら」と言いながら「辺野古基地」の埋め立て工事を平然とやってのける安倍首相を皮肉るように私には聞こえました。そして、県知事選挙で公明党(創価学会)を含む徹底的な組織選挙と小泉進次郎議員など人気高い議員を大量動員しながら大惨敗を喫したことや埋め立て工事区域に軟弱地盤の存在がわかり当初の予算が10倍の約1兆円かかること、台風の影響で予定していた桟橋が使えず遠方から民間の桟橋を借りてまで既成事実を作るために埋め立て工事をすることを考えたとき私の頭は思考停止になります。

明仁天皇は、このお歳でありながらも憲法で定める「象徴天皇」とは何かと自問自答しながら、国内の被災地を初め海外にも旺盛に渡航されるなど、多くの公務を遂行されたことには敬意を表します。

私は明仁天皇に対するリスペクトとは別の観点、つまり職業会計人としてその実務面での煩雑さから「元号(和暦とも言いますが)」の使用を替えた方がいいと考えます。政府は何かにつけて「グローバル化」の必要性を論じますが、「元号」の使用を当たり前のように使います。もし新しい「元号」になれば、所得税の確定申告書の生年月日欄が「明治」「大正」「昭和」「平成」そして新しい「元号」の5つが存在することになります。

もちろん「明治」の終わりは1912年生まれなので齢107歳になるので極々少数です。因みに、国内最高齢は鹿児島県喜界町の田島ナビさんで117歳、男性の最高齢は北海道足寄町の野中正造さんで112歳、奇しくも南の孤島の女性と北の最果ての街の男性とは興味深いですね。

「大正」の終わりは1926年生まれなので93歳となります。「人生100年社会」と言われる時代になったので少数ながら元気でおられると思います。私の父は大正9年(1920年)生まれでした。昨年4月29日「七回忌」の法要を営みましたが、最後は認知症が酷くなり私のことも認識できなくなっていました。できれば「健康寿命」での100歳を迎えたいものです。例えば、山口市湯田温泉出身で聖路加病院の名誉院長だった日野原重明先生は満105歳まで健康で天寿を全うされました。また私が敬愛する教育学者で、何回も講演も聴き、本も愛読した大田 堯(たかし)先生も昨年12月23日、100歳で昇天されるまでお元気だったそうです。おそらく、お二人とも規則正しい生活と何にでも興味を持ち、いろいろなことに挑戦されたからだと推測されます。

「昭和」の終わりは1989年生まれなので30歳(三十路)を迎えます。この年は、「天下の悪税」だと個人的に強く思う「消費税」が4月1日から実施された年です。この年に3%で誕生した消費税は、政府の思惑とは違い現在8%の水準で留まっています。これは、消費税には「逆進性」という大きな問題点があり、その「引き上げ」を口にした首相はその後の選挙で大惨敗をしています。しかし、安倍首相はそれを2014年(平成26年)4月1日より実施しましたがその後の個人消費は冷え込んだままで、8%から10%への引き上げをめぐって当初は、平成27年10月の予定でしたが、2度にわたって延期しました。それを2019年(○○元年)10月1日から実施しようとしています。

さて私の提案ですが、政府や民間等が作る文書や提出する文書(例えば所得税の確定申告書や不動産の売買契約書など)はすべて西暦にすることで、今後「元号」が変わってもコンピュータのシステム改修などの「不要な経費」が不要になります。

また、元号で覚えていた誕生年を西暦に変換する必要性がなくなります。自分の誕生年は、昭和32年が1957年だとすぐに変換できますが、母や娘の誕生年を西暦に変換することは至難の業です。「昭和」ならまだしも「平成」や4月1日に発表される「元号」を西暦に変換することはさらに困難です。今でも「数字に弱い(税理士なのに数字に弱いと誰かに言えば多くの人が驚かれますが、情けないのですが本当です)」私は、スマホの変換機能を使う始末です。

ただし、「元号」や「和暦」にこだわる人もいるだろうし、それは日本という国の独特的な文化でもあります。したがって現在、新聞紙の最上段に使っている日付の欄のように西暦の後に「かっこ」で、元号を入れるようにしたら誰もが納得するのではないでしょか。